<<狼山対話>>
 
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犬舎の前から続く山行道。道と言っても獣道と同じである。
真暗闇の夜になれば、どんな人でも迷って彷徨うだろう。
 
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山行は、犬たちと一緒に行くことも多い。
この日は一頭と行ったが、山行の時には静かに私を先導する。
真暗闇の深夜に行く日も多いが、このように先導してくれる。
普段のトレッキングでは彼らは躍動の塊りだが、
山行の時には彼らは心得てくれるのである。
 
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6年前。第一グループの家族たち。
この遊び場の犬たちも相当に気性が烈しいのだが、
統率者である私がそこにいる限りは、均衡が保たれる。
これは客人と一緒にトレッキングに行く前の一場面。
出発前の私の挨拶を、全員が傾注して聞いている。
私は何のコマンドも出していない。
重大なのは犬たちの「精神姿勢」なのである。
 
 
野性対話道は果てしなく続く道だ。
毎日毎日、新たな領域に突入する。
野性対話道に入って二十九年が過ぎた。
その道程で学んだことを、
なんとか人人にも知ってもらおうと、
それで五年前からブログを書き始めたが、
人人に伝えることが至難であることを知った。
動物たちの感覚を、野性界の感覚を、
動物たちの真情を、野性界の真情を、
それを人間に理解してもらうことが、
それが如何に至難であるかを実感した。
そもそも言葉で表現することに無理があった。
それは言葉では表現できない世界だったのだ。
人間たちと動物たちの感覚は、懸け離れている。
人間たちと動物たちの世界観は、懸け離れている。
動物たちの真情を人間社会に理解してもらうことは、
それは無理に近いほど至難であることが分かったのだ。
動物たちの真情は、人人の想像とは相当に違う。
最も簡単に言えば、そういうことである。
 
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2012:08:04 ≫