<<一心同体>>
私と犬たちは一心同体だ。
彼らがどれほど私を愛してくれているか。
彼らの愛を想えば裏切ることなどできようはずがない。
たとえどんなに貧しくとも、裏切ることなどできはしない。
この世に真実の愛があるとすれば、
彼らの愛は間違いなく、その真実の愛である。
この野性対話道三十年間で、
彼らのその真実の愛を、この目で見てきたのだ。
一日の日課を終えたとき、
私は家族全員を一頭づつ抱き締める。
大勢なので時間が掛かるが欠かすことは無い。
そこには、言葉を超えた真実世界が現われる。
無言の中に、光り輝く真実世界が現われるのだ。
真実の愛には、種の違いなど、いっさい無関係だ。
種の違いに無関係だからこそ真実の愛なのだ。

「2009年12月:あかね:6歳半」
抱っこすると、あかねはいつも夢見心地になる。
家族の中には「照れ屋」の子もいるのだが、
そういう子でも心の中では、とてもとても抱っこを喜んでいる。
あんまり表面に表現しない子でも、ナイーブな純情は全く同じだ。
このとき私は四日間の絶食中だったが、
そういうときでも運動は休まない。
私の状況と心境を、いつも犬たちは知っている。
彼らは無言で私を励ましてくれている。
この私を、心の一番奥底で信じてくれている。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2013:05:22 ≫