<<奇跡のリンゴ//読後感想>>
何年か前に「奇跡のリンゴ」という本を読んだ。
そこにはいくつものテーマが秘められていた。
■ひとりの男の不屈の意志力。
■その男を支える家族の家族愛。
■長年の人工環境で本来の生命力を失ったリンゴ木が、
本来の逞しい生命力を取り戻すまでの試練と苦闘の道程。
■大自然の生命たちの絶妙至極な相関性による絶妙調和。
■共生思想は結局は最も理想の結果を導くということ。
■人間の傲慢な共生無視の排他思想科学は、
結局は巡り巡って人間自らを苦しめていくということ。
真の共生思想の具現は至難かも知れないが、
現実的には課題が山積かも知れないが、
しかし「それを目指す!」ことこそが、
それが最も重大なことだと思う。
「目指す」と「目指さない」では、天地の開きなのだ。
両者は、全く別次元の方向へと分れるのである。
この本は、それについての「気づき」の本だと思う。
ただ「農薬の有害」を説いた本では無いはずだ。
ただ「尊い夫婦愛」を説いた本では無いはずだ。
そういうことも書いてあるだろうが、
そういうことだけに注目したら真意は読めないと思う。
「YOUTUBE」で映画の予告編を観てみたが、
上映本編では、そこら辺はどうなっているだろうか?
ちょっと気がかりになった次第である。
この本の本当の主役は「リンゴの木」である。
まさに題名通りに、「リンゴ」が主役なのだ。
過度な人工環境で力を失ったリンゴたちが、
大試練を乗り越えて本来の力を取り戻すという、
壮大な苦闘の軌跡の物語なのである。
もちろん木村さんは、とても素晴らしい人だと感じた。
固定観念に縛られない自然体の人だと感じた。
そしてとても「やさしい人」だと感じた。
因みに木村さんは山獣たちを敵視していないようだ。
もし山獣たちを「敵視」するような人だったら、
この「奇跡のリンゴ」は実現しなかっただろう。
ところで木村さんは、いろんな不思議体験をしている。
木村さんの「無農薬:無肥料」という農法は、
その不思議体験からインスパイアされたものだと思う。
だがどういう訳か、その辺りに注目する人は少ない。
それどころか、人人はその実体験を信じていないようである。
固定観念に縛られた人人は、信じることができないだろうが、
そういう人人は、木村さんの本当の真意は理解できないと思う。
この本に、木村さんがリンゴの木に話しかける場面がある。
その場面が、この本のクライマックスだと感じた。
素晴らしく感動的な光景が、ありありと見えてきた。
そのとても荘厳な光景に泣けてきて、涙があふれた。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2013:06:25 ≫