<2008年1月9日>

2001年11月、バリー・ホーンは動物の尊厳を訴えて死んだ。

獄中で「断食死」したのだ。

自殺ではない。抗議行動の果ての死だ。

死に至るまでの断食だ。大変な苦しみだ。

彼は動物の尊厳を守ることに、己の全てを賭けたのだ。

慈悲義団(動物解放戦線)の彼の名は、意外に知られていない。

だが世界中の動物たちが知っている。

彼の死のとき、無数の魂がレクイエムを歌っただろう。

生きながら、意識のあるままに毛皮をはがされて死んだ動物たち。

生きながら、延々と殴られ続けて食肉にされた動物たち。

生きながら、麻酔もなしに全身の骨を折られて放置された実験動物たち。

地獄の痛みの中で死んだ動物たちの魂が、彼を迎えに来ただろう。

偉大な愛の光が、彼を包み込んだだろう。

おそらく彼は、動物たちの苦しみを想いながら死んだだろう。

一切の迷い無く、彼は断食を続けたのだろう。

彼は人間の残酷さに絶望しながら、自らの命で最後の抗議を実践したのだ。


人々も皆、頑張って生きている。

さまざまな苦労の中で生きている。

だが、知って欲しい。

この世には、想像を絶した苦しみの中で死んでいく命がいることを。

生まれた瞬間から死ぬまで、

一瞬たりとも安らかな時を与えられずに生きる命がいることを。

今この瞬間も、そのような子が無数にいることを。

バリー・ホーンは、それを訴えたのだ。命を賭して。

**** WOLFTEMPLE ****