八寸のあたりから、隣の奥様と大将も含めて、おしゃべりが進みました。


隣のご夫婦は、滋賀で最初に独立されたときのお店のすぐ近所に住んでいて、
そのときの常連さんなんだそうです。
祇園まで1時間ちょっとかけて出てこなくてはいけなくなったのが残念、だけどこんな一等地で成功してるのはうれしい、と話してました。

このご夫婦のように、ずっと通いつづけてるお客様がとても多いのだそうです。
ご夫婦の話しぶりからも、本当にこのお店を愛してる気持ちが伝わってきます。
私が秋山さんを好きなのと同じ気持ちなんだろうな。

すでにお帰りになっていた、反対側に座っていた60代くらいのおばちゃま3人組は、祇園に移ってからのお客様だそうですが、毎月1回必ず通ってくださってるとのこと。
若いスタッフさんと次回の予約を取るやりとりを聞いていて常連さんだとわかりましたが、孫とおばあちゃんが話してるみたいで、温かいものでした。

今回話し掛けてくださった奥様のように、お客様同士もお店に来てお話がはずむことも珍しくないようで、やはりそれは、大将の人柄と仕事の価値を理解し、そこに集まってくるのはそれなりに良質で、かつ人と交わることが好きな人なんだろうなと思います。

今回友人を誘ったのですが、私の友人は「和食のカウンター店は苦手だからやめとく」と言っていました。彼女はまさにこういう雰囲気が苦手なのでしょう。やはりお客も店をつくっていく大事な要素ですよね。


全体的な店の印象は秋山さんのように、料理の良さとスタッフ全員の人柄の良さ双方の魅力あふれる
店です。
ただ、北山というはずれ~の場所にある古民家1軒屋の秋山さんと比べると、祇園のど真ん中に位置する山玄茶さんでは、どうしても空間的に窮屈なのは否めません。

座ったときに、隣との空間が窮屈だとか、そういう不快さは一切ありません。
ただ、入り口を入ってから席までの動作とか、帰るときの余韻を愉しむ時間とか、店の空間全体が作り出す時空的なものが窮屈なんです。
そういう点では、一時全国的にやたらと名が売れた(あれはどうしてだったのかしら?)なかひがしさんも、性格は全く違うけど、今思うととても居心地いい空間を作ってますね。
こればかりは、物件の制約条件でもあるので簡単には変えられませんが、その窮屈さが、再訪の合間をちょっと長くさせるだけの力を持ってるのも事実。
そのうち慣れてくるかもしれませんね。

名門老舗で副料理長を務めていたという経歴をもつ大将も全く気取らないし、
若手もとっても気持ちいいし、初めての客にもとっても親切だし、
お客さんも店の個性を作り出す役割をきちんと担ってるし(私は、これとっても素敵なことだと思う!)、
美味しくて、かつ気持ちのよい時間を過ごしたい人にはおすすめです。


〆て13650円。
ごちそうさまでした。


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