<< 狼 心 眼 >>
狼はその心眼で、相手の心まで見抜く。
実際に間近で狼の前に立てば、それが分かる。
心まで見抜かれていることが、分かるはずだ。
狼の目は深く鋭いが、
それは心眼の深さと鋭さの象徴なのである。
そしてその目は、相手の僅かな動きも見逃さない。
「1mmの動き」さえも見逃さないと言えるだろう。
それは実際に間近で狼の前に立てば分かるはずだ。
そして狼は、その微動に対して瞬間に反応できる。
まさしく瞬間に反応できることが狼の条件なのである。
狼はその目と全身の筋肉が、まさしく直結しているのだ。
そしてそれが、全くの自然体でできてしまうのだ。
そうでないと、狼は生きてはいけない。
野性界とは、そういう世界なのである。
大昔に山中で日本狼と対峙した剣士が、
ついに抜刀することさえできなかったという記録があるが、
その話が事実であったことが、私には容易に分かる。
狼の心眼と眼力は、神域の芸術だと思う。
そしてそれを知れば、大自然の凄さに言葉を失うこととなる。





後ろでカメラを構えようとする瞬間に後方に耳を向けた。
振り向かなくとも、彼の心眼に私が映っている。
ところでこの写真で彼の大きさが分かるだろうか。
彼は雄のハスキーの二倍以上の体格だった。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2012:08:10 ≫