<2009年6月1日>

8年前、深い事情があり、

2ヶ月間に渡り、動物管理センターへと通った。

毎日、通い続けた。

車で片道2時間かかった。

仕事を終えて夜に出発した。

そこは山の中にあった。

夜にはそこは、全くの無人だった。

そして私は、山の夜の闇の中で、祈りを捧げた。


そこは、動物たちの命が絶たれる場所だった。

昼間に運び込まれて、そして死んでいく。

そうやってこれまで、無数の命が散っていった。


不思議なことが一杯あった。

当然だろう。

そこは、命が絶たれる場所なのだ。


線香を焚き、一心に祈る。

地面に坐り、黙祷を捧げる。

すると、いろんな姿が見えてくる。

耳の垂れた子がいる。

耳の立った子がいる。

毛の長い子がいる。

毛の短い子がいる。

ふと目を開ければ、蒼い闇の中に、たくさんの光が見える。

小さな光、大きな光・・・

いろんな色の、いろんなシルエットの、さまざまな光が現われる。

声が聞こえることもあった。

辺りには何も無い山の中の施設なのに・・・・


その子たち・・・・

生まれてから死ぬまで、

楽しいひと時はあっただろうか・・・・

幸せの瞬間はあっただろうか・・・・

捨てるような飼主に飼われたのだ。

楽しい日々があったとは考えられない。

ただただ、忍耐の毎日だっただろう。

短い鎖につながれて、ひとりで空を眺めていたのかい・・・・

家の中の家族の団欒の声を聞きながら、

毎晩毎晩、ひとりで夜空を眺めていたのかい・・・・

辛かっただろう・・・悲しかっただろう・・・

だけど、頑張ったんだね・・・・

最後の最後まで、頑張ったんだね・・・・

最初で最後の、幸せの一瞬は、

お母さんの胸の中で、おっぱいを飲んでいる時だったね・・・・

お母さんに、やさしくやさしく舐めてもらっている時だったね・・・・

仲良しの兄妹たちと遊んでいる時だったね・・・・

そのほんの短いひとときが、君の想い出のすべてだったね・・・・


切なさが込み上げて、真夜中の山で慟哭した。

この子たちのすべてに、

せめて、この想いを捧げたい。

一瞬でもいい、この子たちに愛を感じてもらいたい。

その一念で、ただただ祈った。


そんなに簡単に、捨てないでください・・・・

なぜそんな理由で、捨てるのですか・・・・

あの子たちが、そんなに悪いことをしたのですか・・・・

ちょっと元気があり過ぎただけではないのですか・・・・

愛情表現がパワフル過ぎただけではないのですか・・・・

飽きたからですか・・・引越しだからですか・・・

恋人ができたからですか・・・結婚するからですか・・・

子供ができたからですか・・・仕事が忙しくなったからですか・・・

あれほどに、あなたのことを愛していたのに・・・・

あの子たちは心から、あなたを信じていたのに・・・・

なのに、あなたは裏切った。

あなたは平気で裏切って、そしてあの子たちの命を奪った。


南無華厳・・・

私はあの子たちのために祈る。

世界中のあの子たちのために祈る。

■南無華厳 狼山道院■