<< 呼吸観//静深大 >>
「呼吸」は、精神と直結している。
精神が呼吸に影響し、呼吸が精神に影響する。
そして精神に影響するということは、
肉体に影響するということである。
よく「深呼吸!」と言うが、
それはまことに、そうなのである。
だが日常だと、人は呼吸に無配慮になりがちだ。
そしてすっかり呼吸調子のことなど忘れてしまう。
そしていつのまにやら、
小さく浅く乱雑な呼吸に陥っている場合が多いようだ。
そのとき、呼吸の調子を整えるだけで、
いろんなことが好転していくはずである。
たとえば「会話」のときにも。
たとえば「作業」のときにも。
「接客」のときにも。「商談」のときにも。
「会議」のときにも。「議論」のときにも。
あるいは「車の運転」のときにも!!
あるいは「動物との対話」のときにも!!
たとえばそういうときに、呼吸は甚大に影響している。
想像よりもはるかに甚大に影響している。
だから呼吸は実に大事なのである。
だが難しく考える必要は無い。
「静!深!大!」である。
日頃からそれを意識していると、だんだん自然にそうなってくる。
自分の呼吸が乱れていれば、自分で気づくようになっていく。
そしてときには相手の呼吸を観察してみるといい。
その人の呼吸と精神状態が直結していることが、
それがありありと分かるはずである。
たとえば浅くて「せわしない」呼吸の人は、
おそらく「会話」もそういう会話のはずである。
そういう呼吸の人は、
おそらく「運転」もそういう運転のはずである。
よく「腹式呼吸」と言うが、
精神が落ち着いているときには、
自然に腹式呼吸になっているはずだ。
それは別に特別な呼吸では無いのである。
精神が落ち着いていれば、そうなるはずなのだ。
もちろん大きく酸素を入れる場合には、
腹式胸式同時呼吸となっているはずである。
そこら辺をあんまり考えすぎると不自然になるだろうから、
意識するのは「ほどほど」にしておいた方がいいと思う。
あまりに意識し過ぎると、本末転倒になってしまうだろう。
あるいは「まず深く吐ききってから・・」と言う人も多いようだが、
吸えば吐くことになるのだから、順番はどちらでもいいだろう。
なにより肝心なのは「静!深!大!」だと思うのである。
ところでわざわざ「鼻から!」と指南する人もいるようだが、
それは「口から」の呼吸の人も多いということなのか??
なにかの支障が無い場合には、自然に「鼻から」だと思うのだが。
もし意識が弛緩していれば「口から」になるかも知れないが。
もし意識が乱調気味だと「口から」になるかも知れないが。
もちろんこれは事情を抱えた場合を除いた話であるが。
呼吸とは身体呼吸のことだけでは無い。
たとえば「間合い」とか「タイミング」とか、
そういう精神呼吸を含んだものを呼吸という。
身体呼吸と精神呼吸は一体となっているのである。
だから身体呼吸を振り返ると同時に、
精神呼吸も振り返ってみるといいだろう。
これらは普段の日常に於けるすべてに、
甚大な影響を及ぼしているのである。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2012:07:13 ≫