<<證を讃える光の詩>>
 
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2013年12月25日。「證:syou:9歳半」。
 
「證」は生まれた時、あまりにも小さかった。
小さいだけでなく、身体感覚に問題が見られた。
なんとか強く育って欲しいと願い続けた。
私は彼が育つ一部始終を見てきた。
どれほど頑張って大きくなったかを見てきた。
まず、母乳を飲むことが、最初の難関である。
兄弟全員が無我夢中で必死になるから、
悠長にマイペースで飲乳できる訳ではないのだ。
ただし、これは「競争」という意味では無い!
これはどこまでも、「鍛錬」なのである!
将来その子が生き抜いていけるための、
そのための根本体力を養成するための、
そのための大自然の深遠な配慮なのだ。
だからこれは「競争」では無いのである。
しかしその鍛錬は、厳しいものである。
全員が渾身の力を振り絞って乳首に到達する。
全員が渾身の力を振り絞って乳を吸い続ける。
そして子犬は、ただ「口で飲む」訳では無い。
乳を飲むというのは、全身運動なのである。
口から首から背中から四肢から尻尾まで、
子犬は全身全力で乳を飲むのである。
證は頑張った!ほんとうに頑張った!
最初の頃は、證は力が劣るから、
乳首まで辿り着くことすら至難だった。
他の兄弟達が満腹した後に、ようやく飲めたのだ。
母犬は本能深くで真相を知っているから、
その時には、心ゆくまで存分に證に乳を飲ませた。
しかし毎度毎度、證は諦めずに最初から奮闘した。
己自身の闘いを放棄せずに最初から奮闘した。
だからだんだん、證は力強くなっていった。
證は自分で自分を鍛えていったのである。
そしてとうとう、證は他の兄弟の大きさに追いついた。
とうとう證は、ハンデを乗り越えて成長したのだ。
證は自分で自分を鍛え、自分で自分を成長させたのだ。
私は證を見るたびに、彼の赤ちゃんの頃を想い出す。
いつもいつも、「よくぞ頑張った・・・」と感慨無量になる。
一日の日課の全てが終わった時、
私は家族全員を、一頭一頭抱き上げて、語り掛ける。
證を抱き上げて抱き締めて、
「證くん!頑張ったね!偉かったね!」と、
いつもいつも毎日毎日、心から語り掛ける。
證はとてもとても喜んで、天使のような笑顔で微笑む。
この山の極寒の冬を、證は九度も乗り越えてきた。
一度たりとも挫けることなく、元気満満で乗り越えてきた。
私は證を心から誇りに思う。心から證を尊敬している。
 
「證」とは≪あかし≫という意味である。
「命の證し」という想いを込めて名付けた。
 
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2013:12:26 ≫