はたらく日本の女性を元気にするブログ! Produced by WOMenLABO

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エン・ジャパンを『世界で一番、女性が活躍する会社にするプロジェクト』に参加する女性メンバー達のブログです。

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こんにちは、名古屋オフィス コピーライターの加藤です。


女性として将来のキャリアを考える上で、「結婚・出産後も働き続けられるか」は、どうしても悩んでしまうもの。時短勤務で働くとしたら、今より短い時間で、会社に必要とされるだけの成果が出せるのか…正直、私はまだ自信がありません。


時短勤務でも成果を出している方は、どんな工夫をされているのか。それを知りたくて、訪ねたのは、同じ名古屋オフィスのトップセールス、福島奈穂さん。


6歳の息子さんと3歳の娘さんを育てながら、育休復帰後2年で社長賞(*)を受賞した営業です。


私も何度も一緒にお仕事をしているのですが、とにかくお客様へ向き合う方。たとえば求人広告を掲載し、思うような採用成果が出なかった時も、お客様から逃げることなく、次の提案をしに行かれます。その姿を、いつもかっこいいなと思って見ていました。


いつも前向きで、ずっと高い成果を上げている方…という印象だったのですが、育休から復帰した直後はかなり苦労されていたとのこと。そこからいったい、どうやってトップセールスになったのでしょうか。


(*)社長賞は、四半期に一度、シンボリックな活躍をした社員に贈られる賞。

 

 

【プロフィール】福島奈穂(ふくしまなお)
2007年に新卒でエン・ジャパンに入社。中途採用支援事業部(現:中途求人メディア事業部)にて求人広告の営業を5年勤める。その後、途中で産休・育休をはさみながら、人材紹介のキャリアパートナー、求人広告制作のための取材を行なうディレクター、新卒の育成を行なうトレーナーなど幅広い職種を経験。第二子の産休・育休復帰後には、7年ぶりに求人広告の営業へ復帰し、名古屋オフィスのトップセールスとなっている。

 

想像以上だった、時間のなさ

第二子の産休・育休後、7年ぶりに営業へ復帰された福島さん。今まで経験した職種の中では、営業が1番、子育てとの両立がむずかしそうと感じていたそうです。どうして、もう一度営業へ戻られたのでしょうか。

「7年も経つと、商品もマーケットの状況も変わっているので、今の環境でも成果を出せるか、チャレンジしてみたくなって。でも実は、やりたい!と強く言ったわけじゃないんです。育休復帰前の面談で、久しぶりに営業やってみたいかも…と、ぼそっと言ったら決まってしまって(笑)」

明るく当時のことを話す福島さん。しかし、復帰直後は本当に大変だったといいます。

「きつそうとは思っていましたが、思っていた以上でした。時短勤務で、営業として成果を出すためには、圧倒的に時間が足りない。もっとしっかり商談準備をしたいのに、今までの6割くらいの準備しかできなくて…」

「今日は時間を取って頑張れそうだと思った日に、保育園から連絡があって早退しなければいけなかったり、慣れない生活で体調を崩してしまって、せっかく取ったアポイントへ行けなかったり…。そんな状況だから、成果にもつながらなかったんです」

 

なりたい「営業像」とのギャップ

福島さんにとって、理想の営業とはお客様を第一に行動できる人。そんな福島さんにとって、時短勤務は大きな壁だったといいます。

「今まで私は、お客様に全力で向き合うことで成果を出してきました。そのスタンスは、今でも変わりません。ただ、昔は遅くまで会社に残り、他の営業より倍以上の時間をかけることが、私の向き合い方でした」

「でも、今の私は時短勤務です。子育てと両立するためには、どうしても以前のように時間はかけられません。時間でカバーする方法しか知らなかったので、時短勤務の営業は、自分がなりたかった”営業像”じゃないと感じてしまいました」

実際に、なかなか成果にもつながらず、ずっとつらい思いをしていたそうです。そのまま半年が過ぎ、福島さんの中である疑問が生まれるようになります。

「本当に、私は仕事を続けたいのかなって…。続けたいから復帰したはずなのに、営業として成果は出ない。余裕のなさでイライラして、子どもに怒ってしまうこともありました。営業としても、ママとしても、上手くできない自分がイヤでした」

「ママ、あきらめちゃダメだよ」

仕事を続ける理由がわからなくなり、福島さんはついに仕事を辞めることを決意します。最初にその気持ちを伝えたのは、4歳の息子さん。保育園があまり好きではないようで、見送りをする時にいつも泣いていた子だったそうです。

「正直、息子に話したら絶対に賛成されると思って話しました。保育園のお迎えが他の子たちより遅いのも、ずっと不満そうにしていたので…」

しかし、息子さんは意外な言葉を返します。

「ママ、あきらめちゃダメ。やめちゃダメだよって言われました」

「私が仕事を続けることで、一緒に過ごす時間は少なくなってしまうのに、それでも私のために言ってくれたんだと思います。それなら、やらなきゃいけないなって思い直しました」

 

私でなくてもいい仕事は、人に任せていい

息子さんの言葉で、改めて仕事を続ける決意をした福島さん。しかし、成果が上がらないという課題は解決していません。時短勤務の中で効率よく営業活動をするために、今までの仕事のやり方を変える必要がありました。

ある日、福島さんは以前の営業時代に、先輩から言われたことを思い出します。

「”外を向いて仕事をしなさい”ってよく言われていたんですよ。迷ったら社内より、社外のためになることを優先したほうがよいって。お客様ともっと向き合う時間をつくりたいなら、社内の助けを借りなくてはいけないのかもと思いました」

そこで福島さんは、アシスタントに仕事を全然頼んでいなかったことに気づきます。

「7年前はそれほど分業が進んでいなかったこともあって、アシスタントに仕事を切り出すことに抵抗感があったんですよね。ただ、実際に依頼をしてみると、”私でなくてもいい仕事”がいっぱいあることに気づきました。求人広告の応募効果が分かる分析シートの作成をしてもらったり、手書きで書いた企画書を、パワーポイントにしてもらったり。アシスタントに任せたからって、質が変わることもありません」

やがて福島さんはグループで1番アシスタントに仕事を依頼する営業に。そうしてできた時間を、お客様と向き合う時間につかうようになりました。

タスクは、すべて書き出す

お客様と向き合う時間をつくるために、福島さんは他にも実践されていることがあります。それが、タスクを徹底的に書き出すこと。

「タスクが発生した段階ですべて紙に書き出して、今日中にやることと、明日やることを切り分けるんです。書き出しただけでは不安なので写メを撮って保管して、Webスケジュールにも登録します。やりすぎかもしれないですが、心配性なので…」

最初はとにかく忘れなくて書き出していたそうですが、それは効率的なタスク管理にもつながりました。

「メモしたタスクを見て、常にデスクに戻ったら次は何をやる、その次はこれをやる…って考えているんです。通勤中でも、商談帰りの電車の中でも、頭の中はいつも次は何をやるかでいっぱい。それは時短勤務の中で、効率的に仕事をすることにつながっていると思います」
 

成果が上がり始めて、気づいた自分の強み

復帰から10ヶ月くらい。アシスタントへの依頼の効果もあったのか、少しずつ成果が上がるようになってきた福島さん。そこで、自分の強みに気づいたそうです。

「いろんな職種の仕事を経験してきたことが活かせていたんです。人材紹介でキャリアパートナーをしていたことで、求職者の気持ちが分かるから、選考方法に関する提案ができます。求人広告の取材をするディレクターをしていたから、広告のことが分かります。いろんな視点で、お客様の相談にのれたんです」

復帰してからずっと、お客様の相談にのっていた福島さん。受注という成果につながっていない間も、少しずつお客様から信頼を獲得していました。そして、その信頼の結果が、10ヶ月目でようやく成果にも現れるようになったのです。

 

育休復帰後2年でつかんだ、社長賞

自分の強みを時短勤務の中でも活かせるようになった福島さん。成果はぐんぐん上がり、名古屋オフィスのトップセールスに。その結果、社長賞も受賞しました。

「じつは、はっきり狙っていたわけではなかったんです。ただ名古屋オフィスを盛り上げたい気持ちが強く、賞に立候補しました。大変だったから認められたかったという気持ちもあります(笑)」

「あとは、賞をとって、時短勤務の営業のことを知ってもらうことで、もっと働き方の幅が広がると良いなぁと思ったんですよね。在宅勤務とか、フルコミッションとか、自分のためにも、後輩社員のためにも、もっと道をつくりたいなと思っています」


 

【編集後記】
分からないことがある時は、中途入社4年目で、何個も下の後輩である私にもよく質問してくれる福島さん。ご本人は「心配性だから、つい聞いてしまう」とおっしゃっていましたが、ためらいなく後輩を頼れる方は、じつはそんなに多くないのではないかと思います。

もしかしたら、今回お話を伺った「迷ったら社内より、社外のためになることを優先したほうがよい」という考え方が鍵となっているのかもしれません。社外のお客様のためなら、仮に社内で「先輩なのに知らないんだ」と思われたとしても(思ったことはないですが)、聞いたほうがお客様のためになると考えられているのかもしれませんね。

こうした考え方や、タスク管理の仕方は、時短勤務で働く方はもちろん、そうでない方も参考にできること。私も、実践してみたいと思います。

 

こんにちは。コピーライターの青木です。


 20代後半になり、同僚とキャリアについて話す機会が増えてきました。コピーライターの道を極める?マネジメントの経験も積む? ……私自身、一度はマネジメントに挑戦したものの、「1人のプレーヤーとして背中で語れる成果を出せていないままじゃダメだ」と感じ、プレーヤーに戻った経験があります。
 

とはいえ、思い描いたような成長実感が得られず「このまま進んでいけるのかな?」と悩む日も。
 

同じように、
「チャレンジリーダーをしているけど、うまくいかない」
「リーダーにならないと、成長が止まっているように感じる」
とお悩みの方は、少なくないはず。
 

今回お話を聞いた営業の相澤知美さんも、そんな風に悩んだことのある1人です。
 

2020年1月、社長賞ベストプレーヤー賞を受賞した相澤さん。壇上で語った「ハイプレーヤーのロールモデルになりたかった」という言葉は印象的でした。
 

そんな彼女にお話を聞くと、「最初はメンバーの次はリーダーになるのが当たり前!と思っていたんです。でも、大事なのはリーダーになることよりも自分がどうなりたいか、だったんです。キャリアを考えたときに、私はハイプレーヤーのロールモデルになりたかった。今では素直にそう思えています」


力強く語ってくれる相澤さんに、「自分の戦い方の見つけ方」について聞きました。
 

【プロフィール】相澤 知美(あいざわ ともみ)
前職は、ウェディングプランナー。2016年にエン・ジャパンに営業として入社。メンバーとして通算3回MVPを獲得し、わずか1年でチャレンジリーダー(*)になるも、再びメンバーとして歩むことを決意。チームを異動し、またしても通算3回MVPに輝く。2020年には、社長賞ベストプレーヤー賞受賞。

 

(*)リーダー(係長)職や、マネージャー(課長)職に昇格する際、一定の育成期間を設定する制度のこと。2016年より開始。詳細はこちら

 

 

追うべきものがなくなり、心にぽっかり穴があいた
 

「自分で言うのもおこがましいですが……次にリーダーになるのは私だなって思っていたんです」
 

『エン転職』の営業として中途入社した相澤さん。入社から半年後には、3ヶ月連続で部署内MVPを受賞。その活躍ぶりは上層部からも注目され、周囲のメンバーよりも早く「チャレンジリーダー」になる話が持ち上がりました。
 

「せっかくならリーダーになりたいし、なるんだろうなと思っていました。何より私は、営業の仕事が大好きで。リーダーになれば自分の担当クライアントだけじゃなく、チームメンバーのクライアントまでサポートできる。最高じゃんって、リーダーになることがすごく楽しみだった」
 

しかし、相澤さんを待ち受けていたのは、想像とは違ったリーダー生活でした。
 

「リーダー業務を行なっているとお客さんに会える時間が減っていたし、どんなリーダーになりたいのかが曖昧になっていたんです」
 

周囲に期待される一方、自分のキャリアについて本気で悩み始めたという相澤さん。
 

そして、数ヶ月のチャレンジリーダー期間が終わるとき、彼女が選んだのは、再びプレーヤーに戻る道でした。
 

「正直、あぁ、キャリアダウンしちゃったなって思いました。当時、リーダーに挑戦してからプレーヤーに戻った人って、多くはなくて。社内でキャリアップしていくとしたら、リーダーを経て管理職になる道だけ。プレーヤーに戻っちゃったら目標もないし、何のために働けば良いんだろう?と分からなくなってしまって……」 
 

先輩すら追い抜いてチャレンジリーダーに選ばれ、活躍を期待されていた順調すぎる日々から一転。あえてリーダーの道を進まない決断をしたことで、追うべき目標を見失ってしまった相澤さん。
 

「あのときは、もう毎日、憂鬱でしたね」
 

と当時を振り返ります。


 

 

 「このチームの顧客リスト、ぜんぶ私にください」
 

プレーヤーに戻り、先の見えない日々を過ごしていた相澤さん。彼女を支えていたのは、やはり目の前のお客さまでした。

「一度リーダーを経験したからこそ、お客さんと向き合える喜びをより強く感じられるようになったんです。やっぱり私は営業の仕事が好きなんだなって」

とにかく1社でも多くの企業を幸せにしたい。そこで彼女が起こした行動は、「誰よりも高い目標を掲げる」こと。
 

「チームの顧客リストをぜんぶ私にくださいって、上司に無茶を言ってお願いしました(笑)とにかく私がたくさんのお客さんを幸せにしたい!と思って。大好きなお客さんに向き合うことで、少しずつ新しい目標が見えてきたんです」
 

また、「環境を変えたことも、前に進めるきっかけになったと思います」と彼女は当時を振り返ります。


「入社からプレーヤーに戻ったばかりの頃までは、新規への提案がメインの部署にいたんですね。そこから、少し規模感の大きいクライアントに対して継続的に採用活動を支援する部署に移らせてもらって」
 

「新しい環境なので、営業手法も違い、当然できないことが多くありました。でも、だからこそ自分の知識やできることの幅が広がっていく実感が持てた。“新しいステージ”に進めた気がしたんです」
 

思い切って環境を変え、自ら高い目標を掲げる。そうして彼女は、徐々に入社当初の気持ちを取り戻していきます。
 

「この環境で、きちんと業績を出そう、1番になろう。自分自身がキャリアの成功事例になりたい!という新しい目標が出来ました」

 

 

 

こじ開けた「ハイプレーヤー」として道
 

自信を取り戻した彼女は、次々にMVPを獲得。再び高い成果を上げていきます。


もう、相澤さんを「リーダーになれなかった人」と言う人はいない。「ハイプレーヤー」として認識される存在になっていったのです。
 

彼女の考え方にも、少しずつ変化が現れます。
 

「ハイプレーヤーとして、組織に何か還元できることはないだろうか。そう考えるようになって。自分の持っているノウハウを独り占めするんじゃなくて、周囲のメンバーに共有していこうと勉強会を開催したんです。相澤の勉強会だから、“アイザップ”とマネージャーが名付けてくれました(笑)」
 

業績の面から組織を牽引することはもちろん、その中で得たものを組織に還元していった相澤さん。

 

リーダーではなくとも、ハイプレーヤーだからこそ他の人の模範となって存在感を示していくことはできる。それが確信に変わった瞬間でした。
 

彼女はこう続けます。
 

「リーダーというキャリアだけではなくて、もっといろんなキャリアがあるべき。そして、ハイプレーヤーで活躍している人にももっとスポットが当たってもいいんじゃないかと思うようになりました」

 

 

自分のキャリアは、自分で掴みとれる
 

「ハイプレーヤーのロールモデルになりたい」


社長賞の受賞式で、まっすぐこう言った彼女。「自分が社長賞をとることで、キャリアに悩んでいる人の背中を少しでも押したかった」と、心境を語ってくれました。
 

「今までって、キャリアアップというとリーダーになる選択肢しかないと思っていました。でも私がそうだったように、ステップアップしたくても、リーダーよりプレーヤーに向いている人もいる。リーダーという道を選ばなかった自分が生き生きと働いて、ハイプレーヤーとして活躍することで、“こんな道もあるよ”と示したかったんです」


成果を出し続けられる力がある人が、キャリアに悩み辞めていってしまう。そんな状況を目の当たりにしたこともあるという相澤さん。
 

選択肢はいくつもあるし、自分のキャリアは、自分で掴みとることができる。相澤さんの社長賞受賞は、私たちにそんな可能性を教えてくれたように思います。
 

「仮にいま、キャリアに悩んでる人がいるなら、まずは自分がどうなりたいか一度立ち止まって真剣に考えてみると良いんじゃないかって思うんです。結果、それがリーダーじゃないとできないことならリーダーになればいいし、私のように方向転換するのもアリだと思う。自分なりの組織貢献の仕方を、前向きに模索していくことが大事なんじゃないでしょうか」
 

 

編集後記


 営業とコピーライターは、採用活動における求人広告制作でタッグを組む “相方” のような存在です。私はこれまで、相澤さんのお客様の求人を担当する機会が何度もありました。そのときの相澤さんは、いつもテキパキとしていて丁寧な仕事ぶり。勝手に「失敗をすることがない、1人で何でも完璧にこなせる人なんだろうなぁ」と思っていました。


そのため、思い通りにいかないチャレンジリーダー期間や、悩みながら働いていた時期のお話は意外に感じました。でも、浮き沈みがあったから、彼女は「戦うフィールドを変える」という新しい道を見つけられたのだと思います。かつての相澤さんと同じようにキャリアに迷っている人にも、挫折を味わって立ち止まってしまった人にも、きっと役立つ考え方ではないでしょうか。
 

 

取材・文 / 青木みさき
編集・撮影/林玲菜

こんにちは。コピーライターの佐藤です。

突然ですが、「自己肯定感」って言葉、ご存知ですか?すごくカンタンに説明すると、「私は私でいいんだ」と、自分で自分を認めてあげること。これが、意外とむずかしいなって思うこと、ありませんか?


たとえば…
・信頼してくれる上司の期待に応えたいのに、成果が出せない時
・慕ってくれる後輩にカッコいい背中を見せたいのに、うまくいかない時
 
「私って、なんてダメなんだろう」「カッコ悪いし、恥ずかしい」と自分を責めてしまった経験が、誰もが一度くらいはあるはず。
 
今回ご紹介する式地さんも、そんなふうに葛藤していた時期があったそう。2019年、社長賞を受賞した式地さん。いつも笑顔でエネルギッシュなイメージですが、つい半年ほど前には同僚全員の前で大号泣した…なんて事件も?
 
「あのときは、これまで経験したことがないくらい恥ずかしかった(苦笑)。でもおかげで、すごくラクになりました。"嫌われたくない" って思いから解放されて、飾らない自分を出せるようになりました」
 
活躍する式地さんに、「自然体で仕事を楽しむコツ」について聞きました!
 
【プロフィール】式地麻衣子(しきち まいこ)
新卒で『エン転職』営業としてエン・ジャパンに入社し、今年で6年目。入社2年目にはリーダーに昇格した。さらに翌年には「渉外チーム」に異動し、新しいミッションに挑戦。2019年9月、その業績が評価され、社長賞を受賞した。
 

「カッコいい先輩」「カッコいい上司」でいたかった、営業時代

 
『エン転職』の営業として、新卒入社した式地さん。1年目から成果を出し、2年目にはリーダーに昇格。彼女は、当時の自分をこう振り返ります。
 
「社会人になって、初めて挑戦した営業。毎日出来ることが増えていくので楽しかったです。上司や先輩にやってごらん、と言われたことをそのままやれば、成果が出せた。だからこそ、自分は熱くなったり、泥臭く努力したりかっこ悪い姿を見せずにそつなくこなせるタイプなんだと思い込んでいました。今思えば、成功体験を積みやすい環境を周りが作ってくれていて、それに乗っかっていた部分も大きかったと思うんですけど…」
 
営業としての自信がついた入社3年目の冬、思いがけない新天地への異動の打診が。『エン転職』を提案する販売パートナー企業のサポートする「渉外チーム」立ち上げに伴って、その第二期生に選ばれたのでした。
 

新天地へ、「失望されたくない」という思いが足かせに

社内では比較的新しい部署にミッションに挑戦することになった式地さん。立ち上げから間もない組織では、体制やフローなど、未整備の部分も少なくなかったといいます。
 
「異動後の業務は、パートナー企業でエンの商材を提案してくれる営業さん達の相談に乗ることでした。たとえば "『エン転職』の機能について教えてほしいんですけど" とか "ロープレしてほしい" とか。1日で着信履歴の上限がいっぱいになるくらい、たくさん相談をいただいていたんです。だから頼りされている、力になれているという実感も当時はありました」

新たなミッションに挑む日々。順調に組織が立ち上がる中で、営業としての目標数字もあがっていきます。

「いままで営業としてやってきた経験を通して、『エン』のブランドを一生懸命伝えていました。ただ、ある時それだけでは通用しなくなってしまった。業績が上がらなくなってきたんです」

そんな中、式地さんを動かしたのが上司の何気ない一言でした。
 
“とにかく受け身だよね”って。ハッとしたし、なんだか図星だったんですよね。私はどんな時も、ソツなくやれる自分でいたかった。それを見透かされたみたいでショックだったんです
 

同僚の前で大号泣、素直な自分に向き合った

今までの「自分のやり方」にこだわり、業績を出せない自分。もやもやと悩む日々が続く中で、あるとき彼女は決意をします。

「今が受け身なら、反対に攻めの姿勢になればいいんじゃん、って。もう"待ってるだけ"の自分から卒業しようって思いました。」

そして式地さんは大胆な行動に出ます。

「部署の同僚が全員集まった場で、みんなの前に出て「私、変わります!!」て宣言した。もう受け身やめます!攻めに変わります!って。悔しいやら恥ずかしいやらで、途中から涙が止まらなくなってしまって…みんなもびっくりしていました(笑)」

背景には、式地さんの考え方の変化がありました。

「一通り悩んで、吹っ切れたんです。今までの自分は、言ってみれば質問に答えるだけの人。多分、嫌われることが怖くて、自分からぐいぐい行ったらウザがられるんじゃないか?ってことばかり気にしてたんですね。ただ、そのまま続けていても、何も解決しないんじゃないかなと。もやもやし続ける自分がもう嫌だったんです。みんなの前で宣言すれば、もう後戻りできないですもんね(笑)」

 

やるべきことはシンプルだった

その後の行動が早いのが、式地さんのステキなところ。

パートナー企業の営業さんが今何に困っているのか、どうすればもっと「エン」のブランドを提案してもらえるのか、「もっとお力になれませんか」と、気持ちを伝えていったのだそう。
 
そして式地さんの「変わります宣言」は、周囲の行動も少しずつ変えていきます。
 
「後輩が私の仕事を引き継ぐといってくれて。そのおかげで私は、パートナー企業と向き合う時間をもっと作れるようになりました。上司もたくさんアドバイスをくれた」

そういった中で大きな気付きがあったといいます。

「気づいたんです。「ソツなくこなせる自分でいなきゃ」という暗示をかけていたのは自分自身だったんだって。それにパートナー企業さんや上司、同僚に素直な自分をさらけ出したら、今までよりもぐっと信頼関係が深くなった。自分の恥ずかしいところを見せたのに、ガッカリされるどころか、より深い話ができるようになったというか」

自分の殻を破ることで、自然体で仕事を楽しめるようになったという式地さん。異動前の姿しか知らない人からは、「変わったね」と驚かれることもあるんだとか。

"自分はこうあらねば"という変なプライドを捨てたことで、シンプルになったんだと思います。この人たちのために何ができるだろう?と考える時間が多くなって、気づいたら自分のことをグルグル考えているヒマがなくなっていました(笑)。今はやりたいことがハッキリしてるし、弱音も素直に吐ける。肩の力が抜けてラクになりました。正直、昔より忙しいけど、その分楽しいです。」
 
全社表彰される活躍の裏側には、自分を受け入れて変わること。さらに、支えてくれる人達への深い信頼と感謝があったんですね。


<編集後記>
毎日頑張っている人ほど、「もっと頑張らなくちゃ」「みんなの信頼を裏切れない」と、自分にプレッシャーをかけてしまいがち。でも勇気を出して「最近ちょっとつらいんだよね」「またこんな失敗しちゃった」なんて、カッコ悪いところも周りのみんなに見せてみたら、式地さんのような転機が訪れるかもしれません。多忙になりがちな年度末。自分の頑張りを褒めてあげながら、肩の力を抜いて仕事を楽しんでいきたいですね。
 
取材・文 / 佐藤遥
編集・撮影/平野潤

エン・ジャパンには、男女問わず部下から厚い信頼を寄せられる男性がいます。


木田章範さん。新事業である『engage』の現場責任者を務めるマネージャーです。

 

木田さんの部下は半数が女性だといいます。性別に関係なく愛される理由を探るため、木田さんにお話を聞く機会をいただきました。


一見クールに見える木田さんですが、話してみるととても気さくな方。実際に木田さんの印象を部下のみなさんへ聞いてみると、「新人もベテランも分け隔てなく話してくれる」「飲み会でのノリがいい」との評判。


もしかして、親しみやすさが人気の理由なのでしょうか?木田さんのマネジメント術に迫りました。


【プロフィール】木田章範(きだ あきのり)。2006年に入社し、6年間エン転職の法人営業として活躍。2012年には人事へ異動し、4年にわたって中途採用に関わる。その後、新事業『engage』の責任者となり、現在もグループマネージャーとして約50名のマネジメントに携わっている。


目標は、メンバーの「なりたい姿」とセットにする

誰よりもメンバー1人ひとりの成長を考えてくれる。木田さんの直属のメンバーにお話を伺った時、みなさん口をそろえていってました。具体的にはどんなことをされているのでしょうか。

「そういってもらえているのは、すごくうれしいですね。大事にしているのは、目標設定の面談です。とくに個々の”将来のキャリア”を深堀りするようにしていて。どんな人になりたいのか、どんな仕事ができる人になりたいのかを一緒に考えるようにしているんです。

組織の目標はもちろん大事ですが、メンバーには自分のキャリアと紐付けて目標を自分ごとにしてほしい。そのほうが「自分に足りないスキル」を伸ばそうとするし、主体的に考えて動こうとする。個人としても、組織としても強くなると考えています。

 

コンサルタントとして一流になるでもいい。メンバーが納得して決められるまで一緒に対話したいと思ってますね」

メンバーと向き合うことが、組織としても強くなる、と。ただ、実際時間も限られているなかで、コミュニケーションを取るのは大変では?

「個人的にはメンバーとのコミュニケーションは、マネージャーとして重要な役目だと捉えているので「大変」というふうには捉えてないかもしれません。

 

目標設定の面談で終わりではなく、ミーティングだったり、1on1だったり、普段のコミュニケーションのなかでもメンバーの「なりたい像」をベースにするように心がけています」




結果だけですべてを評価しない。

メンバー1人ひとりのことを本気で考えている木田さん。メンバーからは、思ってもみなかったときに褒めてくれることが嬉しいという声もありました。

「思ってもみないとき…もしかしたら達成していないときのことかもしれませんね。数字の目標は未達でも、チャレンジしたことでデータやノウハウが溜まることにつながるとも捉えられる。それは、みんなの前できちんと評価を伝えるようにしています。

今の部署に限った話ではないのですが、特にengageは新規事業。途中で目標が変わったり、今まで誰もやっていないミッションに挑戦したりする人が多いので、結果と同じくらい過程も見るように心がけていますね

 





部下に相談する

他にメンバーと普段コミュニケーションをする中で、気をつけていることはありますか?

指示を出すというより、役割分担をするイメージで接するようにしています。徹底力がある子にはリーダーを任せたり、何でもやってみようという子には新しいことを任せたり。メンバーごとの強みを知っているから、任せるねって」

自分の得意なことを任せてもらえるって、メンバーからすると頼ってもらえる感じで嬉しいですよね。

メンバーのことを尊敬しているので、正直分からないからどうしようという相談もよくしますよ。それで良い意見がでればすぐに反映しますし」

部下を尊敬しているって、なかなか言えないです…!上司という立場だと、部下の意見を採用するのは複雑なのかと思っていました。

「自分にないものを持っているので、素直にすごいと思いますよ。メンバーの意見を聞くと視野が広がるので、それは素直に自分の武器が増えたと捉えています」




1人ひとりの違いを考えて、要望する。

今までのお話で、部下のキャリアや強みをかなり深く理解されているんだなと感じました。やはり、面談や普段の仕事ぶりで把握されるんでしょうか。

「職場での様子はもちろん見ていますけど、飲み会などにも積極的に参加するようにしていますね。話す機会をたくさん設けると、メンバーの新しい価値観を知ることも、思っていなかった悩みを知ることもあります」

新しい価値観や悩みとは、どんなことでしょう?

「人それぞれ、当たり前って違うんですよ。同じ目標でも、ついていくのに必死の人も、高い業績を出すのが当たり前の人もいる。それは比較したらいけないけど、違いは意識します。どうしたらできるのか、個人にあわせてこちらで伝え方や要望度を調整するんです」

徹底的に個人と向き合っているんですね。木田さんのマネジメントは、常にメンバー個人が起点になっている気がします。

マネジメントは、人の可能性を見出すことだと考えています。客観的に見ればすごいことでも、自分では気づけていない子がいる。それを教えるのでも伸ばすでもなくて、可能性を見出して、最大化してあげるのが上司の役割。そのために、まずは強みやなりたい姿を把握して、1人ひとりを知ることからはじめているんです」



【編集後記】
クールに見えて、誰よりも部下のことを考えている木田さん。紹介しきれなかったのですが、メンバーのみなさんからは他にも木田さんの好きなところが届いています。

「器が大きい」
「プライドが高くない」
「よくメモをとっているのが好印象」
「自分が成り上がろうという気持ちではなく、事業や組織を良くしたい、メンバーを成長させたいと思って動いてくれている」

――などなど。
部下からここまで信頼されている木田さんのマネジメント術、ぜひ真似してください。

 

こんにちは、エン・ジャパン名古屋オフィスのコピーライター、加藤です。

 

今年で中途入社4年目。いまでこそ楽しく働けるようになりましたが、転職したての頃は、前職とのギャップに苦しむことも。環境の変化に戸惑い、うまく自分を出せずに悩んでいた時期がありました。


同じように、新しい環境に慣れず、なかなか成果も出せない。転職先や異動先でそんな悩みを抱えたことがある方、多いのではないでしょうか。

 

どうすれば、新しい環境でうまくやれるんだろう。そのヒントが知りたくて、ある方を尋ねました。 
遊佐弥生さん。エン・ジャパンにキャリアパートナーとして異業種から転職し、たった2年半で社長賞(*)を2回受賞した女性です。


10年以上経験を積んできたアパレル業界を飛び出し、半年で、「社長賞 新人賞」を受賞。それから2年後、拠点異動をしてまた半年で「社長賞 ベストマネージャー賞」を受賞されています。

 

「30歳近いのに何も知らない、何もできない新人で……最初は周囲にどう思われているか不安でした。でも、恥を捨てたらいろんなことがうまくいくようになったんです」 


彼女はなぜ、新しい場所でずっと活躍し続けられるの……?これまでの歩みを辿ってみると、遊佐さん流の「成果でみせる」突破術がみえてきました。


(*)社長賞は、四半期に一度、シンボリックな活躍をした社員に贈られる賞。入社1年以内の社員を対象とした「新人賞」、マネージャーを対象とした「ベストマネージャー賞」など、いくつかの種類があります。

 

【プロフィール】遊佐 弥生(ゆさ やよい)アパレル業界で約10年間、販売スタッフ、店長、店舗開発など幅広い業務を経験。2017年に人材紹介事業部(関西支社)のキャリアパートナーとしてエン・ジャパンへ入社した。入社半年で「社長賞 新人賞」を受賞するなど早期から活躍。2019年4月より東京本社に異動し、現在は新卒社員をまとめるチャレンジグループマネージャーとして活躍している。

 

29歳で、ベテランから新人へ

入社2年半で社長賞を2回も受賞するほど活躍されていた遊佐さん。やはり、入社当初から活躍していたのでしょうか。

「とんでもないです。新人時代はむしろ、“30歳も近いのに何も知らない”と言われていたと思いますよ」

入社前は、10年以上アパレル業界で経験を積んできた遊佐さん。オフィスで働くのは初めて。人材業界の専門用語などが分からないことはもちろん、名刺交換の仕方もよく知らなかったといいます。

「最初に2週間の導入研修があったんですけど、先輩の口から出るほぼ全部の単語が分かりませんでした(笑)配属後も分かることのほうが少ないくらいで、1~2ヶ月くらいは、どう見られているんだろうって悩みましたね……」

中途入社なら、ある程度の社会人経験を積んでいるもの――自分自身、そういうイメージがあるからこそ、分からないことが恥ずかしい。私も中途入社なので、同じような気持ちになったことがあります。

ましてや、遊佐さんは前職で店長や店舗立ち上げの責任者も経験された方。“ベテラン”から一気に“何も知らない新人”になったのです。私なら、もっと早い段階でくじけてしまっていたかもしれません。

 

恥を捨てて、質問しまくる

入社当初はかなり苦労されていたというお話、正直なところ意外に感じました。それでは、遊佐さんはどのように最初の壁を乗り越えたのでしょうか。

「やったことは、じつはすごくシンプルで。恥を捨てて、質問をしまくりました(笑)分からないことが出てきたらすぐに先輩や上司をつかまえて聞く。何も知らないと思われるよりも、何も聞かずに仕事ができないままでいるほうが恥ずかしいと思ったんです」

「質問の量が尋常じゃなかったみたいで、周りの人には“質問モンスター”って呼ばれてましたよ(笑)」

基礎的なビジネスマナーも、難しい専門用語も。とにかく分からないことが出るたびに、遊佐さんは質問をしていたといいます。

また、量をこなしたのは質問だけではありません。業務量も先輩と同じ、もしくはそれ以上やったそう。

「自分が新人だってことは、社外の人には関係のないこと。上司や先輩を困らせるより、求職者の方や企業の方に迷惑をかけるほうがイヤだったんです。意識していたというよりも、自分が求職者の方の立場だったらイヤだなと。そんな人に、大事な人生任せられないなあ、って」

人の2倍3倍の量に取り組んでいたことは、結果的に早い成長につながりました。そして、わずか半年で「社長賞 新人賞」を受賞。こうして遊佐さんは、みずから活躍への道を切り拓いていったのです。

 


むりに馴染むより、仕事でアピールすればいい

 
この経験を経て、遊佐さんは気づいたことがあったそう。

「人との関係をよくしたいなら、まずは仕事のコミュニケーションを増やすことが大事だなって思ったんです。私はそこまで環境に馴染もうとしていなかったのですが、質問量が多かったことで、自然と先輩や上司との距離が近づいて」

新しい環境だと、どうしても人間関係を気にしてしまいがち。馴染むためにはプライベートの話をするところから…と考える人もいますが、確かに仕事の会話を増やすほうがハードルは低いのかもしれません。

「それに、仕事で成果を出せば自信にもつながる。そうなるとだんだん、自分の素を出せるようになってくるんです。人としてうまく振る舞って環境に合わせるよりも、仕事で早く成果を出して認められることが大切なんだなって学びましたね」

その後リーダー職を経て、関西支社から東京本社へ異動することとなった遊佐さん。東京で、マネージャーとして7名の新卒メンバーを育てることになりました。

同じ会社とはいえ、拠点と本社では人数も雰囲気も、進め方も違います。しかし遊佐さんは、ここでも無理に環境に合わせることはしなかったそう。

「新卒メンバーが最初にやる業務は、新規のお客様への電話。でもじつは私、これまで求職者の方のサポートがメインだったので、企業に電話をかけたことがなかったんです……。だからまずは、私自身が近くにいる人に電話のかけ方から教えてもらいました(笑)」

管理職になると、より一層「分からない」と言いづらいような気がします。

「場所や立場に関係なく、自分が正しいと思うことをやり続けるほうがいいと思ったんです。それでいうと、私がやるべきは“育成”。管理職としてどう思われるかよりも、メンバーの成長というミッションにおいて成果を出すことを、一番に考えていたかもしれません」

結果、メンバー育成により大きな成果を上げ、再び社長賞を受賞した遊佐さん。「周りの人には、むしろみんなが遊佐に合わせるようになったって言われました(笑)」と語る姿からは、遊佐さんがいまの環境で愛されていることが伝わってきました。


新しい環境で自分らしさを出せず悩んでいるメンバーから相談を受けることもあるそう。その時は、 「もともと持っている自分らしさって何?」という質問をよくしているといいます。「自分はもっとよく喋るタイプなんです…」と言われたら、たとえば「まずは業務に関する質問を1日5回してみよう」と一緒に目標を立てると教えてくれました。

 


調子にのっていた過去の自分を、戒めにして


お話を伺って感じたのは、遊佐さんがとにかく目の前の仕事に全力で取り組んでいるからこそ、成果を出し続けられているということ。

しかし、そこまでがんばり続けるのは簡単ではないと思います。常に一生懸命でいられる原動力を伺うと、遊佐さんは前職時代の話をしてくれました。

「前職に入社して3~4年目くらいですかね。何となく手を抜くところも分かってくる時期になって、完全に調子にのっていた時があったんです」

ちょうど店長という責任あるポジションも任せられるようになっていた頃。遊佐さんは、当時のことを「根拠のない自信があって、ナゾの無敵状態だった」と明るく振り返ります。

「恥ずかしいんですけど、“人って簡単ですよね”とか言っていたんです。接客の仕事をする中で、人の言葉や動作でどう対応したら良いか何となく分かるようになって。一人でできない業務なんてないし、“飽きた”じゃないですけど……なんか、人間や仕事のすべてを理解した気になっていたんですよね」

そんな遊佐さんの自信は、あることをきっかけに崩れます。

新しい店舗のオープンを任され、店長として15人くらいのスタッフを採用した時のこと。無事にオープンして数ヶ月後。10人以上のスタッフが、いっきに退職してしまったのです。

「3人くらいを残して、ほとんどのスタッフが辞めちゃったんです。何とかしなきゃって1ヶ月以上ほとんど休みなく働いて……」

「そこで気づきました。勘違いだったんだって。私は人に助けられていただけで、能力なんて全然ない。それなのに“もう何でもできる”って思い込んでいた。自分のことばかりで、誰かのために動くとかもっと成長するとか、人のことを全然考えられていなかったんです

それまでは自分のことしか考えていなかったことに気づいた遊佐さん。スタッフのため、お客さんのためにがんばるという考え方に変わったといいます。

「転職してからも、そこは強く意識しています。自分のためじゃなくて、求職者の方や企業の方のため、自分がマネジメントするグループのメンバーのためにがんばろうって。できることが増えると調子に乗っちゃうので、私はきっと、自分のためにがんばることに向いていないんだと思います(笑)」

いまの遊佐さんが、大きな成果を残した後も変わらず走り続けられる理由。それが、なんとなく分かった気がします。

「誰かのために」には、ゴールがない。彼女にとって社長賞はゴールでも区切りでもなく、たまたまついてきた「結果」だったのかもしれません。

 

 

【編集後記】
転職や異動といった変化に関係なく、目の前の仕事に自分らしく、全力で取り組まれている遊佐さん。「成果を出せば自然と周りに認められる」という遊佐さんのお話は、中途入社である私にとって、新しい気づきになりました。

 周りと上手くいかない時、これまではコミュニケーションが苦手なことを理由にしがちでした。雑談とか苦手だからな…なんて思っていましたが、まずは仕事の質問をするところから始めればよかったんですね。

遊佐さんは「たくさん仕事の質問をする人を、がんばっていないとはみんな言わない」ともおっしゃっていました。新しい環境に移る時がきたら、私も実践してみたいと思います。

 

取材・文 / 加藤亜紗実
編集・撮影/長谷川純菜

 

こんにちは、WOMenらぼ編集部の塩冶です。

今回インタビューしたのは、明るい笑顔と関西弁がチャーミングな前田さん(セールス/リーダー)です。

彼女は、リーダーに昇格して半年で大阪から東京へ異動。環境が変わったなかでも、輝かしい実績を次々と残してきました。

 

たとえば、転勤初月にしてチーム業績をV字回復、そして達成へ導いたり。チームメンバーを「事業部新人賞」へ輝かせたり。しかも、常にポジティブで楽しそう!

 

ただ、本人に伺うと「正直、失敗ばっかりですよ。今でも手探りで・・・」 と意外な返答も。前田さんはどうしてリーダーになったの?そしてどうやって成果を出せるチームにしていったの?率直な疑問をぶつけてみました。

「私に “リーダー” は向いてない」「メンバーとの接し方に悩んでいる」という方、必見です!

 

 

前田さんプロフィール
大学卒業後、アパレル系企業に就職し販売員に。入社3年目で全国No.1店舗へサブ店長として異動し、初めて部下を持つ。個人売上、カテゴリー別売上ともに全国1位となり、優秀販売員として百貨店から表彰を受けた。 その後、エン・ジャパンへ。現在、派遣会社の支援を行う事業部にて、セールスリーダーとして活躍中。

 


寝耳に水の打診。頼られるのが嬉しくて快諾

─リーダーに挑戦したきっかけは、上司からの打診だったそうですね。とくに躊躇はなかったのですか?

「やります!」という感じでした。元々興味もあったし、頼ってもらえてると感じて嬉しかったんです。

新しいことがしたかった、というのもあるかもしれません。リーダーになれば関わる人も変わる。マネージャーなど、上の立場の人と近くで仕事ができる。勉強になるし、新鮮に感じるんだろうなと思ったので、前向きでした。  

―「自分にリーダーができるのか、自信がない」という人も少なくないですよね。自分の目標も追いつつ、メンバーを育成したり組織について考えたりと、やることも大きく変わる印象があります。

もちろん私も自信があったわけではないです(笑)ただ、在籍歴が長くなるにつれて後輩に何かを教えることも多くなっていて。

「こういう情報を、私も入社時に知りたかったな」と思うことも結構ありました 。だから「学んだことをちゃんと伝えていきたい」という気持ちが大きかったのかもしれません。それが、自分なりにできるところなのかなと。

 


 

リーダー着任、出まくるボロ。「自分ださい…」と絶望

─前田さんチームは成果も出しているし、いつも楽しそうですよね!理想のリーダーだなと感じます。

そんなことないです、最初は失敗ばかりでしたよ。

まず第一に、はじめはぜんぜんリーダーとして慕ってもらえなくて。今振り返ると私は “デキるリーダー風” に「あれやって、これやって」ってメンバーに指示していたんですよね。

そんな感じだから、メンバーのみんなも楽しくなさそうで。私もどんどんボロが出て思うようにいかなくて、毎日のように「もう~!」と焦ってました。勢いよくやってみたはいいけど、全然リーダー出来ないやん、私。ださー!って(笑)。

このままだとメンバーにいい影響を与えられないし、自分自身、成長できないんだろうなと。これは姿勢を変えなきゃいけないと思って、理想像を追いかけるのをやめました。  




「背伸びしない」リーダーになろう

─どんな風に切り替えられたんでしょう?

かっこつけない。出来ないことは「出来ない、助けてほしい」って言っちゃう。

実は、はじめすごく構えていたんです。“リーダーたるもの、堂々としていなければいけない”というような理想像があって。

でも、なんというか・・・自分を客観的にみたら「今の自分で出来ることには限界がある」とわかった。そこで変なプライドは捨てました。何が出来て、何が出来ないのか。出来るところを伸ばしていこうと。

同時に、出来ないところを改善しなきゃ、どうしよう…と思った時に「あれ、この部分はメンバーの○○さんが得意だよな」って気づいたんです。そこから他のメンバーの良いところもどんどん見えるようになってきた。

ただ、メンバーと話していると、みんな自分に厳しくて。「あれが出来ませんでした、これが反省です」って、出来ていないことばかりに目が向いていたんです。 
  
私は素直に「え、もっといっぱい出来てるで」って思って。絶対成長してるのに、気付いてないのもったいないな、と。そこから、メンバーとの接し方も変わっていったように思います。意識して、メンバーのことをめちゃくちゃ褒めるようになりました。

 

チームみんなの表情が変わってきた

メンバーを褒めるようになってから、少しずつみんなの顔が変わっていきました。「出来てるんだ、自分」って自信を持てるようになったみたいで。

仕事をする時間って長いじゃないですか。だから出来ていることに対して目を向けて、伸ばしていってほしい。そうすればきっと楽しくなるんだろうなって思います。 

─楽しく前向きに働いてほしい、という思いが強いんですね。

そうかもしれないですね。前職のアパレル時代に学んだことが大きくて。にぎやかな店舗はお客さんもたくさんいらっしゃるし、服もよく買っていただけるんです。そうすると、スタッフも自然とポジティブになれて、良い循環がうまれていくんです。   

逆に、スタッフが楽しく働いていないとお店の雰囲気が悪くなる。お客さんも入りづらくなってしまう。だから、みんなが楽しく働ける環境ってとても大事なんだなって。

そういう環境が作れるように、まずは相手の話を聞く。良いと思ったアイディアはどんどん取り入れます。具体的に心がけているのは、「あなたはどう思う?」ってメンバーに聞くことです。「私はこう思ってるよ、ちなみにどう?」という感じで聞いて、意見を引き出す。そこでメンバーが話してくれる内容って、すごく学びになるんです。

だからそこでも素直に、「そういうふうに考えてるんだ。すごいな、私はそんなふうに考えられなかったよ」って言っちゃいますね。そうすると、「自分の考えは間違ってなかったんだ」とか、「これって良い気付きなんだ」という自信に繋がるのかなと思います。

メンバーにはのびのびと発言してほしいし、リーダーを恐れて間違いを隠すような関係性にはしたくない。お互いに「すごいね」とか、時には「それは違うで」って言えるようなチームでありたいなと思いながら向き合っています。 

 

リーダーは楽しい

メンバーがみるみる成長していく姿や、楽しそうにしている表情を見ると、「楽しい!」って思いますね。「あのアドバイスが効いたのかな」と嬉しくなったり。

自分のことだけだったら、「お客さんにうまく提案できなかった、しゅん・・・」と落ち込む日もある。ただ、チーム全体で見れば、メンバーの分だけ喜びポイントがある。日々「すごいな!やったやん!」って、嬉しい気持ちになれるんです。

―すてきです…!最後に、前田さんが考えるリーダーってなんだか、教えていただけますか?

私自身、スキルやテクニックで伝えてあげられることは少ないかもしれない。でも、それだけがリーダーの姿じゃないと思っていて。

会社って組織として動いていて、自分が出来ないことを他のメンバーが出来て。みんなで目標に向かって進んでいる。

そういう仲間意識、楽しく仕事ができる環境を作るみたいなところが、私なりの「リーダーとしてやりたいこと」なんじゃないかなと思っています。

 

 

 

【編集後記】

はじける笑顔と柔らかい雰囲気が、とにかくすてきな前田さん。

言葉の端々から「1人ひとりの長所を伸ばす、個が強いチームにしたい」「みんなが楽しく健やかに仕事に向き合える環境を作りたい」という芯の通った想いを感じました。

今まで乗り越えてきた壁についても楽しそうにお話してくださり「何かと全力で向きあうことって、本当に素敵なことなんだ…!」とも。前田さんから、前向きなパワーをたくさんいただきました。ありがとうございました!

取材・文 / 塩冶 恵子  
編集・撮影/平野 潤

 

 

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今の自分を変えたい。

ひと通りの仕事はそつなくこなせるし、「やりがいがない」と言えば嘘になる。ただ、なんとなく物足りない。このままでいいのだろうか。「キャリア」という言葉を目にすると、なんかだ少し胸がざわつく。

自分を変える。その一歩を踏み出し、活躍している方がエン・ジャパンにたくさんいます。

エン・ジャパン 入社6年目の奥村沙織さんもその一人。

新規事業『engage』では、営業部門を束ねるチームリーダーとして21名の部下を統括。2019年7月のキックオフでは、部下を「新人賞」に導いた。気づけば誰もの目に留まる存在感を放っている奥村さん。いまでこそ日の目を浴びる彼女ですが、入社4年目、自信をなくした時期がありました。

今わたしが感じている不安も、行動変容のチャンスになる。そんな勇気をもらうことができたインタビューです。


入社4年目。掴んだはずの自信は、気付いたらなくなっていた。

「リーダーを降りさせてください」

入社3年目には、念願のチームリーダーに就任し、営業部門で4名のメンバーのマネジメントをしていた奥村さん。プレイヤー時代と変わらず、高い業績を上げ続けていました。しかし、リーダーとなって1年が経った頃、奥村さんはチームリーダーからの降格を願い出ます。

「成果がでていなかったわけではありません。ただ、数字の問題じゃなかった。リーダーとしての力不足を痛感することが続いて、どんどん自信がなくなっていったんです

たとえば、営業活動のノウハウを伝えた時。チームメンバーが担当したのは、応募が集まりにくい物流業界や飲食業界の企業で、これまでのキャリアで培ってきたノウハウを伝えても、なかなか活かしてもらうことができません。

また、日々努力を重ねているメンバーを社長賞や新人賞に導いてあげられないことにも、奥村さんはもどかしさを感じていました。

――このままじゃダメだ。

そう感じた奥村さんは、現状を打破するため、“武者修行”の道を選びました。

 



 

 


自分の能力を信じていい。環境を変えたからこそ、自信が本物に。

営業としてのキャリアを積み、市場価値を高めるための武者修行。奥村さんは、いくつかの選択肢を用意しました。

「今の部署にとどまるか、社内公募で別の部署に異動するか、あるいは転職するのか……一旦、それぞれのメリット・デメリットを考えて書き出してみたんです。

 

新しい選択をするときって、どうしても漠然とした不安を抱えてしまいがち。でも、文字に起こしてまじまじと眺めてみると、その不安は意外と些末なものだったりする。それよりも、今の環境にとどまることのほうが、私にとっては大きな不安でした」

最終的に、奥村さんは社内の新規事業『engage』の立ち上げに携わることを決めます。当時はまだ生まれたばかりの商品で、認知度はほぼゼロ。自分の営業活動がなければ、サービスの存続自体が危ぶまれるほどの環境でした。

けれど、奥村さんはこの頃を「めちゃくちゃ楽しかった」と振り返ります。それまで提案していたサービスのように、営業支援が整った組織ではありません。

 

どんな顧客に提案するのか、どんな説明をすれば興味を持ってもらえるのか、受注にいたる顧客の傾向は?……何も情報がない分、ただやみくもに営業活動をしても、成果につながるとは限りません。

だからこそ、過去に培った「仮説立て」と「論理思考」が活きました。緻密な戦略を立てることで、早期に成果を出すことを実現。組織の立ち上げを牽引する存在となったのです。

「今思えば、最初の3年間で強みを養った経験があったからこそ、ですよね。当時は、本当にこれが自分の強みなのか信じられなかったし、メンバーにも申し訳ない思いがあったけど、新しい環境でそれを信じられるようになったのが、良かったと思っています」






どんな経験も糧になる。不安を乗り越えて、もう一度、チームリーダーに。

奥村さんの活躍もあり、『engage』は順調な成長を遂げました。しかし、その拡大に伴って、奥村さんの胸には再度、不安がよぎります。

 

目まぐるしいスピード変化していく組織と同じように、自分は成長できているのか、組織になくてはならない存在でいられているのか、自信がなくなってしまったというのです。

「私はたぶん、自己肯定感が低いタイプなんです。だから、仕事が上手くいって成果を出せていると自信はつくけれど、またしばらくすると次の不安がやってくる(笑)。自分に納得しながら生きていくために必要な、危機感のようなものかもしれません」


そんなとき、上司からこんな相談が舞い込んでくる。『engage』をより多くの企業に知ってもらうための、イベントや展示会の企画。

「上司から『やってほしいんだけどどう?』と相談をもらったとき、迷わず『やります!』と答えました。初めてのことでしたが、ぜひやってみたいと思ったんです」

入社以来初めて営業を離れ、顧客以外の人と連携を取る仕事に挑戦しました。一度に数万人が来場するイベントを運営するには、社内外のさまざまな人との折衝が必要です。

これまでとは異なる力が求められ、試行錯誤を繰り返した数ヶ月。イベントの成功により、新たな自信を身につけることができました。だからこそ、「もう一度チームリーダーをやってみないか」という上司からの誘いにも、素直にうなずくことができたと言います。

「きっと、新規事業に異動した直後だったら、できる自信がなかったと思います。最初のリーダー経験のトラウマもあったから。でも、イベント運営というこれまでとはまったく異なる経験を経たことで、自分に新たな強みを見つけることができたから、今ならできる気がしたんです

新卒1年目、チームリーダー昇格後、そして新規事業で感じた焦燥感。何度自信を失っても、そのたびに乗り越えることで、誰もが存在を認める、強い奥村さんは育っていったのです。




 

 


<編集後記>

「社内公募やチームリーダーで働く環境を変えてみて、良かったことはなんですか?」そんな問いに対する奥村さんの答えは、「選択肢が広がったこと」。

「時代はどんどん変化しているから、『今のままの仕事を続けていけるのかな?』って考える機会は多いし、特に女性は、環境を変えることを迫られてしまう場合さえありますよね。でも、そこで迫られた選択肢からしか仕事を選べないのは不幸だと思うんです。

自分が選ぶ側に回るには、選択肢を増やすしかない。そのための一つの手段が、社内公募やリーダーへの挑戦ではないでしょうか。転がってるチャンスはたくさんあるから、それを自分からつかみにいけば、自ずと自信がつくし、主体的にキャリアを築いていけるようになるはずですよね」

そんなお話から、自分はチャンスを見逃していないか、新しい挑戦に一歩踏み出せているか、考えるきっかけをいただきました。もし同じように将来に悩み、迷っている方がいれば、ぜひ一緒に自分のキャリアについて考えていきませんか。

 

取材・文=中村久仁子
編集・撮影=野村愛

 

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エン・ジャパンには、部下から絶大な支持を得る事業部長がいます。

 

派遣会社支援事業部を統括する、中島純さん。ご本人にナイショでメンバーの方々に行なったアンケートには、

「顔色が悪いとか、元気なさそうとか、ちょっとした変化に気づいてくれる」
「時短勤務の社員を気にかけてくれる」
「穏やか。家族のエピソードを話してくれて和む」
「誰に対してもフラットで誠実。正しくないときはちゃんと言ってくれる」
「真摯な態度でじっくり話を聞いてくれる」
「忙しいはずなのに、返信がマメ」

 

などなど。(※いっさい仕込みなし!)

 

確かにメンバーたちの心をつかんでいる中島さん。彼のマネジメントの秘訣を探れば、迷えるリーダーたちの道しるべになるかもしれない…!ということで、お話を聞かせていただきました。

見えてきたのは、ある意味で、メンバーの活躍を陰から支える“黒子”に徹するマネジメントの形。


「個人が成長するほど組織は成長する。だから、メンバーが元気で前向きに働けるよう整備するのが、私の役割なんだと思います」


メンバーを元気づけるために、いったい何をしている?中島流・マネジメント術に迫ります。

 

【プロフィール】派遣会社支援事業部 事業部長 中島純
2006年に新卒でエン・ジャパンに入社。中途採用支援事業部(現:中途求人メディア事業部)にて求人広告の営業に従事。5年目でマネージャーに就任。以降、新規事業の立ち上げ等を経験したのち、2016年より派遣会社支援事業部に異動。現在は事業部長として組織をまとめる。趣味は6歳の娘と遊ぶこと。
 

 

「自分はここにいていいんだ」と思えるように

─じつは、中島さんのもとで働く社員にアンケートを取らせていただきました…!「純さんはちょっとした変化に気づいてくれる」という声が多く、すごく素敵だなと。
 

なんか恥ずかしいですね…(笑)。あんまり意識したことはないですが、確かに、メンバーの様子は気にかけているかもしれません。

たとえば、顔色を見て体調が悪そうだったら「大丈夫?」と声をかけてみたり。日報を読んで「文章がなんとなくネガティブになってきてるかな…」と思ったら、MTGの前やお昼に「最近落ち込んでない?」とさりげなく聞いてみたり。

もちろん、私が声をかけたからって何かが変わるわけではないけれど、人って「自分のことを見ていくれている人がいるんだな」と感じると、安心できると思うんです。

それから、私の部署は小さいお子さんがいて時短勤務で働くママさん社員も多いから、仕事と育児の両立で無理していないかな?ということも気になりますね。
 

これは意識的にしているというよりは、自分にも6歳の娘がいて、妻の大変さを実感しているからかもしれません。

たとえば、お子さんが熱を出して早退した社員がいたら、翌日おはようと同時に「お子さん大丈夫だった?」って。ついでに、最近の自分の娘の話もしちゃったりする。時短勤務だから肩身が狭い…なんて思わずに働いてもらえたら嬉しいですね。

ただ、メンバーを気にかける上では、気をつけていることもあります。たとえば、髪型や服装の変化、「誕生日おめでとう」とかは、なるべく言いません。

これは事業部長という立場上、みんなに平等に接するため。全員の変化に気付けるならいいですが、もしも気づけなかったら「あの人には言ったのに私には言ってくれない…」という気持ちにさせてしまうかもしれない。それは私の本意ではなくて。ひいきなしに、みんなに対してフラットでありたいんです。

 

 

「できていること」と「強み」に目を向ける


─普段のコミュニケーション以外に、メンバーとの接し方で心掛けていることはありますか?
 
自己肯定感といいますか、「自分で自分のことを認められるか」という点も、仕事をする上ですごく大事なんじゃないかなと。だからメンバーの「できていること」や「強み」は、積極的に本人に伝えるようにしています。

社員と面談をしていると、「自分なんて…」とか「自分には強みがないんです」という言葉がけっこうな頻度で出てきます。肌感ですが、比較的女性社員に多いかもしれません。

でもね、強みがないなんてことは絶対ないんですよ。私の場合、「強みがないんです」と言われたら、「誰と比較しているの?」とまず聞きます。

確かに、なかには毎月すごい業績を残すハイプレーヤーがいるから、そこと比べたら自信をなくしてしまう気持ちは分かります。でも、本人は悲観的になって気づいていないけど、ちゃんと出来ていることがあるんですよ。しかももっと俯瞰して見たら、その悩みのずっと手前で苦戦している人だっている。

だから面談の場では、「君はこのレベルをクリアしているんだから、それだけで素晴らしいじゃない」と伝えるようにしています。

人ってできていないことには敏感で、できていることには鈍感なんじゃないかな。そういった意味でも、「いかにメンバーを元気づられるか」って大事な能力だと思います。
 
「マネジメントって元気づけることだと思う」と話す中島さん。クールで冷静な印象とは裏腹、表情や言葉からはやさしさが滲み出た。

 

何回でも「失敗できる組織」をつくる

─なんでしょう。中島さんって、部下の「サポーター」みたいな存在なのかなと。
 

そうですね、私の中で上司の役割って、「管理」とか「引っ張る」とかではなく、メンバーが意志を持って働けるよう「背中を押すこと」だと思うんです。

自分の型に当てはめてメンバーを管理するって、正直上司のエゴだなと。たしかに「こうすべきだ」と自分のやり方を強制すれば、部下も組織も失敗せずに済む確率が高いですし、ラクなんですよ。でもそれって、目先の成功や業績しか見えていない。

だから私は、「こうしなよ」とはできる限り言わない。もしメンバーが「いつまでに◎◎の達成を目指します」「こんなプロジェクトを立ち上げたい」と自分から意見をあげてくれたら、「いいね、やってごらん」と任せます。その内容が「ぶっちゃけ上手くはいかなそう…」と思うものでも(笑)。

つい余計な口出しをしたくなっちゃうことってあるんですけど、その気持ちを抑えてドシッと構えて見守るスタンスをとるんです。

仮にそれが失敗したとしても、起きてしまったことに対してはグチグチ言いません。本人の感情が落ち着くのを待って、「何が足りてなかったと思う?」とたずねる。失敗してしまった現状を、まずはどうしたら良い方に持って行けるか考えることだけに集中してほしいから。

みんなには、とにかく失敗を通して学んでいってほしい。それが一番成長につながるし、意思を持って働けることにつながるんだろうなって。いつまでたっても上司に口出しされる組織なんて、面白くないじゃないですか。

 

 

「数字の話ばかりで怖い」と言われてしまった過去

─中島さんのお話を聞いていると、すごくメンバー一人ひとりを大切にされているのだなと感じます。いつから、このようなマネジメントスタイルに?
 
今でこそ偉そうに話していますが、昔は全然メンバーのことを考えられていない上司だったんです…。

あれは、求人広告の営業を5年経験してマネージャーになりたての頃かな。当時、私の役割は、人材を採用したい企業のニーズをとってくる「営業」と、その求人広告を制作する「コピーライター」の両方を管理することでした。

ですが、自分がマネージャーになってから何ヶ月も未達が続いて。次こそは何とか取り返さなければ、と正直焦っていました。そして気づけば、毎日「達成まであと◎万円だぞ」みたいな数字の話ばかりしていたんです。

ついてきてくれるメンバーもいましたが、多くはそうじゃありませんでした。特に、コピーライターは違った。売上が伸びればコピーライターの書く原稿もその分増え、キャパシティが逼迫する。そうすれば1本1本の原稿のクオリティは担保できない。そう考えるメンバーもいたんですね。

だんだんと、朝礼で私が話をしても、コピーライター数名があまり目を合わせてくれなくなるのを感じました。「こんな風に原稿の本数目標ばかり追う仕事がしたかったわけじゃない」と言われることもあったりと、彼らの仕事のやりがいに寄り添うことが出来なかったなと反省しています…。当時は、「中島さんって数字の話ばかりで怖い」と思われていたんじゃないですかね。

その時、個々が大事にしているものは違うということを身を持って学びました。目標を達成することに喜びを感じる人もいれば、クライアントとの商談や取材が好きな人もいる。表現より企画で勝負したい人もいれば、とにかくコピーが好きでクリエイティブ賞を狙うことにこだわる人もいる。

みんな一人ひとり違うのに、通り一遍なコミュニケーションをしててはいけませんよね。もっと個人と向き合って、個々にあったコミュニケーションをとらなければいけなかった。それに気づけず苦しめてしまったメンバーたちには、今でも申し訳なく思っています。
 

 

「悩んでいること」自体が素晴らしい

─最後に、マネジメントに悩んでいる人に何かアドバイスをするとしたら?
 
なんだろう…「悩んでいること自体を肯定的に捉えよう」と言いますかね。悩んでいるということは、成長したいという意欲の表れ。だから、存分にもがけばいいよ、と。

正直、どうやったら組織がうまくいくっていう“特効薬”みたいなものは、ないと思います。私だって今もずっと悩んでいますから(笑)。

ずっと悩み続けて10回くらい失敗して、やっと自分の中で答えが見つかる、くらいに思っていた方が良いんじゃないでしょうか。

ただ、もし今掲げている理想が高すぎるなら、少しハードルを下げてみるのもアリなんじゃないかなと。できることから、コツコツやっていけばいい。

そしてメンバーを本気で思うなら、まずは自分が行動を変えてみる。これに尽きると思います。
 
「メンバーから“純さん、なんか顔怖いですよ!(笑)”と言われることもあります」と笑う中島さん。「メンバーから言われたことは、素直に受け止めます。指摘されたとしてもそれは個人批判じゃない。個人として言葉を捉えず、組織として受け止めるようにしているんです」と語ってくれた。
 
 
<編集後記>
一見クールな印象の中島さん。お話を伺ってみると、出てくるの言葉は究極的にポジティブ。芯はとても温かい方でした。

そして、特に印象的だったのは気くばり!取材を終えると、「今日はありがとうございました、何かあったら聞いてくださいね」と、中島さんから一通のメール。こちらからお礼メールを出すよりも前に…!

恐縮しながらも、こんなところが多くのメンバーの心をつかんでいるんだなと、しみじみ実感した取材者でした。
 
取材・文=林玲菜
編集・撮影=長谷川純菜https://corp.en-japan.com/recruit/
 
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こんにちは、コピーライターの佐藤です。今回は「仕事術」をテーマに取材。お話を聞いたのは、入社7年目のディレクター木村翠さんです!



彼女のすごい所は、とにかくクライアントや社内の営業さんからの信頼が厚い所。

じつは担当する仕事の大半が「木村さんにお願いしたい!」と指名されているもので、毎月の指名率は100%!社内では異例の数字で、毎月多くの求人原稿ディレクションに関わって、たくさんの「入社」「採用」に貢献しています。

さらにすごいのが、圧倒的な成果を残しながらも、プライベートの時間も楽しんでいる所。たとえば平日夜には英会話教室の予定を入れて、毎回予習復習もかかさず通っているんだとか…!

「時間を上手に使いたい!」「業務効率化につながる工夫を!」とは思いつつ、目の前の仕事と向き合っていたら、あっという間に時間がすぎていた…なんて方も多いのではないでしょうか(現に私がそう)。

翠さんの仕事術を知りたい!効率化のために何をしてるの?いったいどうすれば翠さんみたいになれるのか知りたくて、率直に聞いてみました。


いつもニコニコふんわりしていて、すごく楽しそうに仕事と向き合っている翠さん。どうしたら翠さんみたいになれるの…?


木村の仕事術
1.  インプットは「楽しいおしゃべりのネタ探し」だと考える
2. もらったアドバイスは「ゲーム」にして取り入れる
3. 自分のキゲンの取り方を知っておく
4. 「いつも楽しそうな人」になってみる
5. タスク整理で時間を作る
6. 「元気な自分」「そうじゃない自分」を使い分ける
7. 「オシリ」から1日の過ごし方を考える
 
※ディレクターとは?
お客様と営業、コピーライターの間に入り、求人広告制作の総指揮をとる司令塔。広告制作に関わる資料類の回収・とりまとめや各所への共有、スケジュール管理、お客様への取材、原稿コンセプトのすり合わせなど、調整業務全般を担当する、とても重要なポジションです。

 

 

1. インプットは「楽しいおしゃべりのネタ探し」だと考える

 

 「インプットは大事」ってよく言いますよね。ただ、「インプットしなきゃ」「本を読まなきゃ」と考えてしまうと、途端に面白くなくなっちゃう気がしていて。

だから私は「相手と楽しく話すための準備」だと思って、日頃からちょっとずつ情報収集をしています。

どんな話、どんなネタを話したら相手が楽しんでくれるかな、って考えるのが楽しい。それに知らないことを知れるのって、単純に嬉しいんですよね。

ディレクターという仕事上、いろんな業界の企業様と接する機会が多いので、メディアやニュース、コラムはまんべんなく読みます。業界関係のコラムを見ていると、意味がわからない言葉とかも出てくるんですけど。クライアントに ”あれってどういう意味ですか?“ と聞いてみると、「よく知ってるね」ってだいたい快く教えてくれて、そこから話が弾んだりするんです。


 

2. もらったアドバイスは、「ゲーム」にして取り入れる

 

自分がパワーアップしたら、もっと仕事がスムーズになるのに…って思うこと、じつは多くて。だからアドバイスは貴重。自分を変えられるように、どんどん生活に取り入れます。

もしかしたら、ゲーム感覚なのかもしれません。たとえば「居酒屋に行ったら、絶対に知らない人に話しかけようゲーム」を一人でしていた時期があって(笑)。実はもともと、人と話すことは苦手で。声も小さくて、よく「聞こえない…」と言われていたんです。ある先輩に「もっといろんな人と話すを練習しよう」とアドバイスをもらって、じゃあ居酒屋でやろうと。気まずくなったら席も立つことも出来ますし。

そのゲームをする中で「相手が気持ちよく喋りたくなっちゃう質問を1つ投げられれば、会話がはずむ」というコツもだんだんわかってきた。それが今の取材にも活きているんです。

苦手なことにせっかく取り組むなら、楽しく出来たほうがおトクだと思ってるのかもしれません。


 

3. 自分のキゲンの取り方を知っておく

 

「キゲン」て、パフォーマンスを左右するものかもしれないと思っているんです。絶好調なときもあれば、落ち込んじゃってなかなか仕事に全力投球できない時もある。だから、そういう時のために、気持ちを切り替える方法を持っておく。

たとえば私だったら、好きな曲を1曲聞いたり、5分外の空気を吸いに行ったり。

そして1日の終わりには振り返りをする。意識して自分を褒めてあげるようにしてるんです。専用の日記をずっとつけていて…「脱ネガティブ日記」っていうんですけど(笑)。

小さいことでいいから、楽しかったこと嬉しかったことを「今日もがんばってよかったな~」と思いながら書き留めるんです。あまり自分の話をするタイプでないお客様が、「この前、娘がね…」 って笑って話しかけてくれた、とか。そういうものの積み重ねが、自信にもつながればいいなと思っています。
 

 

4. 「いつも楽しそうな人」になってみる

 

クライアントから信頼されて、任せていただけるような人になりたい。たとえば原稿も、直行率が上がればスムーズです。だから、意識してクライアントとの接し方を変えました。

「この人って仕事が好きなんだな」「 仕事熱心な人なんだな」って、思ってもらえるように接する、仕事に取り組む。そういう印象って「この人なら任せて大丈夫」っていう信頼にもつながると思うんですよね。

 「いつも笑ってるよね」「楽しそう」と言われることも多いんですが…実は、雑談でもメールのやり取りでも、意識してそう見せているんです(笑)



 

5.「タスク整理」で時間を作る

 

考えること、クリエイティブなことに最大限時間を使えるように、タスク整理は超基本。それでいて重要だと思ってます。

短い時間でササッとできることはリストアップしておいて、ちょっと空いた時間に片付ける。移動中にできるならそれでもいい。メールの返信とかもそうですね。

色々やることがあって何から手をつけたらいいかわからない時。やることが溜まってゴチャゴチャになってきたなと思ったら、その場で改めてタスクを洗い出して、整理し直します。結果、さくさく計画通りに進むと気持ちいいんです。

 

6.「元気な自分」「そうじゃない自分」を使い分ける

 

エネルギーを抑えられる部分は抑えるっていうのも、ポイントかなと思っていて。残充電15%の時に、「元気で明るくて楽しい自分」はなかなか出せないですよね…。

だからそういう「元気な自分」は、クライアントのためにとっておく。逆に、社内でメールの返信や事務系のタスク処理をするときは、極論ニコニコしている必要はないですよね。

「元気な自分」と「そうじゃない自分」のスイッチは意識的に切り替えるようにしています。
 

7. 「オシリ」から、1日の過ごし方を考える

 

最終的な手段として、平日の夜にもどんどん予定を入れちゃいます。「だらだらやらないぞ」という自分へのプレッシャーも含めて。
 
私、去年から英会話に通っているんですけど、「ここまでに仕事を終わらせるぞ!」っていう気持ちは今まで以上に強くなったかもしれません。レッスンがはじまる時間って動かせないから、そこに間に合わせるためにどんどん工夫をするようになるんです。

最近は結婚して猫も飼い始めたので、また工夫をする理由ができました。仕事も、プライベートも最大限頑張りたい。そのための仕事術はこれからも磨いていきたいと思っています!


<編集後記>
いかがだったでしょうか、翠さんの【仕事術】。効率化…!と考えてしまうと、すごく難しいことを考えないといけないような気がしてしまうけど、もっと肩の力を抜けば、自分に合った時間の上手な使い方が見えてくるはず。
 
私もまずは、翠さんのマネをして、ゴキゲンでいるところから始めてみたいと思います!
 
[文/佐藤 遥  編集/平野 潤]

 

 

こんにちは、エン・ジャパン名古屋オフィスのコピーライター、加藤です。中途入社4年目になり、少しずつ自分の将来について考える時間が増えてきました。結婚や出産なども意識する上で感じるのは、ママ社員たちのすごさ。家では子どもたちの世話をしながら、時短勤務の中で結果を出しているみなさんを見ると、憧れと同時に「自分にもできるだろうか...」と不安を感じます。
 
――活躍するママ社員たちは、どうやって不安を乗り越えてきたのか?
それを探るため、今回は2回の産休・育休を経て、名古屋オフィスで営業マネージャーとして活躍する後藤さんに、お話を伺う機会をいただきました。
 
同じオフィスの大先輩として、いつもパワフルに活躍している後藤さん。入社17年目、営業からキャリアをスタートし、エン・ジャパン執行役員の沼山さんや企画部長の泉さんなど現在活躍する社員を多数育成してこられた方でもあります。子育てをしながら、トレーナーや企画などの新しい仕事にも貪欲にチャレンジされている様子を見て、きっといつも前向きに頑張ってこられたのだろうと、勝手に想像していました。

しかし、実は辞めようと思ったことが何度もあるそう。産休・育休復帰後のキャリアについて、詳しく伺ってきました。

 


<プロフィール>2002年に新卒でエン・ジャパンに入社。入社以来名古屋オフィス勤務。企業の中途採用の支援や後輩育成など様々な仕事を経験。2回の育休を経て、小学生と保育園児の女の子2人を育てながら現在は営業マネージャーとして活躍中。
 
「子どもといる時間を削ってまで、働く意味ってなんだろう?」

最初に伺ったのは、第一子の育休後のこと。初めての育休復帰、後藤さんの大変さは予想以上だったそうです。
 
「復帰直後の1年間は、今振り返っても地獄のような毎日でした。子どもが保育園をすごく嫌がったんです。ストレスもあったのか、体調も崩しやすくて…。仕事をしていると保育園から連絡があり、早退して迎えに行くことの繰り返し。最初の月は、5日くらいしか保育園に行っていなかったですね。子どもと1日一緒にいられるママもたくさんいる中で、どうして私は復帰を選んだんだろう。働く意味ってなんだろうと、たくさん考えました」
 
毎日のように上司や同僚に謝りながら早退する。保育園へ迎えに行くと、お子さんが体調の悪さで泣き続けている…。想像するだけで、胸が詰まるような気持ちになります。

それでも、仕事を続ける決断をされたのは、何か理由があったのでしょうか。
 
「正直、何度も辞めようとは思いました。それでもせっかく復帰したんだから、まず半年だけ頑張ろうと、本当にささやかですが目標を立てたんです。上司や同僚に助けてもらいながら、なんとか半年過ごすことができました。半年がんばれたんだから、もう半年がんばってみようかなって。ちょっとずつ、ちょっとずつ、小さな目標を立てていました。いつのまにか仕事もできることが増えてきて、モチベーションにつながっていったのかもしれません」

お子さんの成長も、後藤さんを前向きにしてくれたといいます。
「最初は、保育園に行くのが嫌で泣き叫んでいた子どもが、だんだん慣れきて、そのうち笑って行くようになったんですよね。こんな小さな子でも、生まれて初めて接した社会に向き合っているんだなと考えると、私も頑張って仕事に向き合わなきゃって

子どもにも、サポートしてくれる家族や同僚にも、胸を張っていられるように、仕事をがんばろう。その考えは、今もずっと持っていますね」


 
「新人育成に煮詰まったとき、子育ての経験が突破口になった」

ずっと営業として活躍されていた後藤さんですが、第二子の育休後は、新卒で入社した営業のトレーナーを任せられます。初めて行なう営業以外の仕事。そこで、子育ての経験が仕事に活きていることに気づいたそうです。
 
「育休に入る前も、営業リーダーとして後輩の育成には携わっていたことはあります。でも、トレーナーになったのは確か入社13年目くらい。新卒社員とは、まったく世代が違うんです。リーマンショックとか知らないんだ、自分が当たり前だと思っていることは当たり前じゃないんだと、年齢のギャップを強く感じられました」
 
伝えたいことが伝わらない。新人育成に煮詰まっていたとき、突破口となったのは子育ての経験でした。

「 子どもたちと接していると、もっと噛み砕いて説明しなければ伝わらないんだな、と気づかされる機会が多くあります。育成も同じで、自分の当たり前で考えるのではなく、誰もが分かるように伝えることが大切なんです。現状は何が課題なのか。新卒のみんなの強みは何なのか。それを踏まえて、どういう行動をしてもらうのか。それまで論理的に考えることって苦手だったんですが、子育て中に自然と鍛えられたのかもしれません。トレーナー2年目には、年間で2名が社内で賞をもらうなど、実績も残せて、自信につながりました」

 

「仕事との両立を選んだ以上、子どもを言い訳にしたくない」

トレーナーを経験された後、今度は自ら手を上げて企画に異動された後藤さん。何かきっかけはあったのでしょうか。
 
「苦手だった論理思考に自信が出てきたので、もっと大きな組織でその力を試してみたいと思ったんです。以前から企画の仕事には興味がありましたしね。ちょうど良いタイミングで社内公募が出たので、手を挙げました」 

慣れている業務のほうが、子育てと両立しやすいのではと、どうしても思ってしまいます…。お子さんが2人いて、時短勤務で働く中で、新しい仕事に挑戦するというのは、かなり勇気がいったのではないでしょうか。
 
子どものせいでという言い訳は絶対にしたくなかったんです。仕事を続ける選択をした以上は、全力で行ないたいと思っていたので、勇気というよりは、自分の今後のキャリアを考えて、挑戦を決めました」
 
新たな業務・ミッションを遂行するため、スキマ時間をみつけてはできるかぎりのインプットをしていたといいます。 

「勉強は本当にたくさんしましたね。家が遠かったので、だいたい行き帰りの電車で本を読んだり、エンカレの講座を受けたりしていました。少なくとも、それぞれ月1冊、1回はやっていたかなぁ。論理思考とか、問題分析とか、企画に必要な能力については、もともと苦手な部分だったので、克服に役立ったと思います」
 
この春からは、営業リーダーたちをまとめるマネージャを務めている後藤さん。最後に、いま育休中の女性社員や、復帰したばかりのママ社員に向けてエールをいただきました。

「いつも女性社員から相談をされたときに、伝えていることが2つあります。ひとつが、『みんな不安だから、ひとりじゃないよ』ということ。そして、もうひとつは『先のことはどうなるかなんて分からないから、いまできることを120%でやろうよ』ということ。子どもの状況も、住んでる環境も、将来のことはなにも分からない。だから不安に思うんだけど、できるのは、今を精一杯頑張ることだと思うんです。それが、今後の自分の選択肢をつくっていくと思います」

 




編集後記
エン・ジャパンの中でもママ社員としての経験が長く、女性社員からの相談をよく受けるという後藤さん。悩んでいる方によく言うのは、「先のことで悩むのは意味がない」という話だそうです。結婚したら、子どもが生まれたら、こうなるかもしれないというのは、実際になってみないと分からないこと。
 
予想外に体調を崩しやすい子だったり、家族の都合で転勤になったり、何があるかは分かりません。その都度、不安なことは発生するものだから、まず今できることを120%頑張ることが大事とおっしゃっていました。
 
お子さんとも、仕事とも、真剣に向き合う後藤さんの誠実さが伝わってきたインタビューでした。

文:加藤亜紗実
編集:野村愛
撮影:入山麻紀