<<雪山記>>

我家の「第3グループ」の家族たち。

狼の山は白銀世界になった。
写真は昨冬期だが、これに近い状態だ。
もう昼でも気温がプラスになることは稀だ。
未明時刻の気温は冷凍庫レベルに突入している。
犬たちの運動を「冬期ルート」に変えた。
冬期ルートは無雪期には全く探せなくなるのだが、
しかし犬たちは、それを精確に憶えているのである。
10cmと違わずに精確にルートを辿るのである。
これには驚くしかない。彼らの感覚は凄い!!
私は通ってみて初めて、「ああ、確かに!」と思い出す。
写真の小道の先は全く道は無くなるが、彼らは精確に進む。
もし彼らがいなければ、私は延延と彷徨うことになるだろう。
道の無い深い森は、人間ならば簡単に迷う世界なのだ。
私との距離が開けば、彼らは私の元に戻り、そしてまた進む。
もちろん私が「呼び」を呼び掛ければ、彼らは即座に舞い戻る。
「呼び」は家族の掟であることを、彼らは理解しているのだ。
だがいつでも、私は全集中力で彼らの挙動を洞察している。
いつでも一瞬一瞬に、彼らの行動を予測しながら進んでいく。
大丈夫だと思える状況でも、全身のセンサーを起動させている。
群れを統率するときには、呑気な油断は絶対禁物なのだ。
ただしあくまで泰然とした「自然体」を貫かなければならない。
もしもピリピリしたり動揺したりでは、
群れを無事に統率していくことはできないのだ。
自然体というのは難しいことだが、だがそれは実に重大なのだ。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2012:12:10 ≫