<2008年3月3日>

「心」は全てを生み出していく。

心が行動を生み、その行動の集積が現象を造り出していく。

人間たちの「本心」は、この世に具現化されている。

今の地球を見渡せば一目瞭然だ。

自然は傷つき、命は傷つき、戦争は止まず、反目が終わらない。

これらは人間の本心が求めた結果なのだ。

口先の美言や建前ではない「本心」が望んだ結果なのだ。

人間は「国が悪い!政府が悪い!」と叫ぶが、

その前に、自分の「本心」を覗いてみるべきだ。


人間は自然界を「物」と見てきた。

自然界を支配し、ひたすら利用し尽そうとしてきた。

大自然の調和に参加する気など微塵も無かった。

大自然への献身の覚悟など微塵も無かった。

人間は戦いが好きだった。征服が好きだった。略奪が好きだった。

優越意識が強烈だった。偏見が強烈だった。自己愛が強烈だった。欲望が強烈だった。

それらの本心が、見事に現実を造っていった。


心が全ての母体であり、全ては心次第だ。

それを歌ったのが「華厳唯心偈」だ。 私は「華厳心経」と呼んでいる。

この詩は大昔、アジア各地で「破地獄の偈」と呼ばれていた。

「地獄の門をも突き破る力を持った経」とされていたのだ。

仏教の多くの宗門がこの詩から甚大な学びを得ているのだが、それを知る人は非常に稀だ。

心経というと世間は「般若心経」しか挙げないが、

華厳心経は「大悲の空」へと突き抜ける。

般若(智慧)は、大悲空観へと昇華するのだ。

華厳唯心観は「唯識思想」とは違う。

「全ては心が描いた虚妄な幻だ」と見る虚無観ではなく、

もっとはるかにダイナミックな真法界を歌い上げている。

「狼山編:華厳心経」を紹介します。


 ** 華厳心経 **

心如工画師 画種種五陰

一切世界中 無法而不造

如心仏亦爾 如仏衆生然

心仏及衆生 是三無差別

諸仏悉了知 一切従心転

若能如是解 彼人見真仏

心亦非是身 身亦非是心

作一切仏事 自在未曾有

若人欲了知 三世一切仏

応当如是観 心造諸如来

応観法界性 一切唯心造


◆一切従心転・・核心の言葉です。

**** WOLFTEMPLE ****