<2007年11月19日>
「チベタンマスチフ」はチベットのマスチフ犬種です。
マスチフ・グループはモロシアンともモロサスドッグとも呼ばれますが、
要するに「強力な大型犬種」たちです。
(※闘犬種や護衛犬種が多い。私も多くのマスチフ系犬種をトレイニングしてきました。)
その祖犬種がチベタンマスチフだと言われていますが、
35年ほど前に原種タイプと思われるチベタンマスチフの写真を見たことがあります。
威厳と迫力と凄味に満ちた犬でした。素晴らしい犬でした。
実はその雰囲気が「エスキモー犬」に似ていました。
エスキモー犬の耳を垂らして、少し口唇を垂らせば、その写真の犬に似てきます。
おそらく両者の祖先は原始犬「イノストランツェビイ」ではないかと感じます。
(※イノストランツェビイは原始犬の中で最も大型で頑丈なタイプです。)
両者ともに厳しい自然環境の中で原種タイプの姿を保ち続けてきた犬種ですので、
イノストランツェビイの雰囲気をかなり色濃く伝えているのではないかと思います。
その写真のチベタンマスチフの被毛は荒々しい野性色(灰茶が基調)でした。
「マスチフ」と名が付いていても、現代のマスチフ族とは異なる雰囲気でした。
(※ロシアや中央アジアの「オフチャルカ」も本来的なマスチフの雰囲気を持ちます。)
しかし今のチベタンマスチフは、他のマスチフ族と同様の雰囲気を漂わせています。
チベタンマスチフは殆ど絶滅に近かったので、おそらく欧米のブリーダーが作出を図ったのです。
毛色はブラックタン(黒地に茶)で、寝た感じの被毛ですから、野性的な印象はありません。
本来はもっと微妙な色合い(野性独特の)があったはずだし、
耳や目や口吻の様子も違った雰囲気だったと思われますが、
多分、欧米人は「優雅で穏やかなタイプ」が好みなのだと思います。
(※大抵の犬種は原種的な雰囲気を削られてしまうのです。)
今、このチベタンマスチフが海外で人気だそうです。
金持ちのマニアたちがこの犬種を飼いたがるのだそうです。
おそらく相当に高額な値段で売買されるのだと思います。
中国ではそれに目を付けてチベタンマスチフの繁殖を始める人が増えているらしいです。
私はとても心配になりました。
いくら現代タイプになったからといって、大型のマスチフ種です。
簡単に飼える訳ではありません。簡単に育てられる訳ではありません。
金儲けの商売本位で適切な世話が出来るとは思えませんし、
相手かまわず売り捌けば、不幸な犬が続出します。
それにチベット山岳地帯の寒冷気候地の原産ですから、暑さは大敵のはずです。
そして繁殖過剰になって売れ残る子犬が増えてくれば、悲劇は目に見えています。
チベタンマスチフに限らず、多くの犬種がこのような事態に晒されてきました。
子犬は命とは見られません。とことん商品として見られます。「物」と見られるのです。
繁殖とは、その根本が「非情」によって成り立っているのです。
※犬種を「作出」するために、無数の尊い命が犠牲になってきました。
そこには冷酷な「選別」が存在し、不要な犬は無残に処分されてきたのです。
そして人間の好み、人間の都合による繁殖は、犬本来の健全な遺伝形質を削いできました。
人間の浅薄で短絡的な繁殖構想は、大自然の絶妙な摂理と較べようもありません。
※今日はこの辺で失礼いたします。
**** WOLFTEMPLE ****
「チベタンマスチフ」はチベットのマスチフ犬種です。
マスチフ・グループはモロシアンともモロサスドッグとも呼ばれますが、
要するに「強力な大型犬種」たちです。
(※闘犬種や護衛犬種が多い。私も多くのマスチフ系犬種をトレイニングしてきました。)
その祖犬種がチベタンマスチフだと言われていますが、
35年ほど前に原種タイプと思われるチベタンマスチフの写真を見たことがあります。
威厳と迫力と凄味に満ちた犬でした。素晴らしい犬でした。
実はその雰囲気が「エスキモー犬」に似ていました。
エスキモー犬の耳を垂らして、少し口唇を垂らせば、その写真の犬に似てきます。
おそらく両者の祖先は原始犬「イノストランツェビイ」ではないかと感じます。
(※イノストランツェビイは原始犬の中で最も大型で頑丈なタイプです。)
両者ともに厳しい自然環境の中で原種タイプの姿を保ち続けてきた犬種ですので、
イノストランツェビイの雰囲気をかなり色濃く伝えているのではないかと思います。
その写真のチベタンマスチフの被毛は荒々しい野性色(灰茶が基調)でした。
「マスチフ」と名が付いていても、現代のマスチフ族とは異なる雰囲気でした。
(※ロシアや中央アジアの「オフチャルカ」も本来的なマスチフの雰囲気を持ちます。)
しかし今のチベタンマスチフは、他のマスチフ族と同様の雰囲気を漂わせています。
チベタンマスチフは殆ど絶滅に近かったので、おそらく欧米のブリーダーが作出を図ったのです。
毛色はブラックタン(黒地に茶)で、寝た感じの被毛ですから、野性的な印象はありません。
本来はもっと微妙な色合い(野性独特の)があったはずだし、
耳や目や口吻の様子も違った雰囲気だったと思われますが、
多分、欧米人は「優雅で穏やかなタイプ」が好みなのだと思います。
(※大抵の犬種は原種的な雰囲気を削られてしまうのです。)
今、このチベタンマスチフが海外で人気だそうです。
金持ちのマニアたちがこの犬種を飼いたがるのだそうです。
おそらく相当に高額な値段で売買されるのだと思います。
中国ではそれに目を付けてチベタンマスチフの繁殖を始める人が増えているらしいです。
私はとても心配になりました。
いくら現代タイプになったからといって、大型のマスチフ種です。
簡単に飼える訳ではありません。簡単に育てられる訳ではありません。
金儲けの商売本位で適切な世話が出来るとは思えませんし、
相手かまわず売り捌けば、不幸な犬が続出します。
それにチベット山岳地帯の寒冷気候地の原産ですから、暑さは大敵のはずです。
そして繁殖過剰になって売れ残る子犬が増えてくれば、悲劇は目に見えています。
チベタンマスチフに限らず、多くの犬種がこのような事態に晒されてきました。
子犬は命とは見られません。とことん商品として見られます。「物」と見られるのです。
繁殖とは、その根本が「非情」によって成り立っているのです。
※犬種を「作出」するために、無数の尊い命が犠牲になってきました。
そこには冷酷な「選別」が存在し、不要な犬は無残に処分されてきたのです。
そして人間の好み、人間の都合による繁殖は、犬本来の健全な遺伝形質を削いできました。
人間の浅薄で短絡的な繁殖構想は、大自然の絶妙な摂理と較べようもありません。
※今日はこの辺で失礼いたします。
**** WOLFTEMPLE ****