前回からの続きになります。
なお、私の電気の知識なんて本当に乏しいものです。
こういう記事を書いておいて無責任ではありますが、間違った解釈をしている可能性もあります。
もしも『コレは違うぞヴォケ!』というところがありましたらご指摘いただけると嬉しいです。
また、いずれにしましてもこの手の話は自己責任です。
このブログに記載されている内容で同じようなことをしていただいた際に
何かしらの事故が発生しても、私の方では一切責任など取りかねますので
そのあたりのご了承はお願いいたします。
とりあえずこんな感じの回路を作って色々確かめてみようかな、と思ったわけです。
ブレットボード使えばすぐできますしね!
まず電源を考えますが、
これはBOSSのACアダプターを使うことにしました。
9Vで200mAです。
なのですが、ここで初めて知った事。
この9V200mAなのですが、実際にアダプターから出力されている電圧を確認すると
13.4Vもあったのです。なんか得した気分。
この辺の事は一応今後のために覚えておいたほうが良いかもしれませんね。
多分9V電池は9Vしか出ませんし、音になんか影響あるかもしれません。
っていうかもしかして自分のアダプターが壊れてたりするのかな?
と、思ってちょっと調べたところ,ACアダプターは200mA流れたときの電圧が9Vなので
無負荷の場合電圧が高くなっていることはありうる、とのことです。
さて。
とりあえずまあそういうことで、電圧はそういうことにしておいて、
実際に抵抗を付けてオームの法則が正しいか確認してみましょう。
なんか中途半端な抵抗値だと計算が面倒くさそうなので
手元にあった、100Ω、1KΩ、100KΩを用意しました。定格は1/4Wです。
で、ここで大きな失敗(自分にとっては強烈な印象になったため,ある意味良かったのですが)があります。
この条件下(電源電圧13.4V)で1/4W定格の100Ωを選んでしまったことがこれに当たります。
この状況については事前に読んだ書籍で詳しく解説されていたのですが
結局実体験として自分のものになっていなかったということです。
少し詳しく状況を解説します。
ブレットボード上に回路を作り、電源を入れました。
さらに、回路中の電圧(上の図でV2)を測定するためテスターを当てたのですが
そのときに何やらプラスチック臭が。。。何が起こっているかイマイチ理解していなかったのですが
とりあえず電源を切りました。
そしたらすぐに抵抗から細い煙が・・・・。指先でちょんちょん触れたところアホのように熱くなっており(そりゃそうだ)
すぐに抵抗の表面が黒く焦げてしまいました。
幸い大事には至りませんでしたが、こういうことが起こりうるし、
下手を打つともっと酷いこと(コンデンサが破裂したとか、100Vを触れてしまうとか)
が起こりうる結構怖い側面もあるんだぞ、しっかり心に刻むことはできました。
皆様もじゅうじゅうお気をつけください。
世の中にある回路図通りに作れば、そういう事故はほとんどないとは思いますが
抵抗を間違えてつけちゃった!みたいなミスは起こりうるので。
さてさて。
せっかくの失敗体験についてはしっかり検証をしておく必要があります。
少し掘り下げて考えてみましょう。
まず、抵抗が焼け焦げてしまった理由ですが、もうほぼほぼ定格を超えた電力を与えてしまった。コレに付きます。
順をおって考えてみましょう。
前提であるオームの法則をまず出しておきます。
①E(電圧)=I(電流)×R(抵抗)
単位はそれぞれV、A、Ωですね。
あともう一つ。
②電力P=I(電流)×E(電圧) Pの単位はWワットになります。
となります。
ここではこの2つに関しての説明は省略します。
(あくまでどういうふうに使えば良いのか、を考える場なので。)
さて②の式のE(電圧)の部分は、①の式のE(電圧)と同じなので
こんな感じに代入できますね。
P=I(電流)×I(電流)×R(抵抗)→赤字部分が代入した部分です
更に整理すると
③P=I^2Rとなります。Iの2乗にRをかけたものとなります。
んで、この抵抗は1/4Wの定格なので1÷4=0.25W これがPとなりますので
そして、今回の抵抗は100Ωです。この0.25Wと100Ωを③の式に入れてみましょう。
0.25=I^2×100 となります。
これは何を表しているかと言うと、I(電流)がどのくらいの数値にすれば100Ωの抵抗を使ったときに定格きっかり(0.25W)になるのか?を計算しようとしているわけです。
もっと平たく言うと、100Ωで電力が0.25Wに収めるには何アンペアまで電流を流せるのか?
ということです。
Iについて計算を進めます。
I^2=0.25÷100
I^2=0.0025
I=√0.0025=0.05(A) となります。(なお,mAにすると50mA)
つまり、100Ωの抵抗に0.05Aの電流を流すと、電力は0.25W消費される、ということになります。
あれ?電圧は?どこにも電圧が出てこないけどどういう事?電圧関係ないの?
と、思われた方いらっしゃいませんか?自分は思いました。
だってさ、電力って電流×電圧でしょ?↑の答えに電圧なんてこれっぽっちも出てないのに。
こう思いました。(今回の抵抗焼きをやるまでは)
多分、なのですが。
オームの法則、知っているけどどういうふうに使えばいいの?ということについては
ここらへんがキモなんだと思います。
もう一度確認です。上で出した答え。
『100Ωの抵抗に0.05Aの電流を流すと、電力は0.25W消費される』
確かにこの文章の中には電圧について書かれていませんが
もうすでにこの時点で決まっちゃってるんですよ、電圧。
(もう少し丁寧に言うと,100Ωの抵抗に0.05アンペア流すための電圧がどういう値かがすでに決まっている、という感じです。)
ここでオームの法則の出番です。
V=IR
すでにI(0.05A)とR(100Ω)は計算されて分かっています。
なので,電圧は自動的に計算されてしまうのです。0.05×100=5V
今までチマチマ計算してきたことから何が言えるかというと
100Ωの抵抗に5Vの電圧をかけると、0.05Aの電流が流れる。
このときの消費電力P=IVより0.05×5=0.25となる。
と、こういうことです。
また、言い方を少し変えてみると
この抵抗(定格1/4Wの100Ω)に対して5V以上の電圧をかけると、流れる電流が0.05Aを上回り
結果消費電力はこの抵抗の定格である1/4W(0.25W)を上回ってしまう。
と言うことに成るわけです。
定格というのが定められている以上、そこを逸脱した方法で使用することは危険なわけです。
即刻、抵抗の選定をやり直す必要があるわけです。
定格の変更なのか、抵抗値の変更なのか、とにかくこのままではいけないわけです。
はい。いけないことをやった結果がコレです。
以上,今回の抵抗焼き切れ事件で学んだ内容であり、得た教訓でした。
無知って怖い。
なお、実際自分が何をやらかしたのかを思い出してみると
1/4W(0.25W)定格の100Ωの抵抗に対して
かけていい電圧:5V以下
流れて良い電流:0.05A以下。
発生して良い電力:0.25W以下
のところ
かけた電圧:13.4V。
流れた電流:I=V/Rより13.4÷100=0.134A
発生した電力:P=IVより0.134×13.4=1.7956W
電力にすると定格の7倍出ていたことになりますね。
いきなり抵抗が発火とか、アダプターが発火とか、ブレットボートが溶けた
じゃなかったので良かったですが。ホントに。
こういう失敗で救われるのが、
本などから得ていた知識が強烈な実体験の記憶として残るので
色々な理解が進む、という点にあるのかのしれません。
おかげさまでオームの法則をどういうふうに使えば良いのかわかりました。
教科書なんかでは漠然と式だけ出されて、乾電池と豆電球を直列につないで
この電池で豆電球が抵抗値コレくらいのときに、回路に流れる電流はいくら?
みたいな計算のやり方は分かるんですけど、
じゃあその豆電球と乾電池の回路以外のときにどうやって使えばいいの?
みたいなのはこういう形じゃないと体験できませんもんね。特に自分のような数学物理恐怖症の人間は。
例えば、今回のような事故を起こさないためには、電圧の大きさに応じた抵抗を選ばないといけません。
そのために、その数式をこういうふうに展開すると、こういうことを表す値がでてくるので
その値を参考にして正しい抵抗を選べば、事故は起こらないんです。
と、いうようなことを考えるときに使う道具なわけです。
このあたりって、練習問題を繰り返して身につくという類のものではなく
『概念をうまいこと悟れ』みたいな領域に片足突っ込んでるんじゃないかなと思うんです、ガチガチ文系脳なので。
今日ここに書いた内容が,いつか誰かの参考に少しでもなればよいですが
まだ自分も道に迷っている最中なので、よかったら一緒に迷いませんか(笑)