今日は同志「GARASHA」さんの記事を紹介いたします。
*** 胸を打つ感動の実話物語です ***
<<GARASHA//オンドリと父>>

遠い昔の話なんですが
真っ白な体に赤い鶏冠(とさか)が美しい
その鶏の名前はシロといいました
今は亡き父が見た目そのまんまでそう呼んで可愛がっていた白色レグホンの雄。
シロもまた父にとても懐いていて、畑仕事、家の雑用、散歩、
果ては近くの店へ買い物に行くときでさえ、傍を離れようとはしませんでした。
父と、その少し後ろをぴったりと付いて歩くニワトリの姿は、
近所でちょっとした評判になっていたそうです。
そんなシロを父はどれほど愛おしく思っていたことでしょう。
ところが,父に対してはまるで忠犬ハチ公のように従順だったシロも、
やはり習性なのか他の雄鶏同様、いやきっとそれ以上に闘争心旺盛で、
猫やカラス、時には大きな犬さえ追い回すほどでした。
それだけならまだ良かったのです。
でも元気の良すぎる彼のターゲットは動物だけではありませんでした。
困ったことに家に来る全ての人間にも闘い(?)を挑んだのです
タタタタタ…! と驚くような速さでターゲットを追いかけ、
ジャンプキックや恐怖のくちばし攻撃をしかけるのです。
これには近所の人達もほとほと閉口し、
とうとう「これじゃ用事があっても○○さんちに行けない」と苦情が…
困った父はあれこれ考えた末に、普段はシロをロープでつないでおくことにしました。
広い場所に杭を打ち、シロの足にロープを結び付け繋いだのです。
それは一見異様に見えたかもしれませんが、
それまで自由に動き回っていたシロを、
狭い鳥小屋に入れてしまうのは可哀想だという、父なりの優しさでした。
その様子を私も一度見たことがありますが、
ロープに繋がれてもなお堂々とした彼の姿は、まるで番犬ならぬ番鶏のようでした。
それなのに、それまで鋭い目で辺りを見回していたシロのそばに父が近寄ると、
彼はとたんに警戒の姿勢を解いてしゃがみ込み、
体を撫でられるとそのまま安心したように目を閉じるのでした。
そんな父とシロの姿を見た私の胸の内は、
感動と嫉妬が入り混じったような複雑な気持ちでした。
なぜなら、シロの育ての親は、他ならぬこの私だったからです。
シロはお祭りの露天で売られていたヒヨコでした。
その時私は田舎を離れてアパートで暮らしていたのですが、
当時の彼がその可愛さに目をとめ、私にプレゼントしてくれたのです。
でも今思います。
花や洋服やアクセサリーじゃなく… なんでプレゼントがヒヨコだったのか
と
段ボール箱に入れられたヒヨコは3羽で、
それぞれオレンジ、ピンク,グリーンの色鮮やかな塗料をスプレーされていました。
今思えばとても可哀想な姿なのに、その時は色つきのヒヨコがただただ珍しくて可愛くて、
大喜びしてはしゃいでいたのを覚えています。
でもアホみたいにはしゃいでいられたのも最初のうちだけ。
ヒヨコの成長は驚くほど早く、
2・3週間もすると3羽が部屋の中を結構な勢いで走り回るようになり、
同時に鳴声も大きくなってフンのにおいも強くなってきました。
そうなると今度は隣近所の苦情も心配になり始めて…
結局そのままアパートで飼う事に限界を感じた私が実家に押しつけた というわけです。
3羽は実家ですくすく成長し、
やがてその子たちがオス1羽とメス2羽であることがわかりました。
とても理想的です。
3羽の生活は3年ほど続きましたが、
やがてメス達が相次いで死んでしまい、最後にオスのシロが残ったのでした。
そしてその頃からますますシロは父を慕うようになったのだそうです。
誰もが父とシロとの平穏な毎日が、
シロが老いて寿命を終えるその日まで続くと思っていたはずです。
しかし父の油断が思わぬ不幸を招いてしまいました。
いくら犬・猫・カラスに負けないとはいってもそれは昼間の話。
夜間目の見えないニワトリが野生動物に襲われたら一体どうなるのか。
考えるまでもありません。
それなのに父は夜もシロを小屋に入れず、
彼のお気に入りの軒下で寝かせていたのです。
田舎に住み野生動物に詳しい父が、
なぜあんな迂闊な判断をしたのか…今でもわかりません。
その朝いつものように父が家の外に出ると、
普段なら父を見つけるとすぐに駆け寄ってくるシロの姿が見えません。
不審に思った父がシロの寝場所に行ってみるとそこに彼の姿は無く、
真っ白な羽根だけが散乱していました。
その光景を見ればシロの身の上に何が起こったのかは一目瞭然でした。
心臓が悪かった父はその時どんな状態だったのか
それでも何とか点々と散らばった羽根を辿っていくと
家からそう遠くない場所に、
首から上の無い変わり果てた姿のシロが横たわっていたそうです。
勇猛な彼が暗闇の中で相手さえ分からず、
おそらく抵抗らしい抵抗もできずに命を奪われた事は、
さぞかし無念であったと思います。
私がこの出来事を知らされたのはシロが死んでからしばらく経ってからで
電話口で母から聞かされました。
シロを失った悲しみと父の迂闊さに腹が立ち
後日激しい言葉で二言三言父を責めた私ですが、
力なく頷く父の胸中を想うとそれ以上は言えませんでした。
誰よりも辛く悲しかったのは父に違いないのですから。
今回なぜ私がこんな何十年も前の古い話をしたかというと
少し前にGYPSYさんのブログの中で公園に住みついた雄鶏の写真を見たのです
(捨てられたであろう)その雄鶏をGYPSYさんも気にかけておられましたが
私も心配であれこれ考えているうちに、遠い昔の父とシロの姿を思い出したのでした。
ニワトリというとまず思い浮かべるのはきっとお肉と卵ではないでしょうか。
そして商品価値の基準からはずれたヒヨコたちは、
生れて何日かでシロのように体中にカラースプレーを吹きつけられ、
まるでかわいいオモチャであるかのように
露天などで売られています。(今でも売られているかは知らないのですが)
もっと酷いと生きたままベルトコンベアーにのせられ、
そのまま機械で押しつぶされると聞いたこともあります。
耳をふさぎたくなるようなこんな残酷な扱いを受けているニワトリたち。
でもそんなモノの中の一つに過ぎなかったシロには
あんなにも豊かな感受性と勇ましさ、
そして一人の人間をひたむきに慕う純真があったということを知って欲しかったのです
きっと全てのニワトリの一つ一つに輝くような個性があるはずです。
彼らは卵を採るために、
そして食べられるためだけに生れてきたのでは決してない と
私にはそう思えてなりません。
それから少し前まで私も深く考えずに使っていたあの言葉。
小心者を例えて「チキン」と呼びますが、これほど誤った言葉使いはないでしょう。
最初にこの言葉を使った人に是非見せてあげたいと思います。
雄鶏のあの素晴らしい雄姿と闘争心を。
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garashaさん、こんにちは!!
ヒヨコがどんなに一生懸命殻をやぶって出て来るのか私は知っています。
体をねじらせながら、
ヒヨコがどんなに一生懸命殻をやぶって出て来るのか私は知っています。
体をねじらせながら、
窮屈な殻の中で必死に殻をやぶろうとほとんど休まずに外を目指します。
それなのにgarashaさんの言うように世の雄鶏になるべくヒヨコたちは、
それなのにgarashaさんの言うように世の雄鶏になるべくヒヨコたちは、
やっとのことで這い出てきたと思ったら、
人間の冷酷な選別によりあさっりとゴミ箱行き、
もしくは生きたままシュレッダーにかけられてしまう…。
『何の為に生まれてきんだろう』と人は良く口にしますが、
『何の為に生まれてきんだろう』と人は良く口にしますが、
それはこういう悲惨な運命下に生まれてきた動物たちの言葉だと思います。
雄鶏の運命を一体どれほどの人が知っているのでしょうか?!
シロ君、本当に愛しい子でしたね!!!!
読んでいて思わず頬が緩みました。
私も雄鶏ファンの1人として彼のこと絶対に忘れません。
…できれば写真を見てみたいです。
雄鶏の運命を一体どれほどの人が知っているのでしょうか?!
シロ君、本当に愛しい子でしたね!!!!
読んでいて思わず頬が緩みました。
私も雄鶏ファンの1人として彼のこと絶対に忘れません。
…できれば写真を見てみたいです。
2012/10/23(火) 午前 6:42 [ エメラルド ]
<<「エメラルド」さんのコメントです>>
シロ君の悲しい最期は、
最初からなんとなく想像できました。
だから、はらはらしながら読みました。
そしてやっぱり、そうだったのですね・・・・・
シロ君は、軍鶏に近かったようですね。
彼の勇姿が、ありありと目に浮かびます。
そして彼がどれほどお父さんを慕っていたか、
その純情が分かるから、私は泣きました。
彼は毎晩、雄雄しく勇敢に、
得体の知れない不安と闘っていたのでしょう。
すでに自分の運命を覚っていたはずですが、
誰にも弱音を見せずに雄雄しく闘っていた・・・・・
ただ一心にシロ君を祈ります。<<<南無華厳>>>
最初からなんとなく想像できました。
だから、はらはらしながら読みました。
そしてやっぱり、そうだったのですね・・・・・
シロ君は、軍鶏に近かったようですね。
彼の勇姿が、ありありと目に浮かびます。
そして彼がどれほどお父さんを慕っていたか、
その純情が分かるから、私は泣きました。
彼は毎晩、雄雄しく勇敢に、
得体の知れない不安と闘っていたのでしょう。
すでに自分の運命を覚っていたはずですが、
誰にも弱音を見せずに雄雄しく闘っていた・・・・・
ただ一心にシロ君を祈ります。<<<南無華厳>>>
2012/10/21(日) 午前 6:26 [ 狼山 ]
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2012:10:23 ≫