施術時の圧についてです。

リンパドレナージュオンリーの施術メニューでなさっているセラピストの方に向けては、

また別の機会に書きます。

 

***

 

「マッサージ大好き」なお客さまがご来店なさったときには

お好みの圧を聞いてみます。

 

するとたいてい、「強めがいいです」

という答えが返ってきます。

 

これって、自然な流れだと思います。

 

なぜかというと、筋肉のこわばりをがんがん「マッサージ」することで

ますます筋肉のこわばりが強くなり、

そうなると今までより強い圧での「マッサージ」じゃないと物足りなく感じるようになるから。

 

この流れが主流になっていることが正しいかどうかはおいておいて

身体そのものの状況を掘り下げて考えてみましょう。

 

まず、凝り固まっている僧帽筋ちゃんや脊柱起立筋ちゃんや腸腰筋ちゃんたちの

状態をイメージしてみてください。

 

彼女たちの本来の伸び伸びとしたしなやかさは

日常的に加えられる負荷により、地中深くに埋め込まれています。

 

身体が縮こまると、気持ちまでついてくるものです。

 

彼女たちは、

持ち主ががんばっているために自分の身動きがとれなくなっていることを

よくわかっているので、ケアをしてほしいというサインは出しますが、

こわばりがある程度のところまでくると、黙って耐えるようになります。

 

そして、自分を優しく丁寧に扱い、なおかつよ~く話を聞いてくれる王子が現れるのを

心待ちにする日々が始まるのです。

まぁ、しんどいですがある意味、平和で安定した毎日です。

 

ですがある日、持ち主は決心します。

このまましんどいのが続くのはいやだ。

「プロのマッサージ」を受けてみよう!

 

そして、自分の希望を聞いてくれるお店を見つけます。

持ち主の希望というのは簡単です。

今すぐ楽になりたい。凝ってるところをピンポイントでがっつり「マッサージ」してほしい。

 

そこでお店の人は、指やヒジやかかとや棒、んもう文字通りあらゆる手段を使って

筋肉ちゃんたちをぐいぐい押しまくります。

それが彼らのお仕事だと信じてますから。

 

彼女たちは、急に騒がしくなった外界に驚き、尋ねます。

きゅい~ん、きゃい~ん、なにが起こったの~~~??って。

 

そこで押してる人は答えます。

いや、早くリラックスさせて救い出してあげようと思って、愛と力をこめてるんだよ。

 

愛は盲目。

良かれと思ってやってあげたことが裏目にでて

かえって相手の気持ちが頑なになってしまうことは、世の中珍しくありません。

 

悲しいかな、筋肉ちゃんたちにも同様のことが起こります。

しかも、彼女たちはすぐにはいやだと言いません。

その場でいったんは、ありがとう照れとにっこり笑ってくれます。

 

そして、帰宅してしばらくしてから本音がでます。

 

やっぱムリ。めっちゃ驚いたし。なんか筋繊維傷ついたし。

ぐすん。心開けなんてムリ。脳みそ筋肉の人、ムリ。

 

再び縮こまります。

 

すぐに言ってくれればいいのに、ちょっとめんどくさいタイプです。

 

でも、持ち主は、本当のところ何が起こっているのかわかりません。

「マッサージ」を受けたらスッキリして楽になったけど、数日したらまた重くなってくるので

今度はもっと強くもんでも~らお、と思って、せっせとお店に通います。

 

お店の人は、「御意」と言うかはわかりませんが、

お客さまのリクエストに応えてもっと強く「マッサージ」します。

 

***

 

さて、突然ですがここでクイズです。

じゃかじゃんルンルン

 

問題:お客さまへの施術の際、力加減を決める責任があるのは誰でしょう?

 

A.お客さま

B.筋肉ちゃんたち

C.脳みそ筋肉の人

D.セラピスト

 

…答え、わかりましたか?

 

…ファイナルアンサー?(年代がわかりますねぇ)

 

そうです、正解は「D.セラピスト」です。

 

だって、わたしたちはプロですから。

お客さまは、ここがしんどいっていっても、そこがしんどさの原因かどうかとか、

わかりませんから。

でも、わたしたちはわかります。

 

そこを丁寧にご説明して、

必ずしもご希望通りの圧やアプローチにならないこともあると

きちんとお伝えしましょう。

 

カウンセリングの段階では納得しきっていただけないかもですが

施術の結果でご理解いただきましょうグッ

 

サロンのHP

 

 

リラクゼーションサロンに限らず、

スタッフにある程度ご自身のことについて話す必要のあるお店では、

初めは緊張なさっているお客さまが多いです。

 

また、緊張はしていませんが、自分を見せようとされない方もおられます。

なるべく話さずに、サービスそのものだけ受けて、さくっと帰ろう、みたいな感じです。

 

これはまぁ、至極当然のことです。

 

普通、会ったばかりの人に、自分が困っていることやわからないことを

いきなりべらべら話したりはしませんからね(話されても困るよね)。

それを解決してくれそうなサービスを提供しているお店だからって、

スタッフと初対面であることには変わりありません。

 

なので、お客さまはセラピストについて

 

1.相手は信頼でき(人間性)

2.自分の本音を話したときに分かってもらえる人なのか(理解力と受容力)

3.それを解決できる人なのか(経験値と実力)

 

を見極めようとします。

まぁ、これで距離を保とうとするなという方が無理がありますね。

 

わたしたちにとって、そこを解きほぐすことも、というか、

そのことが、初めて来店されたお客さまへの、最初の大切な仕事といえるでしょう。

 

だって、遅くとも数十分後には、その方のお身体に触れて、

状態を正確に把握して、適切な圧でトリートメントを施していかなきゃなんです。

 

よそ様のお肌に触れるんです。

これほんと、日常ではあり得ないことです、お互いに。ね。

 

ということで、お客さまの緊張を和らげるということにとどまらず

リラックスしてサロンでお過ごしいただくにはどうすればいいのかしら、

というお題は、まじめなセラピストであれば常々気になるところかもしれません。

 

これ、答えは、「自分がリラックスすること」です。

そして、お客さまに関心を持つこと。

 

と言っても、プライベートサロンを運営したいと考えた時点で

そんなことはクリアできてるし~という方も多いでしょう。

 

ここで大切なのは、バランスです。

 

自分がリラックスしすぎて、お客さまに過度に関心を持つと

ともすると「自分が主役」になる可能性があります。

 

たとえば、

自然体で、悩んでいる方の話を聞いてあげているわ宝石赤宝石赤宝石赤

みたいな。

 

えっとね、主役はね、お客さまです。

あなたのお城であるサロンにいらした、他国のお姫様だと思いましょう。

 

ご自身も姫でかまいませんが

お客さまのリラックス加減に乗っからないように。

 

これをすると、次のご利用はないですグラサン

わたしはこれ、施術者側としても、利用者側としても経験があります。

 

だって、人間だもの、その日の気分とか波とかがノッてたら

ちょっとつるんとすべっちゃうこともありますからね。

そこは仕方がないです。

 

だから、意識することです。

 

自分を俯瞰的に見つめること。

 

境界線を越えないこと。

 

お客さまは、こういう心がけを感じ取り、安心感を持ってくださいます。

 

それが、適切なケアにつながります^^

 

 

サロンのHP

 

よっぽど自分の想定外なタイプの方でなければ、

今日来てくださったお客さまに、またお越しいただきたいですよね。

 

その気持ちを、いつ、どの程度伝えるか、ということについてです。

 

わたしは、初回のご来店での施術の後のお茶のとき、お客さまから聞かれたら

オススメのスパンをお伝えしています。

 

会話のパターンとしては、こんな感じです。

 

わたし「どうですか、少し楽になっていただけましたか?」

 

お客さま「はい、とっても♪ あの、これって次はいつ来ればいいんですか?」

 

わたし「そうですね、いつっていうのはお客さまご自身で決めていただくところなんですけれども、施術をする側からすると、2ヶ月以上空くと、元の状態に戻っていることが多いので、またスタートからのケアになります。

1ヵ月前後でしたら、今日の続きという感じで施術ができるので、より楽にはなっていただけると思います」

 

長かったですかね…。

 

要するに、ひと月強に一度のご利用をオススメする、ということです。

 

でも、これはあくまでも、こちら側からの「提案」である、

ということを忘れないようにしています。

 

サロンは、医療機関ではないですから、よそ様のお身体のケアに関してこちらが判断することはできません。ですよね。

 

 

このスタンスは、次のようなメリットをもたらします。

 

・まず、お客さまにとって、主体的なセルフケアの必要性を考えるきっかけとなりうるということ。

 

・そして、サロンのスタッフのセールストークを断りきれずに通わざるを得なくなったという不満を持つことがない。

 

・結果、気がついたらサロンに通うことが生活の一部になっていた、という形を作ることができる。

 

・さらに、わたしたちからすると、お客さまを必死になって取り込もうとしなくても、

高い確率でまた来てくださる、少なくとも、心地よい体験ができた場所として、サロンを記憶していただけます。

 

・そのことだけでも、気持ちにかなりのゆとりができます。

 

 

と、もしかするとここで、そもそもな疑問がでてくるかもしれません。

 

「次はいつくればいい?なんて、ほんとにお客さまから聞いてもらえるの?」

 

そうですね、聞いてもら…ってますね、わたしは。

 

これは開業当時からですが、ほとんどのお客さまから聞かれてます。

 

わたしはスクールに通っていないので、最初は正直、

自分の技術や接客スタイルの良し悪しがわかりませんでした。

 

だから逆に、自信を持って次回のご来店を促すことができなかったという部分もあります。

 

でも、毎回のように、お客さまから聞いてきてくださったんです。

 

その積み重ねで、現在のご利用は、ほぼ100%リピーターさまとなりました。

 

なので、この方法は、お客さまと施術者、双方が快適な関係を築ける理想のサロンを作ることに役立つと思われます。

 

まぁ、前提として、実際に施術で心身が楽になったという実感を得ていただくというのが必要ではありますが、それはまたの機会に。

 

それと、「回数券の発行について」なんかも知りたい方がいらっしゃるかもしれませんので、

それも追い追い書いていきましょうね。

 

今回はここまでにします^^

 

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