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<2010年10月11日>

写真は20年前。ブルマスティフと。

私は子どもの頃から、ブル系の犬が好きだった。

ブル系ということは、つまりマスティフ族だ。

子どもの頃から、狼とマスティフ族が大好きだったのだ。

今まで、いろんなマスティフ系と付き合ってきた。

E・マスティフ。ブル・マスティフ。E・ブルドッグ。グレートデン。

ピットブル。ブルテリア。ロットワイラー。バーナード。・・・・・・・

どの犬も可愛かった。可愛いとしか言いようがない。

他人には怖い犬たちかも知れないが、自分にはただ可愛かった。

※その後、保護した犬たちを家族に迎える人生となったので、

もはやどの犬種が好きとかを想うことなど微塵も無くなったが。

それでもたまには、「可愛かったな・・・」と想い出すのである。


今日はいつもと主旨を変えて、犬種について、記憶を頼りに書いてみる。

なにぶん記憶頼りなので、これはあくまでも私日記である。


はるか古代。「イノストランツェヴィ」という原始野生犬がいた。

原始野生犬の中で、最も重厚な骨格を持つ最大種だったという。

その大型野生犬が、北方ルートを進んで遂には「エスキモードッグ」となり、

西方ルートを進んで「マスティフ族」を生んでいったという。

ロシアの極大型オフチャルカは、大型エスキモードッグと似た雰囲気のようだ。

古代のチベッタンマスティフも、大型エスキモードッグに似た雰囲気だったようである。

<古代チベッタンは、現代種とは相当に異なる雰囲気だったようだ・・>

<非常に野性的な外貌であり、毛並みも荒荒しく、灰・灰褐色の犬も多かった・・>

元をただせば「イノストランツェヴィ」という共通の祖先となるのだから、

大型北極犬と古代マスティフ族の雰囲気が似ていても不思議では無いのである。

その祖先たちは、やがて人間とともに旅を続けるようになった。

そしてその土地土地で、固有の犬種となっていった。

その祖先から、実にさまざまな犬種が生まれていったのである。

北極犬の歴史も壮絶だが、マスティフ族の歴史も過酷だった。

両者ともに、闘いと忍耐の歴史だったのである。

マスティフ族は、「護衛犬・闘犬・戦闘犬」として大昔から名を馳せた。

その歴史は、まさに血塗られた歴史である。

北極犬もそうなのだが、よくぞマスティフ族が「純情」を失わずにきたものである。

両者ともに、それほどに過酷極まる歴史だったのだ。

※古代マスティフの獰猛性は、到底、現代種の比では無かったという。

彼らが「ローマ・コロッセウム」で猛獣や剣闘士と闘っていた頃、彼らの専任のハンドラーは、

彼らの獰猛性と、それと相反する主人への忠実さに、そのギャップに熱狂したという。

なお、その当時の彼らの身体は完全な「戦闘体型」であり、歯牙も「鋏状咬合」だったはずだ。

歯牙は鋏状の正常咬合でなければ、合理の威力を発揮できないのである。

正常咬合である以上、口吻の長さも必要となる。

強力な歯牙を健全に配列させるためには、口吻の容積が必要となる。

つまり古代戦闘マスティフの口吻は、太く長く厚かったはずである。

この「厚い」というのは、骨の厚みである。

口吻とアゴの骨が厚く頑丈でなければ、その負荷に耐えられないのである。

<たとえば「狼」の口吻は、実に太く厚く長いのである。イメージとは違うのである・・>

そのマスティフ族も、今では平和に暮らせるようになってきた。

だが一部は、アンダーグラウンドで未だに凄絶な生涯を送っている。

なにしろアンダーグラウンドだから、世間から隔絶されている。

人知れぬ異世界で、彼らは今日も酷烈無情の闘いを強いられているのである。

外からは見えなくとも、彼らの身体の内部の筋肉は、ズタズタに損傷しているだろう。

その苦痛は、人間には到底耐えられないだろう。

だが彼らは耐える。「マスティフ」の誇りに賭けて。


■南無華厳 狼山道院■