昨夜出会った素敵な空間へ、さっそく再訪。
今日は、まだ明るい夏の夕ぐれ前に。
金曜6時。
まだまだ明るい、蒸し暑さが残る夏のこんな時間には、いったいどんな飲み物があうんだろう。
どんな愉しみにひきあわせてくれるのか、わくわくしながら足を運んでみる。
「今日は何にしますか?」
まったくのおまかせのつもりだったので、
「今日のこの時間に、おすすめの飲み物をお願いします。
アルコールでもノンアルコールでもかまいません」
とお願い。
「では完熟の桃を使ったベリーニを」
メニューには私が普段まったく縁がない果物を使ったソフトドリンクや、爽やかそうなカクテルなんかが
夏におすすめ! と掲載されていて、
「なんだ、ベリーニか」とちょっとつまらなく思う。
桃のかぐわしい香りと見た目のかわいさから、つい甘い味を連想してしまい、全くの辛口にびっくり。
せっかくつかったフレッシュな桃の味が、プロセッコの力強い果実味に押されてしまうことなく、
ペコリーノの舌に残るビターな余韻がいい感じ。
和歌山の桃でつくったシャーベットに、ほんのちょっとの桃のリキュール、そしてスパークリングのペコリーノを注いだもの。
たいていはプロセッコで割るのだけれど、価格があがってしまうため、ペコリーノにしているそう。
よっぽど高級なホテルでなければ完熟桃なんて使わない、そのこだわりとコストとのバランスを保つのに
いろいろ考えている様子。
私と同時に店に入った女性は、昨夜私が頼んだシュケラートをオーダー。
古くから馴染みのお客さんのようで、オーナーとそのお客さんの話を聞きながら、
少しずつこちらの店を知っていきます。
夕食までに1時間あり、「今度はもう少し甘めのものをいかがですか?」と提案されたので、
2杯目もここでいただいていくことに。
今度はこんなきれいなカクテル。アペロール・シュプリッツァー。
アペロールというリキュールを、別のスパークリングとジンジャーエールとで割ったもの。
そうそう、こんな、聞いたことも飲んだこともないものが飲んでみたかったの♪
お客さんは入れ替わり、毎週金曜にこちらに来るという女性と、
ええええ?とちょっと驚くくらい細い、でも見事に鍛えた細マッチョの初老にさしかかった男性が
パニーノを食べています。
まだ明るい、夏の夕下がりには、きっと月夜とは別の顔を見せてくれるはず、との期待は裏切られない。
どの時間帯にも、くるくるいろんな客が来て、思い思いの過ごし方をする。
本で読んだイタリアンバールが、メニューや空間だけでなく、そのテロワールもひっさげて大阪のこの町の日常に溶け込んでいるのがわかります。
だから、この店は確かな現実なのに、
私はここにいると、自分が小説の中にでも紛れ込んだような気になります。
そのくらい、ここは、私にとって日常の中の非日常。
結局2時間ものアペリティフの時間を過ごし、友人との待ち合わせに向かいました。
ドアをあければ、大阪の蒸し暑さに一瞬で現実世界に戻されて。
今度は、素直にエスプレッソがカプチーノを飲んでみたいな。