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<2008年1月1日>

森に冬が訪れた。

何もかも、たちまち凍っていく。

年が明けたが、それは本格的な冬の到来を意味する。

標高1300mのこの森は、日中でも気温はマイナスだ。

ひたすら氷点下の世界なのだ。

だが犬たちは元気だ。本当に頭が下がる。

彼らとて、酷寒が心地よい訳ではない。

しかし一切愚痴をもらさない。弱音を吐かない。

どうやって乗り越えるか、それだけに専心するのだ。

厳しい寒気は体力の消耗が激しい。気力の消耗も激しい。

そこでは、己の力が試されるのだ。

冬の森に立っていると、野生動物たちのことが気にかかる。

つくづく、彼らは本当に大変だと思う。

食べ物はあるのだろうか?

食べなければ身体は温まらない。

飢えは、凍死を意味するのだ。

極限の空腹と寒さの中で孤独に死ぬのだ。

野性たちの精神力は輝いている。

どこまでも澄んだ純粋な生命力に満ちている。

誰に誇る訳でもない。誰に見せる訳でもない。

彼らは、ただただ全身全霊で生きている。

人間には、彼らの生き様が分からないかも知れない。

彼らの「全身全霊」の意味が分からないかも知れない。

彼らの純情が、彼らの忍耐が、彼らの使命感が、分からないかも知れない。

彼らは、己のことで悩んでいる暇など無い。

偉大な調和のメンバーとして、厳しき調和のメンバーとして、美しき調和のメンバーとして、

物凄いスピードで一瞬一瞬に変化を遂げる深秘の調和のメンバーとして、

この今に、この瞬間に、命の炎を燃やし尽くしているのだ。

例えば一頭の鹿が、例えば一頭の熊が、例えば一頭の猪が、例えば一頭の狼が、

それぞれに、力の限りを尽くして生きている。

それぞれの生涯に、壮大な命のドラマが秘められているのだ。

それぞれの命に、例えようも無いほどに尊いドラマが隠されているのだ。

白銀の森に、彼らの魂の声が聴こえる。

**** WOLFTEMPLE ****