<< 子 犬 の 心 >>

新たな飼主の元に行く、子犬の心。
だいたい、生後二ヶ月頃が多いだろうか。
生後二ヶ月といえば、人間なら二歳ぐらいか?
とにかく、幼い幼い子どもである。
幼い子どもが、母と別れる。
どれほどの悲しみか。
どれほどの寂しさか。
どれほどの不安か。
これはほんとうに・・・どれほどの哀しみか。
しかし子犬たちは、健気に気丈に頑張る。
母への慕情で胸が張り裂けそうなのに、
毎晩毎晩、母の夢に涙しているのに、
それでも子犬は懸命に心を踏ん張る。
「生きていくんだ!」と胸に刻み、
時にはその幼い身体で自分を護ろうとし、
時には新しい飼主に何とか馴染もうと頑張る。
幼い心で精一杯に、生きようと頑張る。
私は子犬を家族に迎えた時、
一連の世話を終えた後で、一緒に寝る。
子犬は胸の上で眠る。
あるいは顔の上で眠る。
そうすると子犬の心が、ありありと伝わってくる。
母との別れがどんなに悲しいか、ありありと分かる。
子犬の悲しみを癒すには、私が本物の親になるしかない。
大きな愛で本物の親になることが、私の使命である。
過酷な生い立ちの子犬もいた。
ダンボールの中に捨てられていた子犬もいた。
生後四十日くらいの姉妹だった。
その子たちも、我が家族となった。
元気満満に育ってくれた。
その子たちは私のことを、父だと思っている。
私は何とか、使命を果たせたようである。
保護して家族に迎えた犬が出産したこともある。
上の写真は確か生後二ヶ月くらいの時である。
みんなみんな、かけがえのない我が子である。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2011:08:09 ≫