<<犬達の瞳の見るもの>>
一日の日課の終わりに、犬達全員に語りかける。
犬達は静かに無言で私を見つめて聴いている。
その時の犬達の真剣な瞳の輝きに、
毎日毎日、とてつもなく感動する。
この時間は、とても大切な時間だ。
どんなに疲れていても、この時間を省かない。
犬達に心の一番深くで語りかける。
犬達は心の一番深くで聴いている。
彼らの心に一片の邪心も無い。
彼らの瞳を見ていれば、それがありありと分かる。
犬達との対話とは、己が己に試されるということ。
そこでは嘘など、いっさい通用しない。
下心も通用しない。仮面も通用しない。
虚飾も通用しない。虚勢も通用しない。
そこでは自分の本心が晒されるのだ。
犬達との対話とは「鏡」なのである。
その鏡に自分の心が映るのだ。
その鏡に映る自分の心はどういう姿か?
犬達の瞳が見ているものは、
まさにその「心の姿」である。
彼らの瞳は心の姿を見ているのだ。

■南無華厳 狼山道院■
≪ 2014:04:07 ≫