<2007年11月5日>
熊のイメージが伝わります。ジンの心境も伝わります。
熊はジンを傷つけるつもりなど無かったのは明白です。
ジンは驚きはしましたが恐怖で固まったりはしません。
そこには何かとても自然な交感があったようです。
彼らは、言葉での会話よりも遥かに深い対話をするのです。
種が異なれど、余計な先入観や固定観念を外した純粋心境で交信するのです。
我が家の犬たちは森と溶け合っています。
いつも森の命たちと無言の対話をしています。
私はつまり、彼らからいろんなことを教えてもらっているのです。
夜、犬たちの世話を終えて彼らを遊び場のフェンスに放していたら、
辺りの気配が変わりました。犬たちが感覚を研ぎ澄ませています。
私も辺りの様子に傾注していると、「タケル」がフェンスを乗り越えて、
一気に疾走しました。アッという間に気配の方向の彼方に消え去りました。
フリーランの自由な状態ならばタケルにアクシデントは起こらないはずですが、
それでも心配です。どこまでも遠征したら困るし、熊にも迷惑が掛かります。
私は大声を響かせてタケルに呼び掛けました。さらにもう一度呼びました。
すると、遠くから疾走する音が聴こえてきます。こちらに向かって近づいてきます。
タケルが息を切らして戻ってきました。
本当はもっと熊と遊んでいたかっただろうに、帰ってきてくれたのです。
※「次郎」(2005年に17歳で他界)は、キツネと友達でした。
「小太」はカモシカと友達でした。
熊は、別にドッグフードだけが目当てで来る訳ではないようです。
人間の開発の影響で山に食料が不足していることが考えられるので、
そうだとしたら飢えているかも知れないので、
試しに犬舎から少し離れた場所にフードを置いてみたのですが、半分ほど残してありました。
本来、黒熊は植物食ですので、ドッグフードは適した食料ではありません。
一時の体力回復にはなると思いますが、続ければ「胸焼け」のような感じになるでしょう。
黒熊はブルーベリーや山ぶどうやどんぐりなどを食べているのです。
木の実や果実は山の動物たちにとって切実に貴重で不可欠の食料です。
ですから人間が山の食べ物を採って行ってしまうと、動物たちは飢えて死ぬことになります。
「飢え」がどれほど辛いか、想像もつかないと思います。
私は3日4日の絶食は頻繁に経験してきましたが、その程度でも苦しいものでした。
動物たちは「もう、一歩も歩けない」状態の中で、それでも食料を求めて彷徨うのです。
人間は山の食べ物を採らなくとも、充分に生きていけます。
しかし動物たちはそれしか他に食べ物が無いのです。
熊は、本来おだやかにひっそりと生きています。
人里に降りるには、よほどの事情があるのです。
飢えた子を抱えた母熊の胸中を想うと、胸が張り裂けそうになります。
熊は人間の怖さを知っています。熊にとって人里は異界であり魔界なのです。
それでも、最後の最後まで生きようと、いちるの望みを託して里に降りるのです。
里に降りた熊を見て、人々は目のカタキにします。
地獄の拷問の「ワナ」で熊を何日間も苦しめ、
身動きの取れないほどに狭いオリの中で熊を絶望に落とし入れ、衰弱させ、殺します。
子を守るために自分が盾になって銃弾を浴びる母熊もいます。
何度も何度も身体を破壊する衝撃が襲います。それでも子をかばい続けるのです。
心を砕くほどの痛みです。子の安否を想うと、死んでも死に切れなかったでしょう。
昔、子熊と遊んだことがあります。本当に可愛かった。
可愛さも、あどけなさも、純真も、犬の子と全く一緒です。天使です。
その子熊が、母の苦しむ光景に泣き、そして「異界」で処刑されるのです。
■「04」に続きます。
**** WOLFTEMPLE ****
熊のイメージが伝わります。ジンの心境も伝わります。
熊はジンを傷つけるつもりなど無かったのは明白です。
ジンは驚きはしましたが恐怖で固まったりはしません。
そこには何かとても自然な交感があったようです。
彼らは、言葉での会話よりも遥かに深い対話をするのです。
種が異なれど、余計な先入観や固定観念を外した純粋心境で交信するのです。
我が家の犬たちは森と溶け合っています。
いつも森の命たちと無言の対話をしています。
私はつまり、彼らからいろんなことを教えてもらっているのです。
夜、犬たちの世話を終えて彼らを遊び場のフェンスに放していたら、
辺りの気配が変わりました。犬たちが感覚を研ぎ澄ませています。
私も辺りの様子に傾注していると、「タケル」がフェンスを乗り越えて、
一気に疾走しました。アッという間に気配の方向の彼方に消え去りました。
フリーランの自由な状態ならばタケルにアクシデントは起こらないはずですが、
それでも心配です。どこまでも遠征したら困るし、熊にも迷惑が掛かります。
私は大声を響かせてタケルに呼び掛けました。さらにもう一度呼びました。
すると、遠くから疾走する音が聴こえてきます。こちらに向かって近づいてきます。
タケルが息を切らして戻ってきました。
本当はもっと熊と遊んでいたかっただろうに、帰ってきてくれたのです。
※「次郎」(2005年に17歳で他界)は、キツネと友達でした。
「小太」はカモシカと友達でした。
熊は、別にドッグフードだけが目当てで来る訳ではないようです。
人間の開発の影響で山に食料が不足していることが考えられるので、
そうだとしたら飢えているかも知れないので、
試しに犬舎から少し離れた場所にフードを置いてみたのですが、半分ほど残してありました。
本来、黒熊は植物食ですので、ドッグフードは適した食料ではありません。
一時の体力回復にはなると思いますが、続ければ「胸焼け」のような感じになるでしょう。
黒熊はブルーベリーや山ぶどうやどんぐりなどを食べているのです。
木の実や果実は山の動物たちにとって切実に貴重で不可欠の食料です。
ですから人間が山の食べ物を採って行ってしまうと、動物たちは飢えて死ぬことになります。
「飢え」がどれほど辛いか、想像もつかないと思います。
私は3日4日の絶食は頻繁に経験してきましたが、その程度でも苦しいものでした。
動物たちは「もう、一歩も歩けない」状態の中で、それでも食料を求めて彷徨うのです。
人間は山の食べ物を採らなくとも、充分に生きていけます。
しかし動物たちはそれしか他に食べ物が無いのです。
熊は、本来おだやかにひっそりと生きています。
人里に降りるには、よほどの事情があるのです。
飢えた子を抱えた母熊の胸中を想うと、胸が張り裂けそうになります。
熊は人間の怖さを知っています。熊にとって人里は異界であり魔界なのです。
それでも、最後の最後まで生きようと、いちるの望みを託して里に降りるのです。
里に降りた熊を見て、人々は目のカタキにします。
地獄の拷問の「ワナ」で熊を何日間も苦しめ、
身動きの取れないほどに狭いオリの中で熊を絶望に落とし入れ、衰弱させ、殺します。
子を守るために自分が盾になって銃弾を浴びる母熊もいます。
何度も何度も身体を破壊する衝撃が襲います。それでも子をかばい続けるのです。
心を砕くほどの痛みです。子の安否を想うと、死んでも死に切れなかったでしょう。
昔、子熊と遊んだことがあります。本当に可愛かった。
可愛さも、あどけなさも、純真も、犬の子と全く一緒です。天使です。
その子熊が、母の苦しむ光景に泣き、そして「異界」で処刑されるのです。
■「04」に続きます。
**** WOLFTEMPLE ****