学生(といっても小中学生)の頃、毎年のように母に連れて行ってもらっていた
5月のリチャードクレーダーマンのコンサート。
毎年5月が近づくと、楽しみにしていました。
芸能人にまったく興味がなくて、私が当時、唯一はまっていたとしたら彼なのかな。
だけど、私の音楽に対する関心が大学入学後急速に衰えて、その後環境への適応、勉強に仕事にと忙しくて
まったく行かなくなってしまいました。
10年ぶり? 10数年ぶり?
わからないけど、ほんとにかなりひさしぶりに足を運びました。
ひさしぶりに見た彼は、「おじいさん」になっていました。
あのピアノの貴公子が。。(笑)
最後のほうで、定番の渚のアデリーヌの演奏のとき、正面のスクリーン(昔はこんなものもなかった)に、
若い頃の貴公子の姿が映されて、思わず涙が出てしまいました。
彼の演奏にはまっていた小さい頃の自分や、その頃の日々が思い出されたのと、
美しい貴公子が、しわのあるやさしい顔で笑う品のある初老のおじいちゃんになるまで、
ずっと演奏活動を続けてこられて今またこうして聞けるうれしさと、
いろんな思いで。
小説なんかで、おばあさんが初恋の人の写真を見たり、女学校時代の友達と話してると、
心は一瞬で乙女に戻る、みたいな記述を読んだことは何度もありますが、
本当にそうなんだなーと思いました。
若い頃の貴公子の姿は、私にとって、とてもインパクトのあるものでした。
(そんな歳になっちゃったのねえ。。)
そういえば、帰国子女でもない私が、目の前で外人がフランス語をしゃべるのを見たのは、
彼が初めてだったかも。
フランス語の音というと、今に至るまで私が想像するのは、彼が舞台でしゃべってるあの声と発音です。
いろんな面で、私に印象を残してくれてるんですねえ。
あまりにひさしぶりで、演奏以外でも非常に印象的なコンサートでした。
落ち着いて演奏だけに集中できるように、また毎年足を運ぶようにしたいなと思いました。