<<夜の雪の森>>

普段は日中に仕事に行くから、
犬たちの世話と運動と除雪作業などは、
朝も夜も真暗闇の中で行なうこととなる。
頭に小さなヘッドランプを装着して活動するのだが、
なにしろ明りはこのヘッドランプだけなのである。
無人地帯の夜の森が、どれほど漆黒の真暗闇か。
街に住んでいる人には想像できないかも知れない。
上の写真が、このヘッドランプの灯りである。
映っているのは、山の動物の足跡である。
これは深い新雪の上の足跡なのだが、
そして相当に大きな足跡なのだが、
不思議なことに、沈んでいない。
犬たちが歩いても深く沈むというのに。
これがいつも不思議なのである。
たとえ沈みにくい足の持主だとしても、
いくらなんでも新雪では沈むだろうに。
それにこれは、「歩いている」足跡なのだ。
雪面を舞い抜けた足跡とは違うのである。
いずれにしても、夜の森は足跡だらけになる。
雪に埋もれた夜の森の小道を歩いていると、
辺りはいろんな動物の気配でいっぱいである。
ここはもう、別世界である。
ところで昨夜も充分に冷えた。
すでに夜7時で氷点下12度だった。
だいたい午後4時頃から気温が急降下し、
どんどん明け方まで下がっていくのだ。
冬は犬舎まわりの付帯作業が多いので、
延延と間断なく寒気に晒される毎日である。
もうすぐ氷点下20度オーバーに突入するだろうが、
この冬も家族の犬たちとともに気力で乗り越える。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2012:01:19 ≫