<<愛犬対話散歩>>

「2010年1月」 リード有りでも無しでも、基本の呼吸は同じだ。
これまで犬達の散歩運動で、
20万キロ以上は走破しただろう。
いろんな方法で散歩したが、
方法は異なれど基本は同じである。
基本の姿勢と呼吸は同じである。

犬が後でも先でも、基本の呼吸は同じだ。

「さあ!行こう!」 散歩は犬と人との対話だ。全身全霊で散歩する。

2010年1月。氷点下10度。猛takeru:12歳。手綱で会話する。
この手綱は250cmくらい。常に手で長さを調節しながら進む。
手が休んでいることなど、あり得ない。常に無意識に操作している。
そして手と全身は、常に連動している。つまり全身で操作する。
無意識に自然に全身が連動するようになるように修練する。
ところで犬というものは、自分自身で「立ち込み」する。
自然体で「瞬時に最大パワーを発揮できる身体姿勢」を整える。
ショーでは「ステイ」とか「立ち込み」とかで犬を立たせるが、
最も美しいのは、犬が自分自身で足のスタンスを決めた瞬間だ。
散歩の中には様様な要素が凝縮されている。
いわゆる「しつけ:訓練」というものも凝縮されている。
そしてなにより、「対話」というものが凝縮されている。
リードでの散歩に悩む飼主が多いと聞く。
リード散歩は、飼主の意識次第で変わる。
「犬がどうの」ではなく、飼主の意識次第だ。
ほんとうは、まず第一に、
本来の「犬という動物」を知らなければならない。
「犬という動物」を知れば、飼主の意識は変わるはずだ。
まず、「本来の躍動」というものを認識しておく。
それは「心の躍動」と「身体の躍動」の両方のことだ。
それを充分に認識した上で、その上で散歩に行く。
それを認識するかしないかで世界は変わるのだ。
人間の徒歩速度のリード散歩を「当たり前!」だと思えば、
その時点で、すでに犬との対話は成されない。
「当たり前!と思うか思わないか?」で世界は変わるのだ。
その犬が人間の徒歩速度に「合わせてくれる」ことに、
まずはそのことに飼主は感謝しなければいけない。
その飼主の気持ちは、いつしか犬に伝わるのである。
そうすると犬は飼主に対して、
「分かってくださり、ありがとう!」と思うようになる。
そこから果てなく深い対話散歩に向かうのである。
今回は初歩の段階を書いてみることにする。
「飼主自身の身体操作」については、
過去記事にも書いてきたので、今回は省略する。
最初から短いリードで散歩練習しようとする人がいる。
最初から強制姿勢で制御しようとする人が意外に多い。
それはそもそも無理難題である。
その犬の心境に入れば、それが分かるはずだ。
いきなり「短いリード」で強制しても、
そこに生まれるのは、必死の抵抗だけである。
そこではリードは、犬には拘束の道具としか映らない。
犬は本能的に不安となり、当然ながら抵抗する。
最初は安全な場所で、長いリードで充分に慣らす。
最初は散歩ではなく、「リード範囲遊び」で充分だ。
そこからだんだん、散歩へと移行していく。
それと同時に、ドッグランでフリー散歩を練習するといい。
最初は充分に躍動させて、気持ちを満足させてあげる。
そうしたら飼主は、犬を気にせずに何気に歩き始める。
歩き続けると、いつしか犬も着いて来るようになるだろう。
もちろん場合によっては「呼び」を声掛けることもあるだろうが。
そして一緒に歩き、それは自然と歩調を合わせる練習となる。
そこで犬は「歩調を合わせる」ということを体感するのである。
これは、あくまでたとえばの話なのだが、
もちろん犬によってパターンは異なるから一概ではないのだが、
パターンは異なるが、だいたいこんな感じの展開ということだ。
リード有りでも、リード無しでも、呼吸は全く一緒である。
まずはその「呼吸」を、人犬の双方が体感するのである。
※いつまでも自分遊びに夢中になる犬もいるだろうが、
その場合には、別の調練方法があるのだが、
それについては話が長くなるので今回は省略する。
「リードの握り方」というのは最初に重要だ。
自分自身で常に工夫と研鑽を重ねていく。
プロハンドラーと訓練士は握り方が違うし、
さらにそれぞれに個個で握り方は違う。
皆それぞれに「自分の握り方」を研究している。
まず握り方から始まり、そして全身操作が始まるのだ。
「リードの長さ」は、変幻自在に操作する。
操作の方法は個個で独特に違うだろうが、
要は「リードに命を吹き込む!」ということだ。
それはただの「綱」ではなく、自分の身体の延長なのだ。
この「リード手綱道」というのは奥が深いが、
犬はその人の「実力」というものを鋭く感知し、
その人の実力に「一目置く」ということになる。
一目置くというか、本能的に感服するのである。
本能的に感服すると、犬の行動は自然に変わる。
犬と暮らす以上は飼主は、
リード手綱道を研鑽していかねばならない。
犬に対して、やたらと「要求」する人が多いようだが、
犬に「要求」するよりも、まず自分自身を磨くことだ。
自分自身を磨いていけば、自然と犬はついてくるのだ。
なお街中では、瞬時にリードを短く畳めることが必須条件だ。
街中というのは、不測事態に満ち満ちているのである。
犬が嫌いな人もいる。犬が怖い犬もいる。そして車も多い。
だからいつでも「瞬間に短く畳める」ように肝に銘じておく。

「GO!」を号令した瞬間。それまでは私と一緒に歩いていた。
彼らは、「そこで待て!」と号令すれば、そこで待つ。
そして招呼すれば即座に舞い戻る。リード散歩と呼吸は同じだ。

「GO!」を号令した瞬間。
「犬達の本来の躍動」というものを知っておくべきだ。
それを知った上で、人間歩調で一緒に散歩する。
人間歩調というのは、彼らにとっては「止まっている」ようなものだ。
それを知った上で、人間歩調で一緒に散歩する。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2014:03:02 ≫