去る12月6日(日)、御茶ノ水にあるワテラスコモンホールにて、働く女性のためのヘルスケアイベント「あかずきんアカデミー」が開催されました。主催は、スイスに本社のある外資系のヘルスケア企業で、検査に使うお薬を開発、製造、販売しているロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 。今回は、このロシュ様からオファーをいただき、プロデューサーとして子宮頸がん検診の予防啓発イベントのコンセプトデザインから、トークショーの企画運営に至るまで、イベントそのものの「旗揚げ」にも関わらせていただきました。

コンセプトは、「心もからだも健やかに」――。職場で、家庭で、地域でがんばっている女性たちを心とからだの両面からサポートしようと、従来の「健康セミナー」というイメージをいい意味で取っ払い、健康な人も、闘病中の人も元気になれるトークショーをということで、子宮頸がん検診の予防啓発イベント「あかずきんアカデミー」を企画させていただきました。今後、このアカデミーでは、様々な試練を乗り越えてきた女性ゲストを招聘。彼女たちのポジティブな生き方に触れることで、「私もがんばってみよう」と、上質な感化を受けて帰っていただく「学びと触発の場」をご提供させていただきたいと思っております。
なぜ「あかずきんアカデミー」なのかという、ネーミングの由来についてはコチラをご覧下さい☞

今回、初回に相応しいゲストとしてお招きしたのは、和紙デザイナーの堀木エリ子さん。銀行員から和紙デザイナーに転職をされ、文字通り「天職」を手に入れられた異色の経歴の持ち主です。今では世界を舞台にご活躍されている日本を代表するトップクリエーターのお一人ですが、大きなご病気を二度も経験されている癌サバイバーでもいらっしゃいます。今回は満を持して、ご病気の話にも触れさせていただきました。堀木さんとのトークショーは今回で7回目となりますが、何度ご一緒しても心が震えます。「できないという選択肢を捨てる」というお話や、「二年に一度遺言状を書き換えている」というお話、更には「天職とは見つけるものではなく、“この仕事を生涯かけてやろう”と決意し、覚悟をすること」なのだというお話にも、たいへん多くのお客様が感銘を受け、涙を流されていらっしゃいました。



私は長年に渡り、女性のためのトークイベントをプロデュースして来ましたが、今まではキャリアやビューティー、ファッションなど、とかく華やかに見える世界でお仕事をさせていただいて参りました。しかしながらこのたび、ロシュ様とお仕事をさせていただき、初めて「ヘルスケア」という分野に携わらせていただく中で、自分の中の何かが大きく変わったような気がしています。
イベントに参加して下さったお客様の中には、さっそく検診に足を運び、病気の早期発見に繋がる方もいらっしゃるかも知れません。これからの人生において、病気以外にも様々な逆境に出遭うこともあるでしょう。そんな時、トークショーのことを思い出していただけたら、これ以上の喜びはありません。あの日、あの時、あのイベントに参加したおかげで、今の私がある――そう言っていただける人を何人作ることができるか…それがプロデューサーとしての私の新しいミッションとなりました。
たかがイベント。されどイベント。私は医療関係者ではありませんが、病気を未然に防ぐ知識を身につけていただいたり、たとえ病気になったとしても、病に立ち向かっていける心の強さを学んでいただける「場づくり」のお手伝いならできる――そう気が付かせていただいたのです。

堀木さんとのトークショーの中で、特に印象的だったお話があります。それは「利他の精神を磨く」ということ。堀木さん曰く「40代以降は利他の精神を持つことが大事なのではないでしょうか。自分だけの楽しみから卒業すること。本当の成人式は40歳です。社会に貢献できるようになって、初めて一人前なのです」とありました。私も40代――世の為、人の為に尽くせる人生をと、心から願わずにはいられません。
師走のお忙しい中、会場に足をお運び下さいました、たくさんのお客様にこの場をお借りいたしまして、心からの御礼を申し上げます。たいへんにありがとうございました。