**<<小鳥の合唱>>**
だいたい午前4時に起きる。
犬たちと散歩をするために。
その散歩の前に、
森の小鳥たちの歌を聴く。
小鳥たちの歌は凄い。
よく聴いてみれば、つくづく凄い。
なんという種類の鳥かは知らない。
何種類もの鳥が合唱しているようである。
とにかくその旋律が変幻自在である。
その深く複雑な変幻自在さに驚嘆する。
合唱の際の、それぞれの小鳥の、
それぞれのレスポンスが驚異である。
なにしろ瞬間に即興で反応して合唱する。
その反応の変幻自在は信じられないくらいに凄い。
森ではいろんな鳥の歌を聴く。
その歌を聴くたびに思う。
彼らは、歌いたいのだろう。
それが彼らの命の表現なのだろう。
厳しい毎日の中でも、彼らは歌を忘れない。
彼らは歌で、森のみんなを励ましてくれる。
山の命たちは、
小鳥たちの歌に癒され、励まされている。
小鳥の、最後の歌を、
聴いたことがある。
多分あれは、最後の歌だったと思う。
それはいつも聴く歌とは違った。
胸に迫る哀調を感じたのだ。
死が近づいた小鳥が、
今生の最後の歌を、
残る力の全てで歌ったのだろう。
小鳥の最期・・・森の歌姫の最期・・・
瞑目し、ただ一心に祈りを捧げた。


≪南無華厳 狼山道院≫
::2011:06:21::