2つ目の前菜は あおやぎのファーブルトン。
ブルターニュ地方に、生地の上にカスタード、中にプラムを入れて焼いたファーブルトンというお菓子が
あるのだそうです。
そのファーブルトンをお料理にしてみたのがこちらだそう。
カスタードからは砂糖を抜いて、プラムの替わりに、上にあおやぎを乗せて焼いてあります。
あおやぎの火入れ加減が最高です。半生ではなく、きちんと火は入ってるけど
生のようなフレッシュさとしゃくしゃくの歯ごたえがたまりません。
下の卵と牛乳の生地も美味しいです。
しあわせ。。。
ワインは、ロワールのカンシーという地域のソーヴィニオン・ブラン。
ミネラル感たっぷりで、お料理にとてもよく合いました。
わたしは、このワインとあおやぎの料理の組み合わせが一番好きでした。
次は魚料理。
鯛を3枚おろしにして、半身の状態で焼いてから切り分けたもの。
皮はパリッと、中はジューシーにと、こだわったというだけあって、こちらも火の通し方ははなまる。
北海道の海草とあさりからとったソースを泡状にしたという緑色の泡泡。
黒すぐりのソースのような色をした黒オリーブのソース。
見るからにとろんとよく火の通った新たまねき。
どうでもよいのですが、料理の説明を聞いてるそばから、皿からすばらしい香が鼻をくすぐって
たまりません。
嗅覚があまりよいとは言えない私がこんなにも感じるのだから、相当いいにおいをさせてるのでしょう。
緑の泡泡を口に入れると にがっ! びっくりするほど苦いです。
でも、3つのソースと鯛を一緒に食べると美味しいんですよ~。
友人はあまりの美味しさに笑い(笑みはとおりこしたらしい)がもれて、涙が出てきた、といって、
ほんとに涙をぬぐってました。
こちらにあわせた白ワインは、ブルゴーニュのシャルドネ。
一応ムルソー100%なのだそうですが、区画ぎりぎりの境界に畑が位置するため、
土壌の質は完全にムルソーではなく隣の区域のものになってしまってるのだとか。
だから、ムルソーとは名乗らず、ブルゴーニュ・ブランとしていると説明してくださいました。
典型的なシャルドネの味でしたが、ぶどうの味が気持ち強くてさっきのワインのほうが好きだったな。
もちろん、あくまでも「比較」の話でですが。
香がとてもいいワインで、料理の香との相性はよかったです。
ここらで、おなかの調子を聞かれます。
最初、質問の意図がつかめなかったのだけど、おなかがいっぱいになってきてたら、次のお肉料理は
ポーション小さめにお出ししますよ、と気を遣って確認されたとわかりました。
大食いの私たちは、ふたりとも全然問題なし。
少し多めにお持ちしますね、と言ってくださいました。
お肉は豚の肩ロース肉の3時間ロースト。
外側の脂の部分だけフライパンで焼き付けたあと、オーブンで焼いては取り出して休ませる、焼いては休ませるを
何回も繰り返して3時間かけて仕上げるとのこと。
(30回繰り返して、と聞いた気がしたのだけど、そうすると1セット6分ですか。聞き違えですかね。)
付け合せはしめじと、しめじの風味をまとわせた長いものロースト。
長いもがほくほくして美味しかったけど、しめじの美味しさに驚きました。
肝心のお肉は肉汁たっぷりで、その肉汁が赤く、最初見たとき牛肉と一瞬思ったくらいでした。
よく思い浮かべればもちろんそんな赤くはないので牛肉と間違えるわけはないのだけど、
さすがにじわじわ火を入れた豚さん、私たちが普段見るような薄いピンクや白の色とは完全に違います。
これに、ポレンタの粉とナッツ、枝豆をみじんにしたソースがかかってます。
このソースがコクがありかなりずっしり。 存在感がすごいです。ソースというより、料理みたい。
見た目は、葱ソースを思い浮かばせて、どちらかというと葱塩ソースのようなあっさりめの味を想像させるのだけど、真逆です。
やわらか~いお肉にこちらのソースを一緒に食べる肉料理はかなりボリューミィかつ「味が複雑で楽しい」料理です。ときどき、メインの肉料理が単調で、美味しいけどつまらない料理がありますが、こちらのは本当に食べるのが楽しくて仕方ありません。
お肉にあわせたのが05のジュベレイ・シャンベルタン。
まさにイメージどおりのしっかりしたブルゴーニュワイン。ナッツのソースでいただくお料理に見事に合います。
自分だったら、単純だから「豚」というだけで、こんなどっしりのブルゴーニュワイン選ばないもんなー。
やはりお店の方におまかせして大正解です。
疲れてきました。
デザートは明日にしよっと。