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<2010年6月8日>

≪・・これは合成写真ではありません・・≫


花を、学術で説明することは、もちろんできるだろう。

花が咲く意味とか、花の役割とか、もちろん説明できるだろう。

なぜそんな色になるのかも、なぜそんな形になるのかも。

なぜそんなに美しいのかも、なぜそんなに芳しいのかも、説明できるだろう。


この世が、「システム」だとする。

これが「調和のシステム」だとする。

地球をひとつの生命体と捉えて、

その生命の存続のためにシステムが機能していると捉えて、

たとえば花が地球存続のシステムの中のファクターだとして、

だが花は、ただシステムの中の機能として咲いているだけなのか??

だが花は、ただ「存続」のためだけに美しく芳しく咲いているのか??

そもそも「存続」とは、いったい何なのか??

そもそも地球生命存続は、この大宇宙でどんな意味を持っているのか??

「存続」だけを視座としたら、何もかもが不明で終わると思う。

存続を支えるものが、いったい何を黙示しているのかが重大だと思う。

存続を支える根源は、いったいそこにどのような目的を秘めているのだろうか。


動物たちは、花が好きだ。

花の美しさというよりも、花の芳しさというよりも、

花の持つ気配が好きなんだと思う。

花はきっと、穏やかで優しい気配を漂わせているのだろう。

花の気配を感知するという感性に於いては、

人間よりも動物たちの方が鋭いのかも知れない。

昔、家族の愛狼が、花を愛でている光景を見た。

ずっとずっと、長い長い時間、狼は花を見つめていた。

狼が、やさしくやさしく、花を見つめていたのだった。

花の役割は確かにいろいろあるようだが、

だが大自然に生きる者たちに癒しを与えることも重大な使命なのだろう。

花はつまり、大自然のセラピストなのか・・・・


一輪の花。

その花の存在。

その花の存在の意味。

その意味を、何者かが知っている。


一輪の花に地球が宿る。

ひっそりと咲く花に、地球の願いが宿っている。

野に咲く花が、花の魂が、無言で何かを語っている。


■南無華厳 狼山道院■