去る4月20日、六本木アカデミーヒルズで第15回目のサクセスウーマン講座を開催して参りました。今回ゲストにお迎えしたのは、書道家の矢部澄翔 さん。「新しい私の始め方」と題し、彼女がどのようにしてOLから書道家へと転身を遂げたのか――彼女の夢の軌跡を追いました。
トークショーのテーマはコチラ。
●7年間のOL生活――好きを仕事にする自分探し×自分磨き
●独立への準備――なりたい私になるセルフプロデュース術
●30歳からの転身――30代からのチャンスの引き寄せ方

過日放映された、フジテレビの人気バラエティ番組「SMAP×SMAP」の中で、「ニッポン道場」という題字を手掛け、スマップ5人にも書道の手ほどきをされて来たばかりの澄翔さん。今や日本のみならず、NYやスペイン、中国などでも活躍する、「書道パフォーマンス」の第一人者でもいらっしゃいます。トークショー中にも何度か申し上げさせていただきましたが、まさに「女版イチロー」を彷彿とさせる「努力のヒト」。野球の1000本ノックならぬ、筆100本ノックを平気でこなしてしまう「練習の塊」のような女性です。

ご出演が決まって以来、数週間に渡り密着取材をさせていただいたのですが、インタビューをさせていただくたびに、「プロ」とは一体どういうことなのかを思い知らされ、毎回いい意味で打ちのめされて帰って来ました。練習の時も、常に本番と同じ体制で臨むというお話は圧巻で、筆も紙も「本番をカラダに刻みつける」という意味に於いて、一流の道具を普段使いされているのだそう。まさに彼女の一角ならぬ「プロ意識」を垣間見た瞬間でもありました。とにかく「道」と付く世界に終わりはないのだそうです。チャンスを引き寄せるためには、自分自身に「先行投資」をする覚悟があるか否か。これが全てだと断言されている姿が深く印象に残りました。

今回はわざわざ沖縄からもお客様がお見えになり(この講座に出席するためだけに上京して来られたのだそうです!)澄翔さんからも「揮毫」をプレゼントされていました。ちなみにこのお客様は、「美」という字をしたためていただいていらっしゃいましたが、この方ご自身、沖縄の海や空を感じさせる透明感のある美しい女性でした。

当初、OL生活をしながら、書道教室を開いていたという澄翔さん。準備がすべて整ったから始めたのではなく、やりながら環境を整えて行ったというお話も非常に印象的でしたね。二足のわらじをどうやって履きこなしてきたのか。名刺やブログの活用術など、実に細かい実体験まで惜しみなく披露して下さり、私自身も本当に勉強になりました。その他にも、澄翔さんの考える「サクセスウーマンの条件」や「夢をかなえる5つの法則」など、興味深い内容が満載の70分間でした。(講座の詳細は、私のオフィシャルブログの方でもリポートさせていただく予定です)

サクセスウーマン講座は、映像×トークショーという、エンターテイメント性を追求した全く新しいスタイルのトークイベントです。毎回、私が撮らせていただいたゲストの方のスナップ写真をアニメーション仕様で100インチの大画面(2面)に次々と映し出しながら、視覚的にも楽しんでいただけるよう工夫しています。まさに「五感で楽しむトークイベント」。今回もその名にふさわしくスペシャル企画をご用意させていただきました。
トークショー終了後に、書道パフォーマンスのスペシャルライブを演出させていただいたのです。今回は、私の大好きなアーティストのgO さんにもご出演いただき、澄翔さんの書く7メートルの詩に、gOさんが即興で音をつけるという何とも贅沢なセッションが実現しました!
澄翔さんが、一番辛い時期にこの詩を読んでご自身を鼓舞して来たと語る長編詩『大きなやかん』。これを彼女が薄墨でしたためて行くのですが、その筆の動きに合わせてgOさんが絶妙なタイミングで音を乗せて行くという実験。彼のその中性的な歌声が、澄翔さんの薄墨の書とよく溶け合い、二人の才能が共鳴し合う様は、まるで一幅の名画を観ているかのようでした。実は澄翔さんご自身、大勢のギャラリーの前で、これだけ長い詩を披露したことは初めてだったとのこと。澄翔×gOの初コラボは大成功でした。

続いて、今度はgOさんが今回のサクセスウーマン講座のために書き下ろして来て下さった「kite」というタイトルの新曲に、澄翔さんがインスピレーションを受けて「大文字」にしたためて下さるという実験第二弾を開始。これがまたスゴイ迫力で、まるでオペラの舞台でも観ているかのようでした。gOさんが、どんどん空に吸い込まれていく「凧」を謳い上げたのに対し、澄翔さんが呼応した書は、「翔」という一文字!まさに「天空の教室」にふさわしい一大叙情詩の誕生でした。静寂なモノクロの世界に、二人の才能が化学反応を起こした瞬間――あの場に居合わせることができた私たちは本当にラッキーだったと思います。とにかく、あんなに大勢のお客様に喜んでいただけたことが、私にとっては何より一番の報酬でした。
今回も、本当に大勢の皆様の真心やご厚意に支えられ、無事に開催させていただくことができました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。ご来場いただきましたお客様をはじめ、今回の節目の回を陰で支えて下さった関係者の皆様、大変にありがとうございました。