<2009年5月8日>

花知鳥知花・・・

花は鳥を知っている。鳥は花を知っている。・・・・

これは禅の言葉。

そしてこれは華厳世界。


花知鳥知花

鳥知鹿知鳥

鹿知狼知鹿

狼知山知狼

花は鳥を知っている。鳥は花を知っている。

鳥は鹿を知っている。鹿は鳥を知っている。

鹿は狼を知っている。狼は鹿を知っている。

狼は山を知っている。山は狼を知っている。

山の命たちは、たがいの懸命の境涯を、知っている。


夜の森。

フクロウが歌っている。

「ホッホウ・・ホッホウ・・・」

蒼い闇に、フクロウの声が響き渡る。

犬たちは、みんなが耳を澄ませている。

その素晴らしいバリトンを、じっと静かに聴いている。

その声がだんだん近づき、我々の頭上に来る。

なぜ我々の元に来てくれるのか・・・・

いつもそれを想う・・・・

我々は、フクロウからの贈り物、その至高の美声を、心に刻む。


山は人間を知っている。

山の命たちは人間のことを知っている。

だが人間は、山のことを知らない。

だが人間は、山の命たちのことを、知ろうともしない。

■南無華厳 狼山道院■