



この瞬間も、世界中に、苦しむ動物がいる。
並大抵の苦しみではない。
誰も耐えられない、地獄の苦しみだ。
人間のために尽くしてくれた動物たちが、
人間の手で地獄の拷問にかけられる。
理不尽の極みだ。
どこを探しても、こんな理不尽は存在しない。
今の私には、どうすることもできない。
その苦しみを、その悲しみを、その絶望を、
彼らの涙を、彼らの悲鳴を、彼らの哀願を知りながら、
私にはどうすることもできない。
だから祈る。
だからせめて、一心に祈る。
華厳とともに祈る。
華厳大悲の力の祈りを、地の果てまで届かせる。
この心のすべてで、この世の果てまで届けと、渾身の祈りを捧げる。
南無華厳。南無華厳真法界。南無華厳大悲界。
摩訶華厳。摩訶華厳大悲力。摩訶華厳玄導冥加。
一念永劫華厳空。一念無辺大悲空。一念無限菩薩道。
大悲界よ、どうかあの子たちを偉大な愛で迎えたまえ。
大悲界よ、どうかあの子たちを偉大な愛で包みたまえ。
あの子たちを偉大な愛の光で抱き締めてください!!
あの子たちを偉大な愛の涙で癒してあげてください!!
菩薩も泣いている。
あの子たちの悲しみに、泣いている。
菩薩は、あの子たちと一緒に、あの子たちと一体になって、
その痛みのすべてを、その苦しみのすべてを、分かち合っている。
どれほどの痛みか!!どれほどの苦しみか!!菩薩は同体となって思い知る。
この理不尽の地獄を、この極限の苦痛を、
偉大な調和から逸脱した無法の実態を、
偉大な摂理を無視した無法者の無情を、菩薩は我が身で思い知るのだ。
だからこそ、菩薩の祈りは無限の祈りとなる。
だからこそ、菩薩の祈りは大悲界まで突き抜ける。
狼の山に雨が降る。
あの子たちと菩薩の涙が、雨となって山を濡らす。
レクイエムが聴こえる。
大悲界の荘厳なレクイエムが、森に響き渡る。
不思議なことに、
上の「狼の山の華厳」の絵が、濡れていた。
部屋の中にもかかわらず、一面に濡れていた。
**** WOLFTEMPLE ****