<2010年8月15日>

ほとんどの犬は、暑さに弱い。

特に湿気を伴う暑さには要注意だ。

周知だとは思うが、しかし「想像以上に要注意」だと知ってもらいたい。

湿度の高い熱暑が、犬にとっていかに苦しいか・・・・・

人間ならば一日中サウナ風呂に閉じ込められているようなものだろう・・・・・


「寒気」ならば、犬としたらまだ対応の可能性がある。

身体がだんだん「冬モード」に移行して耐寒仕様に変わっていく。

だがそれが高温多湿だと、たとえ換毛しようが対応に限界がある。

その限界レベルが、へたをすれば一日中続くのである。

特に北方犬や山岳犬や短吻犬にとっては耐え難い環境だろう。

「ブルドッグ」など、身体構造自体に支障があるのだから地獄だろう。

「犬の苦しみ」など、見ていれば容易に分かるはずだが、

それでも「死亡事故」が起こるのは何故なのか???

飼主は油断していたのか??

それとも完全な怠慢か?? 確信犯なのか??

犬たちが暑さに喘ぐ姿を見るのは耐えられない。

炎天下に晒され、そこに「水」さえ無い場合もある。

いったい、この状況はなんなのか?? 飼主はなんで平気なのか??

※昔はそのような状況の飼犬を発見したら、その家に嘆願に出向いた。

たとえ警察を呼ばれようが、そんなことはどうでもよかった。

なにしろそこには苦しみに喘ぐ犬がいるのだから、誰を呼ばれようが構わない。

だがこちらの嘆願心に他意が無いことが分かると、飼主は改善を承諾してくれた。

その後も通りがかりに視察を実行したが、迷惑だったろうが、文句は言われなかった。

今の時代なら保健所に通報するのだろうが、

だが行政が関与できる範囲は非常に限られているだろうから改善は困難だろう・・・・・


昔昔、まだ平地に住んでいた頃、夏は本当に困った。

家族の北極エスキモー犬が、平地の暑さに耐え難かったからだ。

運動は朝の4時頃に行き、6畳くらいの犬舎の全面に「よしず」を張り、

時には氷と水と扇風機で辺りを冷やしたりしたが、それでも暑がった。

まさかエスキモー犬が、そこまで「北極動物」だとは知らなかった。

シベリアンやピレニーズが暑がるのとも違う次元の、重大問題だった。

エスキモー犬は、数千年かけて「北極犬としての究極の進化を果たした犬」だったのだ。

私はそれを、その時初めて痛烈に思い知ったのだった。

それは「暑さへの順応」とかいう、そんなレベルの問題では無かったのである。

だが当時、専門家でさえも、それを教えてくれる人は皆無だった。

あるいはどんな本にも、そこまでのことは書かれていなかった。

一緒に暮らしてみて、それで初めて知ったのである。

私は彼が暑さと湿気に喘ぐ姿を見るのが耐えられなかった。

私が標高1300mの高原に移住したのは、それが一番の理由だった。

だが、ここの零下20度の冬でも、

たとえば彼を車に乗せて出かける時は、ヒーターを止めて窓を開けて運転した。

すでに「冬モード」に入った彼に対しては、ヒーターなど言語道断だったのである。

いや、エスキモー犬だけではない。

柴犬レベルの被毛を備えている犬だったらみんな、誰もが同様の状況だったのである。

普通にダブルコートを備えている犬ならば、相当に耐寒モードに移れるのである。

※ただし、一般的な犬種が酷寒地での耐寒仕様に移るには「栄養・カロリー」が非常に必要だ。


平地に於いては、この「高温多湿」と「フィラリア感染」が最も危険だ。

フィラリア感染は予防薬で対処できるので、やはりこの高温多湿が問題になる。

それと「アスファルト路面」の高熱が大敵だ。

夏にアスファルト路面を「裸足」で歩いてみれば一発で分かるが、とにかく熱い。

なにしろ犬は「裸足」なのだ。

そして犬の身体は地面のすぐ真近にある。

その熱さといったら、尋常ではないだろう。

だからアスファルト路面での散歩をするなら、とにかく早朝に済ませる他は無い。

犬たちは我慢強いから弱音を吐かないし文句も言わないが、

飼主には犬の忍耐の実態を知って欲しいと願う。


■南無華厳 狼山道院■