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<2008年5月21日>

夜の山に佇む。

この山の夜は急激に冷える。

深夜は今だに零下の気温となる。

地面に坐って瞑目する。

今年はまだ熊が訪れない。

山に食糧が豊富なことを祈る。

熊、カモシカ、キツネたち。

みんなが充分に食べていることを願う。


犬たちのことを想う。

捨て犬たちのことを想う。

みんなに里親が見つかることを祈る。

最後まで愛してくれる飼主に巡り会うことを祈る。


犬の里親を探すことは至難だ。

子犬ならまだしも、成犬となれば躊躇する人が多い。

あの「ひまわりの歌」のひまわり母子でさえ、

ついに里親が見つからず、職員さんが里親となった。

インターネットを駆使してさえ探せずに、

期限の最後に、愛に溢れた義侠の職員さんが名乗り出たのだ。


ペットショップは犬を買い求める人で賑わうのに、

何故に保健所で死を待つ犬を家族に迎えてくれないのか。

「どんな犬か分からないから・・・」「飼うのが難しい犬だったら困るから・・・」

「雑種じゃあ、嫌だ・・・」「育てた犬じゃないから親近感が湧かない・・・」

おそらく、このような理由で保健所の犬たちは敬遠されるのだろう。


確かに、いろんな性格の犬がいる。個性は実にさまざまだ。

人見知りの犬もいる。懐きにくい犬もいる。腕白な犬もいる。力の強い犬もいる。

だが、だからといって、このままでは済まされない。 彼らは、命なのだ・・・・・

だから、本当は犬のスペシャリストが、懇切丁寧にアドバイスとケアをするべきなのだ。

そうすれば、もっと多くの人が安心して里親の名乗りを挙げられるだろう。

そして肝心は、里親が引き取った後のフォローだ。

実際、里親の元から返される犬も非常に多いのだ。

せっかく里子に行っても、そのまま幸せに暮らせる確率は非常に低いのだ。

確かにいろんな事情が里親側に発生するのだろうが、犬は悲劇だ。

その悲劇を極力無くすために、入念なフォローが絶対に不可欠なのだ。

そういう「フォロー・ネットワーク」の態勢を作ってもらいたい。

私も全力でフォローに当たりたいが、何せ大家族と山に棲んでいる。

しかし「通信フォロー」はできるので、でき得る限りに応えたい。


里親が見つからなければ、殺処分となる。

それを避けるためには、誰かが保護するしかない。

しかし誰かが保護していけば、やがてその誰かに限界が来て破綻する。

その誰かだって、保護犬を増やしたくて増やす訳ではない。当たり前の話だ。

世間は「避妊!去勢!」と簡単に言うが、それには金が掛かるのだ。

そして理解ある協力的な獣医など滅多にいないし、簡単には探せないのだ。

寄付を募るにしても、大手の愛護団体なら可能だが、一個人では不可能に等しい。

保護犬の世話に忙殺され、仕事もままならなくなり、生計は極度に逼迫し、

周囲からの批難の集中砲火を浴び、肉体も精神も徹底的に追い詰められる。

現実に里親を募っても反応が極めて少ないから、その誰かが十字架を背負うのだ。

そして運良く里親が見つかっても、返される犬も多い。

ささいな理由で返されるケースが多いのだ。里子を簡単に見限るのだ。

誰かが自らを犠牲にして犬を救おうとしても、世間の協力は余りにも少ない。

協力しないどころか、その誰かを攻撃する。それが現実だ。

覚悟を持って里親の名乗りを挙げる人は実に稀少だ。

多少の困難が生じても犬を飼い切る覚悟の人は少ない。

結局、保健所はいつも処分犬で満杯だ。一向に減らない。

それなのに世間は、保護に挑んで力尽きた人間だけを責める。

矛盾している。理不尽だ。弱者へのリンチだ。

これでは、原因とプロセスを無視した結果絶対主義だ。

やむなく保護に挑んだ人間の真意を無視して、いつも結末だけをクローズアップするのだ。

この理不尽な風潮を生む精神構造は、ペット虐待・飼育放棄にも直結している。

無力な保護活動家への批難攻撃と、ペットへの冷酷な無責任は、同根から生じるのだ。

WEBで愛護を呼びかける人も大変だが、

実際に多数の保護犬を抱える人は、いつも断崖絶壁の上に立っている。


里親の覚悟をもつ人に、敬意を表します。

動物世界から、深く深く感謝いたします。

もし犬を受け入れる際に「分からないこと・知りたいこと」がありましたら、

ゲストブックにいつでも御相談ください。遠慮なく気軽に御質問ください。

知る限りに、全力で応えます。※もし返信が遅れましたら御容赦ください。


■「ひまわりの歌」は胸を打つ感動のドラマです。偉大な愛の物語です。

■人権考察家が「動物の場合には里親・里子という言葉を使用するな!」と批難しています。

「動物にその言葉を使ったら、人間の里親制度に対して失礼だ!」という理由だそうです。

このような意見は多いと感じます。これに対しては「no164」を御覧ください。

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