<2008年4月7日>

4月4日。「ハン」が他界しました。

みなさま。ハンを心配してくださり、本当に有難うございました。

心から感謝いたします***


ハンが、この世を去った。

別の世界に旅立ったのだ。

17歳の手前だった。大変な長寿だった。

彼は最後まで、この世で学び続けた。

私は彼の学びの姿を、この胸の奥底に刻んだ。


ハンは「攀」と書く。登攀の攀だ。

どんなに険しい崖でも渾身の力で攀じ登る彼に、ふさわしい名前だった。

私とハンは、立ちはだかる運命の壁に共に挑んだ。

乗り越えることが至難の壁を、命懸けで共に乗り越えた。

私はいつも彼の勇気に学び、彼の勇気に支えられた。


夜の森を歩く。

ハンと歩いた森を、ひとり歩く。

一万時間を超えて一緒に歩いた森の小道を、ひとり歩く。

蒼い闇の森に、レクイエムが聴こえる。

慟哭が、とまらない。

ハンが別の世界に旅立ったことを、それを知っているのに慟哭がとまらない。

頭上をずっと、小鳥の声がついてくる。

姿の見えない小鳥の声が、何かを私にささやいている。


ハン、お前はこの山のすべてを知っていた。

その知っていることを、この俺に教えてくれた。

俺ひとりではなんにも知らなかったことを、お前がいたから知ったのだ。

ハン、ありがとう!! お前のお陰でここまで来れた。

ハン!!心から、心の底から、ありがとう!!


ハン、お母さんと、逢えるね。

やさしいやさしいお母さんと、逢えるんだね。

お前はきっと子犬の頃に捨てられて、

愛しい愛しいお母さんと別れたんだね。

ハン、ずっと想っていたね、ずっと忘れなかったね、お母さんを。

光のお母さん、お前のこと、いつも見ていてくれたね。

その愛しいお母さんと、逢えるんだね。

オーランとも、ルウとも、みんなとも逢えるんだね。


ハン、別の世界で、また新しい勉強が待っているね。

もしかしてまた新たな試練が待ち受けているかも知れない。

でも、お前なら大丈夫だよ!!

お前は全身全霊で生きた。全身全霊で学んだ。だから、大丈夫だ!!

お父さんは、もう少しのあいだ、この世界で頑張るよ。

いつかまた逢えるその日まで、お父さんも全力で頑張るよ!!

ハン、お前のこと、祈っている。

ハン、お前のこと、この心のすべてで、祈っている。


ハン、お前への供養はただひとつ。

お父さんは、この野性対話道を果てなく突き進む。

そして全世界の動物たちのためにこの身を捧げていく。

それがお前の一番望むことだと、お父さんは知っている。

ハン!! お前との誓いを忘れない!!

**** WOLFTEMPLE ****