<< 北 極 狼 犬 >>
 
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この写真は、45年くらい昔に見た。
まだ小学生だったが、
このエスキモー犬の風貌に衝撃を受けた。
この風貌から伝わる不撓不屈の野性の誇りに、
小学生の私は、とてつもなく感動したのである。
そして今に至るまで、この風貌を忘れたことがない。
この風貌こそが、私にとっての野性の記念碑である。
 
写真だと他の北方犬種と同じように見えるかも知れないが、
実際に眼前にすると北極犬は全く独特の雰囲気である。
口吻はスマートに見えるが、実質的には太い。
北極犬の身体のリアルな感触を知っているから、
その実質が、ありありと分かる。
そして全身の構成の比類なき見事さ。
やや胴長に見えるが、これは狼の特徴である。
尾は上げているが、躍動時には巻きを解く。
普段に尾を上げている理由があるのだが、
それを説明すると長くなるので今回は省略する。
この個体が尾を解いた時の姿は、ほぼ狼と同様だろう。
胸幅が狼よりも広いようだが、
それは北極ソリ犬としての特徴である。
彼らは「大型の重い橇」を曳き続けてきたのである。
それを曳いて、日に100km近くを走るのである。
口吻の長さは、狼よりも僅かに少しだけ短いようだ。
狼のアゴと牙は凄いが、北極エスキモー犬も、
「完全凍結した石のような凍肉」を瞬く間に咬み砕くから、
たとえ匹敵せずとも、狼に迫る咬力と牙を持っていると言える。
この写真の個体の口吻にも、その力を強く感じる。
そして耳も眼窩も、狼そのものと呼んでもいいほどである。
そしてなにより、全体の雰囲気が、もはや狼である。
これこそが、「北極狼犬」の気配である。
しかし現地でも、もはやこういう個体は極めて稀だろう。
この何十年で、事態が急激に変わったのである。
 
下の写真は現地出生の北極犬である。
その全身はまさに「これぞ北極ソリ犬!」である。
まさに「POLARDOG POWER!」である。
そしてその野性の被毛も、実に見事に素晴らしい。
北極犬の体格は雄で「35kg~55kg」くらいだが、
北極現地では60kgの個体もいたらしい。
 
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■南無華厳 狼山道院■
≪ 2011:12:13 ≫