<< 雪山道 02 >>

昨夜も雪の山道は難関だった。
雪に雪が重なった深い雪道だ。
これまでスコップ除雪で拓いてきたが、
なにしろ人力では限度がある。
だんだん雪は深くなっていくのである。
当然ながら何度もスタック(立往生)しそうになった。
スタックすれば何倍もの時間と労力が掛かるから、
スタックの寸前でスコップ除雪する。
そしてまたスタック境界線を判断しながら進む。
この写真の先は登り坂だから、さらに難関だ。
昨夜は、その手前で写真を撮ってみたのだ。
愛機(山岳四駆車)と一体となって挑む。
登坂の手前で「頼むぞ!」と心で声を掛ける。
昨夜も登坂の途中でスタック寸前になった。
バックで登坂手前まで戻り、危険箇所を除雪する。
そして三度目のチャレンジで登坂走破した。
愛機は昨夜も頑張ってくれたのだ。
その心強い相棒に、深く感謝した。
ところで深雪道では四駆の四輪に「鉄チェーン」を巻こうが、
無理な時は無理だから、除雪しかないのである。
車の腹が圧雪された氷雪床を抱えれば無理なのだ。
肝心なのはタイヤの外径であり、パワーも必要だ。
そして微妙なアクセルワークと走行ラインの見極めが重大だ。
強引に行くべき時と、それ以上は禁物の時があるが、
そのタイミングの判断も、なかなか難しいものだ。
タイヤを空転させると、そこは「氷板」になってしまうので、
そうなればスタックとなるので、空転は絶対禁物である。
その手前で前後に揺らして脱出のタイミングを計る。
山道は前後方向だけでなく、横方向の傾斜も大きいから、
四駆車であろうと横に谷側に引っ張られて落ちていく。
だからそれを見越してハンドリングしないと脱出不能となる。
とにかくここの生活は、毎日が「クロスカントリー」である。
これから春に向かえば雪が緩んでくるが、
そうなるともっと厄介になる。
車重で「轍:わだち」が陥没していくのだ。
それはつまり車の腹が氷雪床を抱え込むということだ。
雪融けはまだまだ先の話だが、
その時期は最も厄介な事態となるのである。
そして地面深くは凍結したままだから、
雪融け水は下に浸透しないで水溜りとなる。
犬舎周辺の対策作業も結構大変である。
地中凍結が融けるまでは、春とは呼べないのだ。
例年だと、それは五月に入ってからの話になる。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2012:03:01 ≫