イメージ 1

<2010年6月5日>

私にとって冥福を祈るとは、

その命の伝言を聴くということだ。

その命が、今生で何を伝えたかったのか・・・

それを聴き、我が胸に刻むということだ。


命が今生の幕を閉じて他界すれば、とても悲しい。

悲しいという言葉では表現できないくらいに悲しい。

だが悲しんでいるばかりでは、祈りにはならない。

その命が伝えてくれた「命の言葉」を、胸に深く刻む。

それが己の最大の祈りだと信じ、そうやって祈ってきた。


命たちは必ず、何かを伝えて旅立っていく。

命たちが旅立つとき、必ず何かを教えてくれる。

それを、聴く。

全霊で、聴く。

今生での、最期・・・

最期のときの最後の言葉を、厳かに聴く。

それが命に対する礼であると信じてきた。

それが看取るということだと信じてきた。


命たちの渾身の伝言が、この胸に刻まれている。

どんなに歳月が流れても、いつも鮮やかに潜んでいる。

なにしろ、その命が、その命のすべてで、教えてくれたのだ。

なんで忘れることなどできようか・・・・・


命たちの伝言を胸に刻み、彼らの新たな旅にエールを送る。

その新たな旅も、きっといろんなことが起こるだろう。

彼らの大いなる学びの旅を想い、ただ一心に祈り続ける。


■南無華厳 狼山道院■