JUJU 「奇跡を望むなら・・・」
菜美の告別式から半年が経ち
俺たちも、無事に進級できたある日の
放課後・・・いつものように玲二と喋りながら
学校から出ようと校門に向かうと
出口の所に近くのお嬢様校の制服を着た
女生徒が立っていて、俺たちに向かって
お辞儀をした。
「玲二、知り合いか?」と聞くと
「いやっ!鈴森の知り合いじゃないのか?」
「俺が、お嬢様の知り合いがいるように見えるか?」
「見えない!」
「即答かよ!」などと言っていると
女生徒が・・・・手を振りながら
「鈴森さ~ん」
「俺?」と自分に向け人差し指を指した
玲二が、俺の方を向き「うそ・・・?」とつぶやいた
「鈴森・・・誰?」
「わからん?」
そして、校門に近づくと
「鈴森さん、お久しぶりです」
「どちら様でしょうか?」
「半年前に、姉の葬儀でお会いしただけなので
もう忘れてしまいましたか?」と女生徒に言われ
「もしかして、千鶴ちゃん?」と聞き返すと
「はいっ!千鶴です」
「鈴森、誰?」と玲二も聞いて来たので
「あぁ~玲二は会った事ないんだよな、菜美の妹さんで
千鶴ちゃん・・・・」と紹介すると
「菜美さんの妹さん・・・そうなんだ・・・鈴森、俺
「Reste」に行ってるよ!」
「あぁ~わかった、後で顔を出すかも」
「あぁ~おじさんに言っておくよ・・・」
と言うと、玲二は帰って行った。
そして、俺と千鶴ちゃんは歩き出した
「所で、千鶴ちゃんどうしたの?その制服、〇〇女子の制服だよね?」
「はいっ!そうです。この春、入学しました。」
「入学って、九州の高校じゃないの?」
「実は、あれから家族と話し合いをしてあっちにいるのは辛いので
こっちに戻って来たのですが・・・受験とかでなかなか来れなかったん
ですよ。それと、姉のお墓をこっちにしたので・・・」
と淡々と話してくれたが、この家族が受けた悲しみに比べたらと
思いながら・・・・
「そうなんだ?お墓は何処に?」
「寿徳寺に、そのこともお知らせしたかったのと姉の遺品を整理していたら
手紙が出て来たのでそれを、お渡しに着ました」
「手紙?俺に?」
「はいっ!まぁ~鈴森さんと私、両親に一通ずつでしたが
両親と話して、鈴森さんに渡す事に中は見てませんよ」と言って
手紙を渡してくれ
そして、彼女は帰って行った
俺は、近くの公園のベンチに座り手紙を読み始めた
「鈴森君・・・・
最後に、声が聞けて良かった・・・・
あの花火、綺麗だったね たこ焼きも美味しかった
あの時に戻れたら良かったのに・・・
好きと言ってもらえてとても嬉しかった
私も、鈴森君が好き
でも、もう私は疲れました。
ごめんね、鈴森君の好きだと言ってくれた
私のままでいたいので・・・・ 」
最後の文字は涙で滲んで読めなかった。
俺は手紙を握りながら、泣き出し
声ならない声で「菜美」の名前を呼んでいた。