<2009年5月25日>

「蓮・ren」は、今年で13歳になる。

まだまだ元気満々だが、さすがに顔が少し老けた。

彼は短毛のMixdogで、

25kg位のガッシリした中型犬だ。

13年前に、ある愛護活動家から引き取った。

そのときその活動家は、蓮の元気に手を焼いていた。

まだ3ヶ月位の子犬だったが、

あまりに元気満々で、手に負えなかったようだ。

だが、蓮には悲しい生い立ちがあった。

野良犬の子どもの蓮は、

兄弟を車に轢かれ、

その死んだ兄弟に寄り添ったままに決して離れず、

激しく車の行き交う車道で、兄弟の亡骸を守り抜いていたと言う・・・・

けなげな蓮の兄弟愛に、胸が切なくなった。


その愛護活動家は、疲れていた。

その施設は住宅街の中にあり、周りに民家が密集していた。

その環境では、あまりに保護活動に不適だった。

「これでは、無理だろう・・・・」と思った。

いずれ限界が訪れるのは目に見えていた。

なんとか応援したかったが、

この私自身も崖の淵に立つ限界状態だった。

しかし、この蓮を、このままここに置いておく訳にはいかない。

どんどん力強くなり、ますます手に余るようになる。

私は一瞬考えたのちに、蓮を引き取ることを決意した。


ところでその日、その愛護家に付いて里親の家を訪問した。

その里親は、「犬が懐かないので返したい・・」という意向だった。

あとで愛護家に聞いてみると、その里親は「番犬として飼う」のだと言う。

まだ里親になって何日も経っていないと言う。

私は大きな虚しさを感じた。

なんなんだ、この世界は・・・・・

いろんな里親がいると思うが・・・・・

祈らずにはおれなかった。

犬たちの運命を、祈らずにはおれなかった。


その夜、蓮を連れて山に帰った。

その日から、蓮は終生の家族となった。

「蓮」という名は、その日に名付けた。

彼に、何かとても大きな愛を感じたから、その名が浮かんだ。

実際、彼は菩薩のような慈悲に溢れている。

彼は子犬がとても好きで、愛情深く面倒を看てくれた。

保護した子犬たちが物凄い勢いでアタックしても、優しく優しく相手をする。

食事の最中、子犬たちが蓮の食器に顔を突っ込んでも何も言わずに明け渡す。

そして子犬たちを、命懸けで守ろうとする。

子犬たちも蓮が大好きで、そしてやがて、蓮に敬意を払う。

子犬たちは、蓮の真心を知るのだ。


その蓮も非常な高齢となった。

月日の経つのは、まことに速いものだ。

しかし蓮を家族に迎えたあの日は、今でも鮮やかに蘇る。

まるで土佐犬の子どものように、しわくちゃな顔だった。

抱くと岩の塊のように、ズッシリと重かった。

いろんなことが、あった。

そして蓮もまた、大きな試練を乗り越えてきた。

よくぞ頑張ってくれた、蓮!!

これからもずっと一緒だ、蓮!!

大きな愛を、ありがとう、蓮!!!

■南無華厳 狼山道院■