<2009年10月24日>

数日前に作家の五木寛之氏の著書を読みました。

昨年11月に刊行された「人間の覚悟」という本です。

少し紹介させて戴きます。


■ヨーロッパやアメリカ流の自然保護というのは、

これ以上空気や水を汚して森を破壊すると最も大事な人間の生活がもたない、

人間を守るために自然を濫費しないようにしようという考え方が根源になっています。

しかし、それではもうだめなのではないでしょうか。

そうではなくて、

草木の一本、一石、一草にも虫にも動物にも心があり、魂があり、仏性がある、

森にも山にも命があると考える日本人の伝統的心性こそ、

環境について考える上で根本的大転換をもたらす新しい思想として

現代に大きな価値を持つのです。

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GDPが世界で何番目だと誇るのではなく、

日本人が大事にしてきた精神世界の恩恵とそれが持つ可能性を、

あらためて国内にも世界にもメッセージすればいい。


※上記が五木寛之氏の言葉です。


※私は「アニミズム」が真に共生意識であるかは知りません。

それが「畏れ」からくる儀式的思想にとどまるならば、若干寂しい気もします。

しかし、大自然に対して傍若無人に振舞う思想と較べれば遥かに共生的だと思います。

もし本心で異種の命に心を感じられるならば、本心で魂を感じられるならば、

その人の行動様式はそれに導かれたものとなっていきます。

行動を生み出す源泉は「本心」です。

湧き起こる本当の本心が、結局は行動を決定していくはずです。

■南無華厳 狼山道院■