<2008年3月17日>

「忘恩者」とは恩義を忘れた者のことだ。

つまり人間のことだ。

人間は大自然から莫大な恩を受けてきた。

どれくらい莫大かと言えば、宇宙の無限に匹敵するくらいだ。

だが人間はその莫大な恩を恩とも思わず、大自然を裏切ってきた。


大自然とは、そこに生きる命たちの「献身」によって成立している。

命たちの献身が、献身の連鎖が、大自然の調和を支えてきたのだ。

命たちの全身全霊の生涯が、刻一刻と偉大な調和を成し遂げてきたのだ。


全ての命に役割がある。全ての命に使命がある。

命たちは使命を果たすために、渾身の力を捧げる。

最後の力の一滴まで使い果たして大自然の調和に献身する。

植物も昆虫も鳥もウサギも鹿も狼も、誰もが使命を背負い、使命を果たす。

人間に嫌われる「蚊」にだって、重大な任務がある。

彼らは血を吸うが、しかし彼らは他の命の貴重な食糧となる。

彼らがいなければ困り果てる生き物がいるのだ。

蚊がいなければ死活問題となる生き物がいるのだ。

こうして大自然界の誰もが献身している。

愚痴も不満もひと言も無く、偉大な調和の一員として身を捧げているのだ。

彼らはみんな、神秘と言えるほどの「絶妙な務め」を果たしている。

到底人間には真似の出来ない次元の仕事を果たしているのだ。

人間がどれほど科学を自慢しようがそのレベルは、

「無限に展開する大自然の深秘調和」とは比較の対象にならないほどに幼稚なのだ。


人間は大自然から一方的に奪い続けた。

「命たちの献身の結晶」の大自然から、一方的に搾取し続けた。

とことん奪うだけで、捧げることを拒絶してきたのだ。

調和への参加など、献身世界への参加など、一度たりとも考えなかったのだ。

人間には「献身」という発想が存在しなかったのだ。

奪うことと支配すること、いつもそれしか頭に無かったのだ。


人間は命たちから莫大な恩恵を受け続けた。

だが人間はひとかけらも感謝していない。

そればかりか、ひたすら優越意識を増長させた。

とことん、恩を仇で返した。

こんな生き物は他にはいない。

全宇宙を探しても、こんな恩知らずは見つからないだろう。

とてつもない恩を受けているのに、その相手を地獄に閉じ込め、拷問死させるのだ。

人間にはこれっぽっちも、動物たちを「畜生」などと言う資格は無い。

それどころか、彼らに対する恩義を思い知るべきだ。

もはや返せないほどの莫大な恩を受けた事実を思い知るべきだ。

**** WOLFTEMPLE ****