***≪別世界≫***
 
私は時どき思う。
人間は動物と、棲み分けた方がいいと。
動物とも大自然とも分かれて、
人間だけの世界にいた方がいいと。
映画に出てくる未来都市のような、
そのような世界にいた方が、
人間も動物も双方が幸せになれると。
 
そうすれば、
動物を弄ぶこともない。
動物を虐めることもない。
動物を殺すこともない。
人間は自らの魂を傷つけなくて済む。
自らの魂を傷つけずに、
そして霊性を高めていけるだろう。
 
人間が動物を飼うことは、
そもそも無理があったのだと感じる。
ちょっと見渡してみれば分かることだ。
そこら中に動物の悲劇が溢れている。
ちょっとやそっとの悲劇ではない。
他の命をこれほど不幸にすれば、
霊性が高まるどころでは無いだろう。
 
魂の成長こそが今生の命題である。
それこそが生まれてきた理由である。
生まれた以上、生きている以上、
魂の成長を目指さねばならない。
どんな時でも。いかなる場面でも。
そのためには、強欲は禁物である。
強欲が、魂の成長を阻むのである。
 
だから人間の強欲によって、
人間の身勝手な強欲によって、
動物たちを苦しめることは、
人間自らに魂の成長を阻むことになる。
そのことに、そろそろ気付くべきである。
もし人間が動物たちと、
上手に共生できるなら話は別だろうが、
現実には全く共生できないのである。
動物を苦しめ、そして己の魂を傷つけ、
そして大命題の「魂の成長」から遠ざかる。
「人間には自然が必要だ!!」と言うが、
人間に自然が必要ならば、
人間にも協調の努力が必要である。
他の命との協調の努力が必要である。
だが人間は、それを無視し続けてきた。
無視を続けてきたのに、
「自然が必要だ!!」は通らないだろう。
「動物が必要だ!!」は通らないだろう。
人間が動物や大自然の尊厳を疎かにする以上、
別の世界に棲むべきだと思うのだ。
そうしてそこで、魂を磨くことに専念すればいい。
そこで魂の成長を目指していけばいいと思うのだ。
 
≪南無華厳 狼山道院≫
::2011:03:28::