<< 山 犬 魂 >>
5月3日の記事の「野性の掟」で、
「山斗:yamato」が裂傷したことを書いたが、
その後どんどん回復し、ほぼ傷口は癒合した。
まだ完全癒合までは要注意だが、元気一杯である。
抜糸の時に獣医は、彼の回復の早さに驚いていた。
なにしろ15歳の超老犬なのに若犬並の回復力なのだ。
昔から我家の犬達は、獣医から「狼か!」と驚かれていた。
「なんでこんなに強いのかな?」と不思議だっただろう。
我家は貧しい父子家庭である。
どこを探しても贅沢というものは無い。
至れり尽くせりの贅沢からは懸け離れているが、
犬達は「山犬魂」で元気満満に生きている。
彼らの強靭な生命力は山犬魂に支えられているのだ。
山斗は普段は静かな平和主義者なのだが、
吠えることすら知らないほどに静かなのだが、
彼の内側には山犬魂が脈脈と流れている。
だが普段は、とても優しくておとなしい犬である。
内に秘めた強さと普段の静けさとのギャップに、
きっと多くの人が驚くだろうと思われる。
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ところで動物病院に抜糸に行った時、
順番が来るまで外で待っていたのだが、
子供が子犬をリードで連れていた。
子供が子犬を可愛がっていることは一目で分かったが、
なにぶん子供だから、リードの扱いが著しく未熟であった。
そういう状況なので、子犬は非常に戸惑っていた。
子犬は「どうしていいのか分からない・・」という心境である。
もちろん子供には微塵も悪意は無いのだが、
いかんせんリード操作が未熟すぎるから、
あれでは子犬は心身ともに大変な苦労である。
幼い首をあっちこっちに引っ張られるのだから。
しかし子犬は文句も言わずに我慢するのである。
おそらく、こういう光景は世間に一杯あるだろう。
「子供にもハンドリング教室が必要だ!」と痛切に感じた。
とりあえずその時は、その子供に手短に簡単に指導した。
ほんとうなら毎日教えてあげたいくらいだったが、
私は山に棲んでいるから、普段は逢えないのである。
山斗の抜糸を終えて外に出ると、彼らはまだそこにいた。
その子供もその子犬も、私と山斗から離れなくなった。
どうやら好かれたようだが、我我は山に帰らなくてはならない。
「いいかい、車に気をつけるんだよ!」と念を押して別れた。
あの子供とあの子犬を、深く深く祈った。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2013:05:22 ≫