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この狼山ブログには犬達の写真も一杯ある。
私にとって犬達の写真は「犬心記」である。
古い携帯カメラだから鮮明には撮れないが、
作動が遅いからベストショットも撮れないが、
そこには犬達の心の世界が刻まれている。
海より深い命の感性が刻まれている。
※今日は我家の長老達の写真を紹介します。

2010年10月6日。犬舎の近く。これは「蔦うるし」。
今年の蔦うるしは、気温の関係で褪せた色合いだった。

2013年10月13日。16歳の「悍:kan」。超高齢である。
彼は昔は著しく闘志過剰犬だったが、ずいぶん気性が丸くなった。
身体が老いたから丸くなったのではない。彼は新たな境地に辿り着いたのだ。
しかし今でも、精神の精悍さは微塵も失っていない。その名の如くである!!

心が躍ると、悍は天真爛漫に走り出す!!
そして犬達みんなに「嬉しいね!嬉しいね!」と挨拶に行く!!
その光景を見ていると、感無量になって涙が溢れてくる。

2013年10月13日。14歳の「仁:jin」。仁も大きく精神成長した!!

2013年10月13日。15歳の「小太:kota」。小太も大きく精神成長した!!

2013年10月15日。15歳の「山斗:yamato」「猛:takeru」。
この日は相当な雨だったが、我家は雨でも普段通りに運動する。
雨でも犬達は普段通りに運動を要望するのだ。
日本犬のような被毛は、雨にも雪にも強い!!
しかし私は全身ずぶ濡れになる。日課が終わるまでは濡れたままだ。

山斗は普段は「おっとり」しているが気力は凄い!!

猛は山斗を「お兄ちゃん」と慕っている。猛は「気が強い」という感じである。

山斗と猛。老犬になれば「視覚:臭覚:聴覚」は著しく衰えてくるが、
彼らはそれでも衰え方は少ない方だと思う。そして元気一杯に走る。
彼らは15歳の超高齢だが、壮犬期のように食欲旺盛だ。

犬達には母子愛がある。家族愛がある。兄弟愛がある。限りなく深く美しい愛情だ。

2010年1月6日。山斗と猛。12歳の頃の写真。
すでに雪は深い。気温は日中でも氷点下10度を超えた。
踏み締めたトレイルを外れれば、私も犬達も深く雪に沈む。
深雪でのトレッキングは、地面散歩の何倍も体力を消耗する。

これは2013年9月28日の写真。犬舎の至近。この中に「カラス」がいる。
過去記事で「子カラス」のことを書いたが、今は彼らも大きくなったようだ。
彼らの巣は移動したようだが、今も我家エリアに子カラスが遊びに来る。
朝と夕方に、何かの事情が無い限りは、ここに立ち寄ってくれる。
毎日毎日が厳しい日常だろう。気楽な日などは無いはずである。
野生世界とは、毎日が生死の境界上なのである。
その日常でも、彼らは我我を忘れずに憶えていてくれる。
それを想うと、どうにもどうにも胸が熱くなる。
遊びに来ると言っても、別に何もイタズラはしない。
もちろん、何か食糧を求めに来る訳ではない。
そういうことは、いっさい何も無いのである。
ただ我我に挨拶してくれるのである。
子カラスの声は太くなったが、それでもまだ幼さを残している。
まだ幼さの残る声で、我我を懐かしむように話し掛けてくれる。
犬達もその声を聴いている。そして私は犬達に話し掛ける。
「みんな!カラスの赤ちゃんが来たね!」
「カラスの赤ちゃん、大きくなったね!」
「かわいかったね!カラスの赤ちゃん!」
犬達はみんな、子犬のような目になって、一心に私を見つめる。
そして私は犬達の前で「南無華厳」を唱える。
犬達の魂は南無華厳に深く共感共振する。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2013:10:16 ≫