もともとタヤリンは、なんとなく苦手意識が働きます。
以前食べた不味いタヤリンのインパクトが強すぎて、警戒感が先にきてしまうのです。
まずいタヤリンて、見た目も、そして食べてからも、「ラーメン?」て感じ。
私が食べたのは、コシもなくてぶちぶち切れるような弾力性ゼロで、ぜーんぜん美味しくないもの。
そんな経験を2度ほどして、その後美味しいタヤリンに会っても不味いラーメンの印象がぬぐいされず、「うーん、タヤリンか~」と毎回躊躇してしまう私。

おまけに、ソースが小鳩のラグー。
私のような凡人、素人はお肉の濃厚ソースだとすぐにパッパルデッレのような太麺との組み合わせを想像してしまいます。
それをあえて、細麺、それも繊細なタヤリンに組み合わせるのかー。うーむ。
思わず「鳩のソースでタヤリンなんですか?」と確認してしまいましたが、「一番美味しく食べられる組み合わせだと思います」とのお答えに挑戦してみることにしました。


料理が運ばれてきて、その風貌で期待があがります。
フォークをパスタの山に差し入れて、ふわっと上がってきた香りにうっとり。
料理を口に入れて見て、濃厚なソースときのこの味・風味にしあわせな気分に。


心配したタヤリンは、それはそれは細いのに濃厚ソースに全く負けず、かといって強いコシで受け止めるのではなく、しなやかな弾力でその濃厚さを受け流しつつ料理全体をうまくまとめあげています。


プロの料理人が作る料理ってこうでなくちゃと満足度は「悦楽」の域に達します。


さきほどのビーゴリが魚の旨さでかきこむ美味しさなら、こちらは濃厚なお肉ときのこの風味と複雑な味を、芸術作品を鑑賞するようにゆっくり楽しむもの。
あー、ワインがほしい~~~。

連れが下戸なためグラスワインで通してたのですが、一応赤のグラスワインでは一番濃厚なワインにしたのだけど、所詮グラスワイン。
こんなワインじゃ料理がもったいないーーーーー! 

ワインリストを見せてもらったのですが、5000~8000円までのお手ごろワインと20,000~40,000円までの高級ワインとに分かれていて、中間価格帯の1万円台がなくてびっくり。
見開きページごと見落としたのかしら。


こちらのパスタは、この小鳩以外にも、蝦夷鹿の杜松の実風味など、メインのような力作のお料理が楽しめます。
一方メインはお肉の塊ごろん、のがっつりのものばかりです。リストランテのような繊細なお皿が供されることはありません。お魚は1種類のみでした。

ですので、前菜+パスタ2種類で、パスタの選び方次第で2人という少人数でもメインまで食べた気になれます(ちょうど今回がそんな感じでした)。
メインを頼むなら若い男性が一緒のカップルで、あるいは3人で前菜2、パスタ1、メイン1あたりがちょうどいいと思います。
普段使いで味だけは良いものを。そんなお店です。

今度はちゃんと酒飲みと来て、美味しいワインを一緒に料理を味わおうと思います。
ごちそうさまでした。