


「静中動 動中静」という言葉があります。
この言葉は、武道などでよく使われる言葉です。
元は華厳思想から生まれた言葉だと言われています。
■静止の深奥に、瞬時に瞬発できる「動」が待機している。
■動作の深奥に、揺るぎ無く「静」の核心が鎮座している。
私は「静中動 動中静」を、日常の上ではこのように解釈しています。
<「華厳」に於いては、また別の深い意味が隠されているのですが・・・>
要するに、ただの「静」では無いということです。
要するに、ただの「動」では無いということです。
これは武道のみならず、あらゆる場面で重要です。
あらゆる場面で重要ですが、極めて難しい境地です。
極めて難しい境地ですが、己のためにも、目指すべきと思います。
目指すだけでも、いろんな面で変わってきます。
日常の中でも、必ず役に立ち、自分を助けてくれます。
家庭でも仕事でもスポーツでも、その姿勢は必ず効力を発揮します。
野性たちは、これを天性の素質として身に秘めています。
途方も無い練磨の歴史の果てに、生来的な天性へと到達したのです。
彼らが連綿と、文字通りの「命懸け」で修練してきた境地なのです。
だからその境地の片鱗を見る時、心の底から感動を覚えます。
もちろん「狼」も、その奥義を体得しています。
狼特有の独特な表現で、その境地の片鱗を垣間見せてくれます。
今は亡き狼の太郎も、それを見せてくれました。
私はただただ「美しい・・・」と感服し、感無量の毎日でした。
そしてこの「静中動 動中静」の心構えは、
犬と暮らす上でも、非常に重大な事柄です。
彼らと一緒の時は、常にこの心構えが必要です。
彼らの本能や習性は人間とは異なりますから、
その反射能力や挙動スピードは人間のレベルとは異なりますから、
だから何時でも対応できるように心構えする必要があります。
※犬と暮らす上での肝心な事柄を、極めて簡潔に挙げてみます。
■「静中動 動中静」
■「間合い」
■「呼吸」
■「時機:タイミング」
■「程度・加減」
■「精神個性洞察」
■「身体個性洞察」
■「反応個性洞察」
■「親心・導心・慈悲心」
※上記の内容は、過去記事に散りばめて書いてきました。
写真「狼:太郎」※真中の顔写真は生後一歳の頃。<1988>
太郎は、立ち上がると190cmを超えるほどの大型でした。
■南無華厳 狼山道院■