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 「犬城の所に行って来たのですが、どうもおかしいのですよ?」


 北条刑事がミルクティーを飲み干してから一息付き、話し始めた


 「犬城の両親は、息子がいつでかけたのかさえ知らないと


 言っているのですよ」北条刑事が頭を抱えて困っていると


 「と言うことは、もしかしたら出かけるのを見られたくなくて、夜中に


 抜け出したのでは?」マスターがそう言うと「何故、夜中に人目につかない


 ように出ていったのでしょうか?」加奈子が、尋ねた。


 「多分、何かの弱みを握られていたのではないでしょうか?」


 「弱み・・・・とは、なんでしょうか?」北条刑事が尋ねると


 「さぁ~なんでしょうか?臆測ですから」とマスターは答えてから


 「北条刑事、ちょっと話しが・・・・実は調べていただきたい事が


 あるのですが?」マスターが小声で北条刑事に話しをすると


 「何を調べるのでしょうか?」「2年前に穂高で亡くなったとされている


 犬原明さんの事を調べていただきたいのですが?可能ですか?」


 「あちら(長野、岐阜)に問い合わせてみます」北条刑事がそう言うと


 部屋を出ていきそうになるのを「ちょっと、北条さん・・・」とマスターが


 止めたが、ひと足遅かったようで出て行ってしまった。


 「加奈子さん、犬神さん、犬崎さん、犬良さん、犬飼さんと会えるでしょうか?」


 と加奈子に尋ねると「多分、大丈夫だと思いますけど?でも、


 何故ですか?」加奈子がマスターに尋ねると「ちょっと、2年前の事を聴こうかと


 思いましてね」マスターがそう答えると。


 「もしかして、この事件の裏には2年前の事が絡んでると?」美夏と恵海が


 尋ねると「可能性ですよ?」マスターが答える・・・・



 


 続く・・・・