

木に意志があることを、強く感じる。
森にいて、いつも木たちを見ているから、強く感じる。
木々は凄い。 凄い精神力の持ち主だ。
どんな状況にあっても、渾身の力で生きているのだ。
彼らは、そこを一歩も動けない。
最初から、決定的な運命に縛られている。
だが、彼らは愚痴らない。 嘆かない。
たとえそこが過酷な場所であっても、1%の可能性に賭けて生き抜く。
たとえ本来の姿とは変わり果ててしまっても、堂々と胸を張って生きている。
だが、それだけではない。
木々たちは、互いに配慮し合って共生している。
その配慮が、絶妙だ!! その配慮が、実に見事なのだ!!
木々を仰ぐと、互いに間合いを取っている。
互いに枝を干渉させないように、絶妙に枝の方向を変えているのだ!!
枝ばかりでなく、幹さえも曲がり、その姿を変えていく木もある。
さすがに「カラ松」は真っ直ぐにしか成長できないから、
その場合には隣の樹木が姿を変化させて、互いに生きれる環境を作り出しているのだ。
木々たちは、自分だけが生き延びようとはしない。
自我を抑え、互いに譲り合い、共に生きる道を探していく。
もし主張ばかりしていたら、共倒れになってしまうことを知っているのだ!!
それにしても彼らの枝の付き方や枝の方向は、とにかく絶妙だ。
木々たちの互いの間合いの取り方は、とにかく絶妙だ。
彼らを見ていると、人間の思考など「幼稚」としか思えない・・・
森を歩いていたら、奇妙な木に出会った。
カラ松の倒木だった。
その倒木の「枝」が、天に向かって立派なカラ松に成長している。
倒れた幹の、一番根元の枝が、そのまま天に向かって成長し、遂に立派な幹になったのだ!!
そしてそれは2本の幹だった。2本の枝が共に頑張って、2本の幹に成長したのだ。
倒れた母は、今も生きている。 立派に成長した息子の大地となって今も生きている。
2本の息子たちを成長させるには、よほどの養分を与え続けたはずだ。
倒れた母は、ほんのわずかに土に触れた根から、懸命に養分を汲み上げ続けたのだろう。
地に倒れながらも、遂にあきらめずに、子を育て上げたのだ!!
私は思わず合掌し、一心に祈った。 その母子の姿に胸を打たれたのだ。
**** WOLFTEMPLE ****