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命たちは、それぞれに大自然である。
一頭の命に、大自然が宿り、大自然が映っている。
一頭一頭の命が、大自然そのものである。
命たちのドラマが、大自然を支えてきた。
それぞれの命が、それぞれの生涯が、
そこに隠されたそれぞれのドラマが、
大自然を成立させてきたのである。
人間は大自然の恩恵を受け続けてきたが、
それ無しでは生きてはこれなかったが、
その大自然を支えてきたのは、
人知れぬ野性の命たちである。
生まれてから死ぬまで、
一瞬一瞬を全身全霊で生きた野性たちが、
その一頭一頭の渾身のドラマが、
大自然の調和を成し遂げてきたのである。
人間は大自然を「数のバランス」で見るが、
数のバランスで調和されていると考えるが、
それは表面に現れた表層領域に過ぎない。
その奥の、そのまた奥に隠された、
大自然のスピリットの領域を、
そろそろ知るべきであると思う。
奥の奥に隠された、大自然の心の世界に、
それに気付くか気付かないかで、
人間の未来は大きく変わるはずである。
英国BBCが制作した「ライフ」という映画が、
この九月に日本公開されるらしい。
YOUTUBEで短い予告編を観たが、凄い映像だった。
本編がどうなのかは知らないが、期待したい。
撮影技術の進化もさることながら、
撮影センスや編集センスの進化に驚く。
なにせ「命のドラマ」なのだから、
果てしなく「感性の勝負」だと思うのだ。
特にヨーロッパの動物映像界は、
その感性が進化してきたと感じる。
ただの「観察」を超えてきたように感じる。
この映画の「ONE LIFE」という題名に、それを感じるのである。
果たして日本は、どうだろうか。
観察を超えた領域を目指す意志は、あるだろうか。
■南無華厳 狼山道院■
≪ 2011:08:08 ≫